1980~1990年代の宝飾品、美術品を調べる方法

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ちょっとした好奇心から、1980年代から1990年代の宝飾品について調べようと思いました。
想像より難しく、インターネット上にも情報が少ないので、今回はそうした「少し古い情報」を調べるときの方法について書き留めてみます。

意外にも雑誌は神保町に少ない

古本を探しに、関東で最も古本が豊富な「神保町」に出かけてみました。
学術書や専門書は豊富なのですが、雑誌は取り扱いが少ないです。個人的には「古い情報であれば、神保町に行けば本や雑誌がいくらでもある」と思っていたのですが、 店主によって「厳選された情報」があるだけで、雑多な美術品などの情報はかなり少なかったです。

https://www.magnif.jp/
magnif(マグニフ)という、昔の雑誌を中心に扱っているお店を発見したのですが、お店のサイズからか、厳選した昔の雑誌が並んでいます。女性向け、男性向け、様々なファッションからインテリア、美術品など多岐にわたって取り扱いをしているので、 一つずつのカテゴリーで絞ると、そこまでたくさんあるという感じではありませんでした。
面白かったのが、今時の10代、20代の女の子もちらほらいて、どうやら2000年頃の昔の雑誌を漁っている様子でした。

私のようなミドサーからすると、 表紙を見るだけで恥ずかしくなってしまうような、自分の青春時代を思い出してしまうのですが、 彼女たちからしたら、そうしたレトロな感覚が新鮮なのかもしれません。ファッションのコーディネートなどに参考している様子でした。

ブックオフが洗練されている

結局、他にも10件以上の本屋さんに入ってみたのですが、目的の雑誌は見つかりませんでした。
今度は主要駅にある「ブックオフ」や似た古本屋さんを5軒ほど回ってみました。

信じられないことに、宝飾品の情報は人気が無いのか全くもって扱いがありません。
都会にあるブックオフや古本屋さんは洗練されていて、新しい情報の本を中心に品揃えを構成しています。例えば、パソコンの雑誌などは発売してから1〜2年くらいしたものばかりで、古くて使えないような情報はほとんど置かれていません。

小説や新書、専門書なども発売してから5年以内のものばかりで、とにかく情報の鮮度が良いです。裏を返すと、私のように1990年代のような古い情報を探すのには不向きです。古い情報というのは基本的に必要とされないので、売上にも直結せず、状態が悪いものなどは、並んでいるだけで不良在庫となってしまうのでしょう。

私は田舎出身なので、10~20年くらい前のブックオフを今でも覚えています。
当時の田舎のブックオフは、在庫管理もまともにされておらず、とにかく古い本ばかりです。田舎の人はあまり新品で本を買わないので、(これは予想ですが)東京など回転率の高いところから、いらなくなった不良在庫がどんどん地方都市に運ばれているのではないでしょうか。

そのため、田舎のブックオフは、当時どこに行っても色あせた表紙のような雑誌が多く、最新のものは人気のある週刊誌やファッション誌などに限られていました。
逆に言うと、田舎は昔の情報を入手するのが簡単で、 例えば、1980年代や90年代の雑誌が格安で大量に並んでいました。車の雑誌なんかも、絶版になってから久しい車種が、豊富に雑誌が揃っていることもあり、昔の車が好きな人にはたまらないような環境でした。

また、CDどころかレコードの不良在庫が大量にあるので、 気まつぐしにジャズやクラシックのレコードを 1枚200円や300円など格安の値段で何十枚も漁った覚えがあります。東京に来ると、このような不良在庫が並んでいるところは大変少なく、 レコード一つ取っても、コンディションの良く人気のものだけ在庫していて、 値段も一枚3000円以上するようなお店ばかりです。

ディグルという言葉がありますが、私はこれは東京の洗練された都市より 地方都市の不良在庫の中から面白いものを発見する方が 適切な名前付けなんじゃないかなと思います。

今回は図書館には行っていないのですが、本屋さんで買おうとすると、古い情報には限りがあるということに気づきました。また田舎の方が古い情報が入手しやすいと思いました。

ネット上の情報には限りがある

インターネットの情報というのは限られていて、誰かが現地で体験したものや、翻訳してきたものなど偏りがあります。中でも人口が少ないアンティークや美術品は、その人の趣味によって情報に偏りが出やすいです。

検索する順番としては、最初は日本語で気になるキーワードを検索してみます。
最近の情報であれば大量に出てくるのですが、1990年代の情報になると急激に情報が減っていきます。
インターネットが普及しだしたのが 2000年代後半からですので、1990年代の情報というのは、誰かが、紙媒体の情報から集めてネットに公開していかない限り、リアルタイムでは掲載されていないためです。

次に、博来品に関しては、現地の言語で検索してみます。
例えばイギリスの製品であれば英語、イタリアの製品であればイタリア語など、調べたい現地の言語で検索します。

グーグル検索から「ツール」→「詳細検索」で検索オプションを表示します。ここで、気になるワード+言語や地域で絞ることができます。

この検索オプションはとても便利で、例えば行政の発行する公文書を検索するときは、ファイル形式をPDFとすることで、その自治体のPDFが一覧で表示されます。こうした検索オプションで、フィルタリングすることが大切です。

私の場合、いろいろな言語で調べてみたのですが、当時の情報は少なく、目的の情報は発見することができませんでした。

eBayで探す

見落とされがちですが、 eBayの実際の商品には核心を突く情報が載っていることもあります。
日本人だけではなく、世界中の人たちが商品を出品しているので、 中には専門業者で知識豊富な人が当時の情報を解説しつつ、商品を紹介していることがあります。

それだけでなく、実際に当時のカタログを販売している業者もいます。

例えば「saint louis crystal catalog」などと、ブランド名+カタログで検索すると、1900年代のものが大量にPDFで出てきます。著作権が切れていると考えているためか、こうしたカタログはPDF形式で一般販売されています。

https://www.ebay.com/itm/365011141691?itmmeta=01J3H61RAM5XR8YZBK71DN5FTH&hash

当時、新品で販売されていた頃のカタログには、商品名や値段、詳細、デザイナーなどたくさんの情報が詰まっているので、結局のところ、こうしたカタログを入手するのが最短かもしれません。

PDFで購入したら、Eメールですぐに届けてくるタイプと、 定期のように実際のカタログを郵送で送ってくれるタイプがあります。これは人をそれぞれ必要に応じてどちらかを選択すれば良いと思います。

instagramで有識者に尋ねる

これは裏技的な方法ですが、最終的にどうしてもわからない部分はインスタグラムなどで有識者に尋ねるのが良いです。
私はインスタグラムでアンティークガラスの愛好家をフォローしているのですが、特定のジャンルに偏って収集している人は、一般人では調べることのできない細かい情報を持っています。

相互フォローであったり、自分自身も多少の情報発信をしていないとなりませんが、 そうした緩いフォロー・フォロワー関係でも、質問に答えてくださる方もいます。そうした方に、英語でわからない部分を聞くと、アドバイスをくれたり、その人が所有している古い文献の写真を送ってくれることもあります。

1980~1990年代の宝飾品、美術品を調べる方法

他にも方法があるかもしれませんが、 古い情報を調べるのであれば、 上記の順番で実践してみてください。

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