中国茶の中でも、福建省北部の武夷山で収穫される岩茶は、世界のお茶の中でも最高峰と呼ばれています。
武夷岩茶(ぶいがんちゃ)は、中国福建省武夷山地域で生産される高品質なウーロン茶です。その歴史は宋代にさかのぼり、唐代にはすでにこの地域での茶生産が記録されています。明代には、現在の半発酵製法が確立され、清代に入るとその品質の高さが広く知られるようになりました。
特に有名なのが「大紅袍(だいこうほう)」で、皇帝への献上品として愛されました。武夷岩茶は、独特の風味と香りを持ち、岩韻(がんいん)と呼ばれるミネラル感が特徴です。製茶技術の発展とともに、現代でも高い評価を受け続けており、愛好者が多い茶の一つです。
10gで5,000円から1万円するものも多いですが、 メルカリを見ると、信じられないくらい手ごろな価格で販売されています。これらは実際に産地は武夷山なのですが、区画が悪かったり、大量生産されていたり、何世代もクローナルだったりと、やや品質が低いものです。
何しろ世界最高峰のお茶を一パックわずか200円で購入できるので、ガチャガチャ感覚で楽しむことができます。
格安の中でも産地にこだわっているものも存在します。 一袋300円から400円程度するのですがブルゴーニュワインと同じように、区画が狭いほど味が良好になる傾向にあります。
例えばこちらの碧石岩肉桂(へきせきがんにっけい)は、武夷岩茶の一種であり、その名前は生産地である武夷山の碧石岩と、肉桂の香りが特徴であることから名付けられました。この茶は、特有の濃厚な香りと風味で知られ、その品質は非常に高く評価されています。
虎嚇岩肉桂(こかつがんにっけい)は、虎嚇岩と呼ばれる特定の岩場で栽培されることと、肉桂(シナモン)の香りが特徴であることに由来します。
こちらの2つを比較すると、フルーティーさや香りの要因などが異なることがわかります。
メルカリの格安岩茶は本当に美味しい?
はっきり言ってしまうと、結構おいしいです。
10g 2,000円程度のものと比較すると、そこまで大きく差はありません。
ただ問題は2戦目以降です。岩茶というのは本当に優れているものであれば10〜20煎と長く楽しむことができます。ところがこちらのメルカリの格安のものは、最初の1杯と2杯は美味しいのですが、それ以降になると急激に味が落ちていきます。
突然水っぽくなり、渋みしか出ない状態になるので、 どんどん新しいパックに切り替えていく必要があります。また、中には極端なハズレもあり、 5パックから6パック開けると、1つくらいはあまりコンディションが良くないものも混じっています。
何人かで楽しむのであれば、最初から高級なものを買った方が良い。
現在、日本で流通する正岩茶の中で「核心正岩茶専門店 皇御茗茶葉」が最も良い品質の正岩茶が揃っていると思います。
こちらで扱っている正岩茶は、現地の茶園オーナーから直接仕入れているもので、品質は格別に良いです。ランクがCグレードからSプラスと広く分かれていて、 安いものであれば2,000〜3,000円程度から、高級なものであれば5万円程度まであります。
この中でも、手頃なCの1,000〜2,000円級のものは1パックでこの値段なので高級なのですが、 格安のものの10パック分の価値がありますし、それ以上楽しむことができます。
皇御茗茶葉であれば、どの茶葉を購入したとしても、10煎は確実に楽しめますし、その後、冷蔵庫で水出しにすることで、大変信じられないほど美味しい冷茶を作ることができます。
そのため、午後のお茶会でゆっくり楽しむのであれば、最初から高級なものを買った方が良いです。
手軽に岩茶を飲むならメルカリ格安岩茶もあり
とは言っても、最初から1パック2000円のものは高く感じるはずです。
初めて岩茶を飲むのであれば、メルカリのものから始めても良いと思います。
ただ、メルカリのものは品質がギリギリの部分があるので、 冷茶にすることはほぼ不可能です。
ただ、私もたまにメルカリの岩茶を飲むのですが、 朝、一杯だけ飲みたい、 忙しい時にほんの一口飲みたいといったシーンでは重宝されます。旅行先のホテルにもこのメルカリの安いものを持っていくことがあるのですが、 朝食の気分転換に一杯飲むときなどにも便利です。
そんなわけで、値段に比例して品質が上昇していくことが分かりました。いろいろメルカリの格安茶を試したのですが、 一概に絶対に飲んではいけないというものではなく、 本当にインスタントな、カジュアルなものであると考えておけばよいかと思います。
興味があれば、高級なものと安いものをぜひ比較してみてください。