華の都に到着!
サンタ・マリア・ノヴェッラ教会ってハリボテだったのね…。手前がサンタ・マリア・ノヴェッラ広場です。
ぱっと見、ロマネスク様式かな?と思うのですが、実はルネサンス期の最も重要な建造物らしく、Wikipediaによると裕福な商人ジョヴァンニ・ディ・パオロ・ルチェッライが建築家レオン・バッティスタ・アルベルティに委嘱して1458年から作ったそうです。エンタブラチュアにはジョヴァンニ・ルチェッライの紋章があるそうですが見逃しました。幾何学的デザインは他の大聖堂と比べても個性が際立っています。
ホテルに荷物を置きます。謎のボロ可愛いインテリアです。
エレベーターを乗り換えて階段を上らなければ部屋に到達できない設計です。都市が古く建て替えができないため、別の躯体と組み合わせて増改築を繰り返しているために複雑になっています。
食事前にアレを見に行きます……。
おお〜!
Cattedrale di Santa Maria del Fiore サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂です。
近づくとファサードだけで、肝心のクーポラが見えません……。左から洗礼堂・大聖堂・鐘楼に分かれています。
厳密には大聖堂も時代によって改築されて様式が混ざっています。フィリッポ・ブルネレスキがドナテッロとともにローマに訪れ、そこで古代ローマ建築の構造を自ら発見したといわれています。書籍によってはアグリッパが建設したパンテオンのローマン・コンクリート技術、内部の木型を組み込み、自重で支える技法をサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂に流用して見事再現したと紹介していることもあります。元の文献までしっかり読んでいる訳ではないので、本当に正しいのか検証できていませんが、とにかく素晴らしく画期的な建築技法なのです。
円蓋の釣り上げが難問で二重構造を採用したり、地上から建材を釣り上げるのにレオナルド・ダ・ヴィンチが考案したクレーンを利用したり、とにかく登場人物も豪華なのです!(安っぽい昼ドラの宣伝みたいですみません)
間近でもいいですが、座ってエスプレッソと炭酸を飲みながら見るのもおすすめです。ぼったくり店は少なく、千円以下で茶を楽しめるので東京の喫茶店並のコストで偉大な建築を見ながらくつろげます。
お土産屋のショット。フィレンツェ名物の手作りトレー。
店によって全然クオリティが異なります。共通しているのは必ず店員が「私が作っているよ!」と自家製を宣伝してきますが、どこの店に行っても塗っていないのです。
チュニジアなどの移民がコツコツ大量生産しているのでは……?と疑っています。
それでもペイントの良し悪しがあり、本当に塗っている店もあるようです。何件か回ってタッチが繊細で、美しい土産屋を探すと良いでしょう。韓国人が千円の商品を「半額にしてくれ!」と英語で言って、店員さんがブチギレていました。
まっとうな日本人であれば、もし値切るとしても「何個も買うから、ちょっとSconto(値引き), per favore!」って言えば、しょ〜がね〜なとニコニコ値引いてくれます。もしくはbuono prezzo ですよ。外国人が土産を複数かって「いい感じの値段にしてください」と言ったら、笑って値引いてくれることもあります。
ヴィーナスの誕生や受胎告知は分かるのですが、ジョットの絵やダヴィンチの下絵?などマニアックな絵がはめ込んであって楽しいです。絵画の知識がゼロなので、もう少し勉強して再訪したらきっと楽しめるはず。
トレーと小物入れはお勧めですよ!参考までに多くの商品は2千円~5千円程度です。
夕食は大好きすぎて今まで10回以上行ったOsteria Pastella。
大きなパルミジャーノチーを削りながら火で溶かし、絡ませる自家製麺です。極上の逸品で、このためにフィレンツェに行きたいくらいです。
Tartufo タルトゥッフォのパスタも格別に美味しく、結局この店に毎日通ってしまいました。
ただ残念なこともあり、韓国人が非常に多いのです。そして怒るわ怒る、予約なしで入り英語でまくしたてたり、料理が遅いと文句を言い入店10分程度で出ていったりと、本当に信じられない光景を目の当たりにしました。
同じアジア人として申し訳ない気持ちがいっぱいです。無理にイタリア語で話す必要はありませんが、イタリアでは店員と客は同等の立場です。むしろ店の人の方が偉い、という気分で行くべきです。
注文10分で出ずに怒って出ていくようではイタリア人が困惑してしまいます。Googleレビューの低評価には「人種差別」とクレームがつけられていますが、それは当然の事でしょう。Buonasera, ho prenotato.こんばんは予約しています。と言うだけで、劇的に対応が改善されるのでイタリア旅行の時は気をつけたほうがいいです。
そして電話などで予約が無理だよ!そんな難しいことはできないよ!と思うのであれば、当日の昼に顔を出して、紙に希望の時間と人数を書いてOK?と聞くだけで簡単に予約ができるはずです。ワインを飲んでゆっくりしたいから広い席がいいと言えばリクエストを通してくれる店がほとんどです。どうして欲しいのか伝えるべきです。
翌日はアンティークショップに。
日本には無い雑貨が大量に並んでいます。リキュールグラスから燭台、シャンパンサービス、シャンデリアまで日常生活に要らない数々のアイテムが揃っていて見るだけでも楽しいです。割れ物が怖いのであれば銀のカトラリーや鋳物など壊れにくいものを選びます。
アクセサリーボックスや装飾のスプーンなど、買っておかないと後々後悔するかもしれません。
なぜ日本に来ないかは謎です。
ホテルに戻って、パソコンが使えるか聞いてみました。
「うん!地下にパソコンルームあるよ」
パソコンルーム・・・・・? Computer Camera?
遺構?遺跡?に無理やりパソコンを詰めたような空間になっています。部屋という定義から考えさせる空間でした。
新しく作ったものではないように見えます。考古学の粋かもしれません。
朝食会場に案内されると、またまた声を失う光景に…。
ここで食べろと?本当に贅沢すぎるという感想しかありません。
絵画の時代や作家、画風など語ることはできませんが、いずれもフィレンツェのポンテ・ベッキオ(古い橋)などをモチーフにして、油絵で描かれています。タッチからしても、そこまで古いものではないと思いますが、古風な作画で素敵すぎます。有名画家の複製画(レプリカ)を飾るよりも何倍も良い趣味をしています。絵画は20世紀、額縁に関してはそれより少し昔なのではと推測してみます。絵画に詳しい方、感想お待ちしています。
え?嫌なら奥の部屋でもいいって?
慌ただしく動き回る使用人に案内されます。
絵画が気になりすぎるので、奥の部屋に移ることとします。
こっちはこっちで可愛すぎる・・・・(T_T)
結局このテーブルの右奥で食事をしました。
これは本当に危険です。未婚の女性は絶対に来てはいけません。
日本で数百万円かけてどれほど贅沢な結婚式を挙げても、フィレンツェのボロホテルの朝食会場の方が可愛かった、という事になりかねないからです。この年になると何度か結婚式に呼ばれたことがありますが、いずれもアレでした……。
ローマのホテルもそうですが、質と数の暴力ですよ、これは。
あ〜、建物から出たくねぇ〜。
お腹いっぱいになってエスプレッソのおかわりを粘ると、渋々部屋に戻りました。
暇なので蚤の市に向かうこととします。
ボロい・・・・
フィレンツェのモットーはボロかわいい。
汚いリネン。いや、汚くはないのだろうけど、汚らしいというか。古すぎる?
うーん、19世紀フランス文学に出てきそうな布切れが積み重なっています。
素晴らしいアンティークカトラリーのフリーマーケットも。
玉石混交で様々な時代と国のものが混じっています。サービングナイフ・フォークやトング系は分かりますが、左手前のギザギザの中抜してあるナイフは初めてみました。チーズ用でしょうか?かなりの謎です。
フィレンツェで遊び呆けたので、帰国ためにもローマに戻ります。
ドルチェ&ガッバーナに再び冷やかしに行きます。
SINE SOCIO IUCUNDA. よいパートナー無しには…? 奥のドアには、AMOR MAGISTER EST…。
これは!この前ラテン語の教科書で読んだやつだ…。愛こそが最良の教師。
二回目ですが、大理石の階段滑りやすいので雨の日は特にご注意を。スペイン広場の階段でも何回か死にかけました。
そんなこんなで、イタリア旅行の帰路につきました。
アリタリア航空が酷すぎて帰りの写真は一枚もありません。
食事も取らず死んだように眠りました。
そしてイタリアは最高だよ、住みたいよ、と言いながら爆速で和食屋に向かったのでした。
おわり