国民楽派の中でも、北欧フィンランドといえばジャン・シベリウス(フィンランド:1865年 – 1957年)が有名です。
日本ではチェコのスメタナやドヴォルザークなんかは音楽の授業でも習いますし、モデスト・ムソルグスキーなんかもロシアの国民楽派です。展覧会の絵なんかは今でも映画やテレビのBGMとして多様されていて有名です。しかしフィンランドのシベリウスを余り聴いた事がない人もいるのではないでしょうか?
そんなジャン・シベリウスですがフィンランドでは紙幣に描かれるほどに有名な存在です。作曲家でありバイオリニストでもありますが、なぜここまでフィンランドで有名かというとロシア革命の前後に、音楽を通じて帝政ロシアから独立をしようとする国民を勇気づけたからと言います。
VisitFinlandにはシベリウスを以下のように書いています。
シベリウスのフィンランド
7つの交響曲やフィンランディア、カレリア組曲、悲しきワルツなどでよく知られているジャン・シベリウスは、フィンランドが生んだもっとも尊敬されていて、もっとも有名な作曲家です。
自然や歴史、自らの国の伝説を、これほどまで鮮明に、そして貪欲に楽譜に捉えた作曲家は、これまでにいなかったでしょう。それに加えて、シベリウスの音楽はフィンランドの独立の過程においても重要な役割を果たしたのです。
中々聴く機会の少ないシベリウスですが、Amazon Primeに何件か登録があるので定額配信で聞くことができます。
そこで今回は何枚かアルバムを紹介したいと思います。
シベリウス:交響曲全集 渡邊暁雄指揮/日本フィルハーモニー交響楽団
シベリウスと言えば7つの交響曲が有名ですが、四枚組の全集になったのがこちら。
日本フィルハーモニー交響楽団の渡邊暁雄指揮、収録は1981年6-9月のデジタル収録です。
演奏について筆者は超初心者ですので、詳しく解説はできないのですが、先ず収録の環境と音質が良いことが挙げられます。
例えばトゥオネラの白鳥ですが、オーボエのメロディが劇場に座っているかのように繊細なソロを奏でます。ティンパニなどのバランスも良く距離感があり立体的で、デジタル収録なのでノイズなども無縁です。集中して楽しめる音源と言えます。
シベリウスはレコードも何枚か持っているのですが、収録環境が悪かったりノイズが多すぎると集中できません。
また、これを言ってしまうのはアレですが、CDがアマゾンで中古品¥27,421というプライスが付いているので何となくお得な感じもあります…。
The Best of Sibelius (Remastered) ジャン・シベリウス
曲選と演奏は良いのですが、収録の音質があまり優れません。
もし視聴環境がナローなスピーカー。例えば紙製のコーンを採用しているようなヴィンテージであればバランスは良いかと思います。定番の曲が揃っているので、演奏ごとに聞き比べができます。
検索しても情報が出て来ないのですが、リマスターとありますが曲によって音圧レベルが異なります。何故だろう?
The Very Best Of Sibelius ジャン・シベリウス
このCDは交響曲とピアノソロ、聖歌がバラバラに混合している少し謎なCDです。
収録の音は中々良いので、聞きたい曲をスポットで流す分には良さそうです。
15 Sibelius Playlist ジャン・シベリウス
「Concerto for Violin and Orchestra in D Minor, Op. 47: I. Andante moderato」
やはりバイオリン交響曲は美しいです。ただでさえ叙情的な曲調であるのに前半のバイオリンソロからの移り変わりは、他の作曲家と異なる強い魅力を持ちます。
このヴァイオリン交響曲のレコードを持っているのですが、アナログも良いですがデジタルだと場所を選ばず聴けるのが良いですね。
この他にもリサイタルなど何種類かシベリウスのアルバムが聴けます。
急に俗っぽい話になってしまいますが、部屋で流すBGMや車内で聞く曲にもお勧めです。
美しい曲目が多いということもありますが、来客者がピアノやバイオリンの経験者であってもストレスが少ないということです。ある来客者の話によるとショパンやリストの練習曲は最悪だそうで、幼少期に指が腫れるほどに何千回と弾いてきた曲を大人になってから聴きたくないという話を聞きました。これには確かになるほどで、ショパンやリストのピアノ、ベートーヴェンやバッハのバイオリンは幼少期に嫌々練習させられている可能性があるということです。
そうなると、このシベリウスは少々ニッチで経験者も少なく”課題”にも選ばれにくいということで、大人になってからでも楽しめるそうです。私は偶然レコードの中古セールで入手した一枚がシベリウスで、そこから気に入って聞いているのですが、曲を見つけるきっかけは分からないものです。プライムに加入している人は無料で聴けますので、ぜひこの機会に聴いてみて下さいね!