イタリア最高峰のビスポーク靴 MARINI マリーニ
観光客にとって馴染み深いスペイン広場の近く、人通り少ない通りにひっそりと佇む伝統あるビスポーク靴工房、MARINI マリーニ。
ジュゼッペ マリーニが1899年にこのローマの地で創業したときには、まだ「イタリア」という国ができて40年も経過していなかったのですから驚きです。
もっと驚きなのは1920年代まであのサルヴァトーレ フェラガモがこの工房で仕事をしていたということです。
レディースの靴に情熱を注いだフェラガモと、頑にメンズ靴を作り続けたマリーニ。ブランドとしては圧倒的にサルヴァトーレ フェラガモの方が大きくなりましたが、伝統と格式はマリーニのビスポーク靴にこそ宿っていると言えるでしょう。
5年、10年履いてこそ美しい靴
現在では四代目にあたるダニエレ マリーニが、生粋の職人として働いています。MARINI マリーニの靴は決して派手なものでなければ、アイコニックで履いていればすぐにわかるというものでもありません。
しかし丁寧に作られた木型をベースにエクスクリューシブなレザーを使用して作られる立体的な靴は、見る人が見ればすぐにハイレベルなオーダーメイドであるということがわかるものです。
MARINI マリーニの靴を正面から見ると立体的な足のうねりに合わせて、絶妙なカーブを描いていることがわかります。知らない人が見れば、歪んだ靴に見えるかもしれません。
既成靴は売り場に置いてあるときに一番綺麗に見えるように作られていますが、本物のビスポーク靴は、5年10年と履いて手入れをした後、着用しているときに一番美しく見えるのです。
ほんのりとスクエアな角の張ったシルエットは、マリーニらしい伝統的なローファに実によく似合います。
日本でトランクショーが開催されていることもあり、今でも手に入れられる希少な最高峰ビスポーク靴と言えるでしょう。