結局こうなんだなと。
今日は初めて開けるワイン、サントリーの長野ワインです。
国産ワインは甲州のグレイスばかりだったので、なかなか期待できます。
しかし、11年前には想像できない経験になった気が……。
当時は年間に飲むワインは12本前後で、格安の千円台が中心だったので、本当に人生ってわかりませんね。
スペックからいきましょう。
標⾼700m以上の冷涼な気候の岩垂原地区は、⾹りが豊かで、熟した果実味があり、凝縮した味わいのメルロを⽣み出します。フレンチオーク樽で熟成後、瓶詰めし、複雑で芳醇な⾹りと凝縮感のある味わいに仕上げました。
出典:https://www.winery.or.jp/wine-search/321/
フルボディ 飲み頃温度は16-18度と紹介されています。
ワイナリー名 サントリー(株)/塩尻ワイナリー
製品名 サントリー塩尻ワイナリー 塩尻 岩垂原メルロ
種類 赤
品種名 メルロ
原料原産地名 長野県塩尻市岩垂原地区産
内容量 750ml
価格 8,800円(税込)
味わい フルボディ
これ、めちゃめちゃ気になるのですが、公式サイトでは2009〜2016年まで、飛んで2018年が紹介されています。
出典:https://www.suntory.co.jp/wine/nihon/wine-cellar/list_symbol.html#smml
もしかして…オフビンテージ?
2016年は2,736本(228ケース)、2018年は2,720本(310ケース)です。
長野ではないですが、山梨の場合は2017年は良いビンテージチャートだったので、かなり気になります。
サントリー塩尻 岩垂原メルロ 2017 テイスティングノート
抜栓直後はシャトー・パルメのファースト、極めて良質なメルローの香りで煙草の葉や、加湿した葉巻のラッパーのにおい。
シガーバーのセラーに入ったような、湿った土や腐葉土を思わせる香り。
ただ、パルメのような艶やかな香りはなく、ドライな単調な香り。
誘われて口に含むと、思いのほかボディがあっさりしていて少しがっかりした。香りが開いていないのか1グラスだけで翌日に持ち越し。
抜栓2日目
初日の偉大な香りは弱まる。バスクリンのような、泡が出る系の入浴剤。口に含むと、柔らかく優しい良いとハーモニー。
あまりワインのテイスティングにハーモニーと使ったことはないけれど、スケールの小さい楽団のように調和が取れている。
キノコ生える森、日陰の納屋、日の届かない森。
チョコレートの包み紙、猫の背中を触った、公園の剥げかけた生木の皮、錆びた鉄棒。
酸味は優しく、苦味も弱く、香りは上品でつつましい。アメリカワインの対極にある。昨今流行りのワインは、どぎついバニラ香りにアタックの強い酸味とアルコールの棘、果実爆弾が好まれているので、この岩垂原の傾向は非常に良い。
キレはよく、さっと口から存在が消えるので和食に合わせてもイヤミがない。
正直言って、昔リリースしていた中央葡萄酒の「メルロ」の方が感動はある。あちらは、底から沸き上がる地のエネルギー、太鼓のような聴覚や肌に響くようなパワーを感じられた。
そして地の奥深くにあるミネラルを、嫌でも体験できた。
それと比べると岩垂原は、全てにおいて控えめ、それなのに上品さを感じる素晴らしいワイン。
飲んでみた感じは、恐らくオフビンテージなのだと思う。
ボルドー右岸の2013年のような水っぽさ、ブヨブヨという訳でないけれど、収穫前に日照不足のためか凝縮感は全く感じられない。
もともとの場所が良いのか、気品が感じられるだけに残念。カラッと晴れた日が続き、さらに凝縮するとすれば中央葡萄酒に迫る勢いだと思う。
強い刺激に慣れすぎてしまった人たちには、あまり良い印象はないかもしれない。ワインの声を聞いたものに語りかける一本に違いはない。
追記 2022年11月8日21:49
寒い外で飲むと円熟しらネビオッロのような華やかな香りがする。
サウジアラビア空港の香水店の匂い、少し中東っぽさ。
胡椒のスパイスやヴォーヌロマネの薔薇のようなニュアンス。
いんく
青ピーマン
ヴォーヌロマネのプルミエにコレ系の香りするときある。
声が聞こえる、その時ではないと
ミニトマトの茎
このワインは温かい部屋ではなく、寒い屋外の環境で飲んだ方が本質が見える。
単に加齢によるミモかもしれないけれど、勉強になった。
16度が美味しい説は本当っぽいです。
1週間後に飲むと、いきなり上品なメルローになり当初の酸が落ち着いたいてので、熟成期間が足りないのかもしれない……。本当にワインは難しい。