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ホテル雅叙園東京 ピーロートジャパン 2021年第6回 ル・グラン・ テイスティング 11月12-14日

昨日、東京都美術館(上野)『ゴッホ展 響きあう魂 ヘレーネとフィンセント』に行った翌朝から早起きして、ピーロート・ジャパンが主催する「2021年第6回 ル・グラン・ テイスティング」に参加してきました。なんと57社ものブースが出店されて、ワインの種類は全228本、ここまでの規模の試飲会は初めてだったので感想と攻略法を紹介してみます。

強い自制心と、状況判断能力、体力が求められる

参加する前は「よし全種類試すぞー!」「そのためには吐瀉機をつかって飲まないようにしよう!」と心に決めていました。
ピーロートジャパンで購入している顧客には招待状が届いているようで、列には100人以上が待機しています。私が購入した当日6000円、前売り券1500円のチケットの列は5~10人ほどでした。QRコードでピッ!とするのかと思えば、お名前は?と原始的な入場整理方法でした。集合しているスタッフの大半が未経験のためか、とてもギクシャクしていて流れが悪かったです。
「ええと、どうしたらいいんだ?」とスタッフが悩んでいて、手首に入場証明を着けるのを忘れてしまったり、全体の説明をするのも不慣れの様子でした。

説明してくれた方も5分ほどで離脱して、「まあ、とにかくやるぞー!」とポケモン大会のような気分でスタートします。1つ目はシャンパンでもどうです?と聞かれて、近づいたのがこちら。

え!?テタンジェ・コント・ド・シャンパーニュやんけ!!(しかもロゼ)

こちらを、お飲みになられますか?
>はい
>はい

お、おお・・・!美味しい〜〜〜!!

ゴキュッ……(負ける音)

飲んじゃった……。今から228戦しなければならないのに、3万円の甘美なシャンパーニュに虚しくも負けてしまいました。即オチ2コマ漫画やんけ。まあ、一杯目はしょうがない!

テタンジェのミレジメもございますよ?お試しになられますか?
>はい
>はい

お、おお・・・!美味しい〜〜〜!!

ゴキュッ……(2回目の負ける音)

紙を43回折ると月に届くコピペってみたことありますか?
まさか〜余裕だよ!と折り始めて2回目の気分です。あ、これ228戦無理かもしれん……。

とにかく気を取り直して次のブースへ……。混雑しているので、空いているブースから手当り次第に試飲する流れにしました。なんとまあ豪華なシャトー・ピション・ロングヴィル・バロン2016(¥25,762)を発見。
16は流石に早すぎます。素性は良いのですが、渋みと酸味が固まった質感で本領発揮するのは20年以上先ですので、優れたテイスターでないと現時点で的確に良いか判断は難しいです。
先日飲んだ2011年は若かったのですがギリギリ美味しく飲めたので、あと5年ほどは熟成されたいです。

写真がありませんが、シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド2010年(¥39,490)も試しました。10年というグレートヴィンテージもありますがさすがに素晴らしい味わいです。本来は同一のビンテージで比較すれば、ロングヴィル・バロンの方が個人的に好きなのですが、若すぎるバロンよりも良く熟成したコンテス・ド・ラランドを選んだ方が良いのだと分かりました。

シャトー・ローザン・セグラ2011年(¥20,086)美味しいですね!
こちらもメドック格付け2級ですが、マルゴー村のメルローということがすぐに分かるほどの特徴を持っています。メルロー主体なので、柔らかく華やかです。熟成期間も10年は経っているので、早速飲んでも美味しいですし、これから10年20年と寝かせても良いです。パルメの艶やかさはありませんが、堅実な作りをしている気がします。

「キュヴェ・ジャン・ゴトロー」シャトー・ソシアンド・マレの上位キュヴェらしいのですが、非常にエレガントで美味しかったです。肝心のソシアンドマレの2015年は水っぽく、2013年に引き続きアカンでした。2012年だけが特出して美味しかったように思います。

Maison Bouey メゾン・ブエイという初めて見たメーカーです。
どうやらルイ・ヴィトンとタイアップしているようで、豪華なパッケージに包まれています、自社の畑ではなくネゴシアン業のようです。シャトー・ジスクールから、シャトー ・ カデ ・ ボン、シャトー・ボールガール、シャトー ラスコンブなど扱っています。中でもChateau Lascombes Cuvee 2015(¥17,567)は、素晴らしいワインでした。(マルゴー2級か!今、検索して気がついた……)

長年の疑問だった、シャトー・クレール・ミロンとダルマイヤックどっちが美味しいか問題。
クレールミロンの方が美味しいですね!やっぱり踊りは一人よりも二人(?)
ただ、どちらも熟成期間が足りないように思えました。コレ20年以上経たないと硬いタンニンがきつくて飲めないのでは?という感じです。

シャトー オー カルル CHATEAU HAUT CARLES 2007(¥7,447)には、「バタースコッチ、イマイチ」とメモが残っています。ここに書いている以外にもガンガン試しているのですが、吐き出している分があってもフラフラです。
メゾン・ルイ・マックス MAISON LOUIS MAXは、ニュイ・サン・ジョルジュのドメーヌですが、シャルドネはミネラル感が強くなかなか美味しいです。シャブリは酸味が強すぎますが、美味しい。オーコート・ド・ニュイはイマイチですが、ジュブレ・シャンベルタンはスモーキーすぎて最悪でした。ここまで不味いジュブレ・シャンベルタンってある?ってほどひどかったです。美味しいものと不味いワインが入り混じっているのに驚きました。

とにかく、玉石混交で何がなにやら分からないほどにあります。ここからは本当に美味しかったイチオシワインを上げます。

Châteauneuf-Du-Pape Cuvée Des Générations Gaston-Philippe 2017年
めちゃめちゃ美味しい!!ケース買いしたいほどに美味しかったです。ブルゴーニュのようにエレガントなのに濃いカシスの香りもあり、ミルクのような優しい甘い香りもあり、これぞ飲みたかったワインだ!という1本。

高級なスペインワインを初めてのみましたが、「スペインやばい!スペインやばい!」と語彙が喪失するほどの完成度。スペインの貴族って、こんなワイン飲んでいるんだ…きっと。と思えるようなスパイスさがありながら、ボルドーのような滋味深いテクスチャを併せ持った素晴らしいワインです。

もう一つ、Sena, Aconcagua Valley, Chile 2016(¥22,506) 「あ…神はここに居たか」と酔っぱらった頭の中でも、ハッキリと降臨してきました。コレは凄いワインです。値段も高いですが、1本買って真剣に対峙します。
やはり瓶内熟成が大切のようで、2018年が高価でしたが2016年が最も美味しく感じました。

Seghesio Home Ranch Zinfandel 2016年(¥11,451) 今までジンファンデル(笑)って思っていたのですが、コレはヤバいですね!並のボルドー飲むならば、コレを一本飲みたいほどです。
生のハーブやスパイスが飛び出てきて、驚きました。量が少しなので全貌の理解までたどり着きませんが、しっかり対峙したいカルフォルニアワインです。

他にも様々なワインを飲んだのですが、混雑した会場の中で少量のワイン、それも同じ細いグラスで集中して判断するのは非常に難しかったです。
一つ分かったのは経験値が上がるのですが、ワインの理解をするにはしっかり1本自宅で飲まないと分からないということです。ついつい一口飲んで分かった気になってしまいがちですが、オーディオと同じで一口で美味しいというのは刺激が強い=飽きやすいということかもしれません。つまらないなと思ったワインこそ飲み飽きない1本付き合えるワインかもしれないというのが難しいところです。流れ作業でお見合いしている感覚でした。
228本中、20~30本は試飲できました。あまりに感動的なワインを飲み込んでしまい、少しフラフラになりました。

最後にソルジンのジンを飲みましたが、コレ驚くほど美味しいんですね!
ただ口内が収斂してしまうので、ワインより先に飲まない方がいいですよ。蒸留酒は最後の最後に時間があったら試すという流れが良さそうです。

目黒駅から5分ほどのホテル雅叙園東京は初めて伺いましたが、屋内庭園のように水や家屋がありあ然としてしまいました。ちょうど結婚式を行っていましたが、美しい日本庭園はどこから切り取っても綺麗な景色です。

日本料理「渡風亭」は、ホテルの一室ではなく屋外のような雰囲気の中に一軒家が存在します。
全天候型で中庭までついていて、日本人でさえびっくりなので海外からの来客をもてなしたらきっと驚かれそうです。

テイスティングを終えて……。
とにかく90分で効率よく回るには、荷物をホテルに預けるか持ってこないかなど、手回り品を最小限にするのが大切です。今回トートバッグを持っていったので邪魔で仕方なかったです。あとは、吐瀉したときに口をふけるようにハンカチやハンドタオルなどもあると良いです。

試飲したワインを一つずつじっくり書き込むのは難しいので、自分の中での判断基準で50~100点でメモをしたり、感動した・買うものを◎、美味しかった・欲しいものを○、まあまあ△、イマイチ×など記号かしてつけておくと迷わずにすみます。
例えばボルドーやブルゴーニュなど慣れ親しんだ産地があれば、そこから慣らしていって、だんだん新大陸や興味のある新しいワイナリーに移っていくのが良いと思います。飲み込むと後半きつくなるので、吐き出した方が良いと思います。本当にお金と時間に余裕があれば、ホテル雅叙園東京に部屋を押さえておいて参加するのが一番良さそうです。あとは空腹だとアルコールだけで死にやすいので、パンでもなんでも少し胃に固形物を入れておいた方が良さそうです。
本当に良いイベントでした。次回は今日の経験を反映して参加したいと思います。みなさんも興味があったら参加してみてくださいね。

【東京】2021年 ル・グラン・ テイスティング 11月12-14日 @ ホテル雅叙園東京

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