飲み物

ボルドーワインが美味しくない、不味いと感じる理由

ワインマニア「ラフィットの’82は豊かでコクがあり、それでいてフィネスでボディの厚みを残すこのワインは実に素晴らしい」
ワインマニア「ボルドーの美味しさが分からない人ってちょっとね…(笑)」

こんなオジサンがいるとワインを初めてみよう!という気分が折れてしまいますね。

初心者とワインマニアでは美味しいの意味が異なる

ワイン好きの美味しい
香りが華やかでエレガント、深みのあるコクときめ細かいタンニン、ミネラル感のある凝縮した果実。

初心者の美味しい
飲みやすい、のどごしが良い、ぶどうジュースのような旨さ

上記は一例ですが、美味しいと感じる部分が飲み手によって異なるのでボルドーワインが不味いという感想になります。
仮に50万円するシャトー・ペトリュスを飲んでも、200万円するDRC(ドメーヌ・ラ・ロマネ・コンティ)を飲んでも、初心者の場合は「なんか渋い…」だとか「なんか苦いだけ…」といった感想になってしまう可能性があるのです。

私たち日本人は寿司や刺し身を食べ慣れているので、ある程度に刺し身が好きな人であれば「コチかぁ〜、この時期はうまいなぁ」だとかハモの湯引きを食べて「ハモは酢味噌もいいけど、やっぱ梅肉だなぁ」となります。
しかしアメリカ人やフランス人が来日して突然、これらを食べても「美味しい」と感じるまでに和食の体験や、味覚の訓練が必要になることは想像に難くないでしょう。フランスのワインも日常的に飲んでいない人が突然飲んでも「美味しい!」となりにくいのはこのためです。

 

ボルドーには複雑な格付けルールが存在する

ボルドーワインの経験値を上げるのは簡単です。お金があればという条件がありますが……。
フランスのワインの法律で、「メドックの格付け」というものがあり1級から5級までシャトー(生産者)が格付けされています。

5級に選ばれるだけでも難しく、それ以下はクリュ・ブルジョワという級があり、中でもクリュ​・ブルジョワ・エクセプショネルなど細かく分かれています。1級から5級までバランス良く美味しさや品質が比例するわけでなく、シャトー・パルメという生産者は格付け3級なのに2級のワインよりはるかに高額で取引されています。1級は不動ですが、それ以下のシャトーは現代では味わいが上下します。

ボルドーを本格的に飲むには1本5,000円~20,000円ほどかかる

世界的にみても昔からボルドーは優れたワインの産地で、それだけ人気が高くコストも上がってしまいます。
近年はワインショップやスーパーでも、イタリア、チリ、南アフリカ、アメリカなど様々な国のワインがあります。

それは同じ1,000円のワインだと、価格高騰しすぎてしまったフランスワインよりも、他国の発展途上のワインの方が美味しいからということで輸入され初心者やワインマニアにも愛されています。
逆にいうと、フランスワインを本格的に勉強する場合は最低でも1本3,000円から、できれば5,000~20,000円の予算があると本格的な格付けのあるボルドーワインが買えるようになります。さすがに1級シャトーになると10万円以上の予算を要求されますが、2万円程度で手に入る「カロン・セギュール」や「シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン」、1万円を切る「シャトー・ディッサン」、「シャトー・ラグランジュ」、「シャトー・ジスクール」程度であっても本格的なボルドーワインを体験できます。

え?高すぎる!!千円で飲みたい!

未体験のよく分からないワインに5千円やら2万円を要求するのは、やはり狂った話です……。
そこで非常に手頃で、日本で最も手に入りやすいボルドーワインを紹介してみます。
それもセブンイレブン・プレミアムのボルドー赤です!

お値段なんと、968円!どうです?ちょっと試してみたい気分になったでしょう?

昔の千円ワインは死ぬほど不味かった!!

かくいう私もワイン超初心者だった時期があり、誰よりも多く千円ワインを飲んでいました。
なぜなら1本2〜3千円は高い!というイメージがあったためです。今思うと、「1本千円を数本買うなら、本格的なボルドーワインを5千円で買った方が圧倒的に経験値が上がるし感動も違うのに……」と考えてしまいますが、当時は自分の中の縛りで千円代を何十本も飲んでいました。

そこで言えるのですが、昔の千円代ボルドーワインは死ぬほど不味かった!
今はさすがにボルドーワイン千円代に手を出さないので、ここ10年ほどの事情は知らないのですが、少なくとも2010年頃のグレートヴィンテージとされていたボルドーでも千円はアカンのです。

さっきの話に戻るなら、「300円で美味しい刺身を食べたい!」というようなものです。もちろん、奇跡的な条件が整えば、500円でも美味しい刺し身が手に入りますが、できれば1,000円、もし2,000円~3,000円出せば素晴らしい感動する刺し身が手に入るといえますよね。
一部のマニアはノドグロだ、黒ムツだ、と高級料理店で魚に数万円も出しますが、このカルト的な人気もまたワインに少し似ていますね。

さて、ここで実際に自称ワイン好きが、セブンイレブンのボルドーのテイスティングをしてみます。

赤ワインのテイスティングメモ
Maison Duhard Bordeaux メゾン・デュアール ボルドー

カシス、ブラックベリー、黒い桑の実、棒付きキャンディー、綿菓子。
少し腐葉土や枯れ葉のような香り。ホコリっぽい香り。

アメリカのカベルネソーヴィニヨン主体のワインのような香り。
飲んでみると、そこまで糖度やアルコール度数を感じさせずに冷涼感も存在する。
コクは乏しいけれど、エレガントなボルドーワインの香りが一瞬出る。
時間が経つとメルローの香りが全面に出てきて、甘くないトマトの酸味、糖度は低くキレが良い。byわたし

ネガティブな要素としては、押入れのダンボールや古紙、数ヶ月締め切った和室の部屋のような、紙や藁の古いニオイがします。
ただホコリっぽい香りが即=ブショネや劣化というわけではなく、”飲めるホコリ”と表現するのが正しいです。

本当に傷んでいるワインの場合は腐った牛乳や変質した豆腐のような、明らかに飲んではいけない香りが出てきます。
このボルドーワインの場合はコストを最大限まで圧縮して、手軽に楽しめるように企画されているので、多少のネガティブな要素は目をつぶって発売されていると推測できます。

以前のオーセンティックなボルドーワインとは異なり、キャンディや砂糖菓子のような甘みを出した近年のボルドーワインスタイルに仕上がっています。糖分を後から足しているのでは?と思える少し怪しい部分もありますが1,000円以下のワインなので目をつぶりましょう。

雑味が少なくクリーンな赤ワインで、メドック格付け第3級であるシャトー・ジスクールの作るサードワイン「オー・メドック・ジスクール」に似たニュアンスを持ちます。良い香りはグラスに注いでから十分ほどで揮発する部分があるので、開栓後に注いだら素早く香りを確認してみます。残ったボトルのワインはキャップをしておきます。

どんな香りがするか整理しながら飲むと楽しいですね。

セブンイレブンの赤ボルドー、わずか968円で選ぶのなら限りなく正解に近いです。
1,000円以下という非常に少ないボルドーワインの選択肢からしたら優秀なワインのひとつです。

多くの人はワインに刺激的な体験を求めている?

このワインについて検索してみたのですが、ボトリングは日本国内でメルシャン株式会社が行っています。
何が入っているか分からない現地1~2ユーロの格安ワインよりも、メルシャンが国内で瓶詰めした方が安心な気がします。

バルクワインのような状態でタンクで輸送されたものを詰めています。もしかしたら希釈しているかもしれませんが、熱変質のニュアンスが少ないので、ジュース状態で持ってきてというインチキではなさそうです。フレッシュな果実感はありませんが、昔の1,000円代と比べると良好です。

他の飲んだ人のレビューを見ていると、価格が更に手頃な「ヨセミテ・ロード カベルネ・ソーヴィニヨン」の方が美味しいという感想をチラホラ見かけます。「メゾン・デュアールは薄い」「シャバシャバ」「香りの割に味が悪い」などややネガティブな感想が目立ちます。

「ヨセミテ・ロード カベルネ・ソーヴィニヨン」は名前の通りアメリカのヨセミテ国立公園の近くで作られたワインです。フランスと異なりアメリカの赤ワインは重厚で果実感あふれるフルボディなワインが多い傾向にあります。
そうなるとコンビニで手頃なワインを買う層からすると、香りで「ボルドーワイン」と判断できるものより、濃いジュースのようなアメリカワインの方が人気が高いといえそうです。

ボルドーワインが美味しくない、不味いと感じる理由

今から数十本もの千円ワインを買うのは苦しいので、この1本で強引に一般的に手に入るボルドーワインが美味しくないとするならば次のことがいえます。

  • 香りは良いが味が薄い。
  • 他の酒に比べて、苦味やエグミがある。
  • 酸味がきつい、酸っぱく感じる。
  • ホコリっぽい古い臭さがある。
  • 味が一刻一刻と変化してしまう。
  • 翌日にお酢になってしまう。

このあたりが不味いと結論づけられてしまう原因と理由なのだと思います。
もし本格的にフランスワインを初めてみたいのであれば、3級のシャトー・ラグランジュの格落ちセカンド「レ・フィエフ・ド・ラグランジュ」なんか5千円を切っていて手軽に始めるのに良いかもしれません。

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