ウナギの値段が高騰して、ついには一食5千円にもなってしまいそうなウナギ。
静岡市民は間違っても東京でウナギを食べてはいけません。銀座の名店でウナギを食べても「なんじゃこりゃぁ~!!」となってしまうのです。
製法と文化の違いによって、味が劇的に薄い
関東では背開き、関西では腹開きなどと言いますが、味の大きな違いは「蒸すか、蒸さないか」で生まれます。はっしーは、28年間も静岡市民をしていましたが、浅間神社の前の鰻屋も、呉服町の鰻屋も、清水の鰻屋もどこも関西風の蒸さない方法が主流です。浜名湖の天竜川から東は関東風と紹介するサイトもありますが、沼津で食べたときも関西風の蒸さない方法でしたので神奈川県あたりからやっと関東風になるのではないでしょうか。
そういった事情で、東京のウナギを食べると「うわ!びちょびちょじゃん!」となるのです。他の静岡市民によると「フカフカで何食ってるかわかんね」など感想もありました。友人は味が薄すぎてコメを残すという暴挙に出ることもありました。
タレが濃く炭火焼がご馳走のサイン
静岡市民の思う「鰻重」とは、白炭の備長炭でじっくりと焦がして、濃い口しょう油と砂糖が焦げ落ちて、その煙でいぶされたウナギが米に乗っているものです。特に濃い口のタレが炭に落ちて焦げた香りは良い鰻重の条件であり、ご馳走の証なのです。
そうなると薄い醤油でガスで焼かれた東京のウナギは香りもない穴子のように感じられます。都内でも10件以上ウナギの有名店に行きましたが、質の良い備長炭を使い、じっくりと焼き上げている店はどれほどあるでしょうか。静岡市民は不器用で田舎くさいので、立地の悪い場所でじっくり炭を使い、ごはんもウナギも大盛りにして出す文化があります。浜名湖では余り食べたことはないのですが、同じように濃い口で表面が焦げているような静岡市と似たニュアンスのウナギが出てきました。沼津では、「上」を頼んだにも関わらず、食べきれないほどのウナギと大盛りごはんが出てきたことがあります。もちろん濃い口のタレがたっぷりと染み込んでいます。
いずれも店によって異なることですが、その傾向は確実に存在します。地域によって味の違いはありますが、静岡市民は東京に来たからといって無理にウナギを頼む必要は無いと思います。