こんばんは、はっしーです。昨日は一日中魯山人の文献を読み、執筆していたものでヘトヘト疲れてしまい、深夜に料理を食べてコルトン・シャルルマーニュを飲んで寝たのは12時を過ぎてからでした。本日は東京マラソンの交通規制によりタクシーが呼べずに、半分徒歩で新宿伊勢丹と高島屋に行ってきました。
まあそんな事はどうでも良い私の日記で、チラシの裏なのですが、本日のネタが無い……。苦し紛れのウイスキー賞味期限の話です。
サントリーの賞味期限のアドバイスは?
質問
ウイスキー・ブランデーに賞味期限はありますか?
回答
ウイスキー・ブランデーの賞味期限は、未開栓の場合と開栓の場合によって異なります。<未開栓の場合>
ウイスキー・ブランデーは蒸溜したアルコール度数の高いお酒です。
保存状態がよく、未開栓であれば、長期間安定した品質を保つことができます。
※そのため、ウイスキーは法律でも製造日や賞味期限表示は省略できることになっています。
<開栓の場合>
できるだけお早めにお召し上がりください。
どのくらい飲めるかは、保管方法やお取り扱いの状況によっても異なりますので、具体的な期間は一概には言えません。
また、保管場所といった外的な条件の他に、栓を開け閉めする頻度や瓶中の残量によっても香味の変化する速度が変わります。
アルコール分が飛び、徐々にその製品ならではの香味のバランスが失われますので、できるだけ早くお召し上がりいただくことをおすすめします。
このように未開栓の場合は、長期間安定して保管でき、開栓後は「お早めに召し上がりください」と書いてあります。「お早めに召し上がりください」なんてのはヨーグルトや牛肉にも書いてあるセリフでざっくりとしすぎです!
基本的に通常のウイスキーは1年を目安に飲みきった方が良い
銘柄や保管状態、気温・湿度など様々な要因によって左右しますが、普通の1,000円〜3,000円程度の手頃なウイスキーであれば1年を目安に飲み切るのがおすすめです。
ウイスキー保管でやってはいけないこと
- 横に寝かせて保管する
- 直射日光に当たる場所
- エアコンや暖房に当たる場所
このように直射日光や温度変化を避けて立てて保管する必要があります。
横に寝かせていけない理由は、コルクやキャップのニオイがウイスキーに移ってしまうためです。1980年代のウイスキーにはアルミキャップの裏がプラスティック系の素材が使われていることがあり、経年劣化でニオイがウイスキーに移ってしまうということがありました。
大まかな賞味期限の目安
特に加水されてアルコール度数が40~42度に調整されているウイスキーは、光や空気で変質することがあります。1年以上経って、キャップを開けたときに「あれ?おかしい」と思ったら変質している可能性があります。
具体的には輪ゴムのようなニオイや、プラスチックを温めたときのようなニオイ、埃っぽい部屋のニオイ、これらは変質して出たネガティブなフレーバーであることがおおいです。
一方でハイプルーフ、つまりアルコール度数が高いカスクストレングスのウイスキーは開栓しても長期間持つ傾向にあります。60度近いウイスキーであれば、2~3年またそれ以上でも遮光して正しい保管さえしておけば美味しく飲めることもあります。
どちらにしても重要な事があり、キャップが緩かったりコルクの隙間があると水より先にアルコールが揮発してしまいます。そうするとウイスキーのアルコール度数が下がって雑菌が繁殖したり痛みの原因になります。
必ず日の当たらない、高温にならない場所に保管しましょう。
ウイスキーの冷蔵庫保管はNG?
ハイボールが好きでキンキンに冷やして飲みたいのであれば冷凍庫に入れて、氷と共に炭酸水で割って飲むのは美味しいですよね!
長期保存するために冷蔵庫保管するのはあまりお勧めできません。理由は冷蔵庫というのは一日に何度も頻繁に開閉されて温度が一定にならないためです。エアキャップなどで巻いて一番奥に立てて保管するならまだしも、よほどの事情がなければ常温で保管したほうが良さそうです。
北海道など冬場に部屋がゼロ度やそれ以下になる場合は、もしかしたら野菜室などの冷蔵庫保管は有効かもしれません。
Non-chillfiltered(ノンチルフィルタード)」という未濾過のウイスキーがありますが、冷却濾過されていないため旨味や香気に影響する成分などが残っているといわれます。それらが0度近くなると飽和状態となって析出して濁ってしまうことがあります。
白く濁ったウイスキーを飲んでも成分自体は身体に悪影響ありませんが、舌触りや味わいが変化してしまう可能性もあります。
筆者がまだ中二病精神が抜けなかった頃、オフィシャルの12年物のウイスキーを部屋にずら〜っと20本くらい並べてバーのように飲み比べていました。それで得れる経験はありますが、数年間も飲みきれないウイスキーが出てきます。
本当に良いウイスキーを少量ずつ開ける方が得られる満足感は高いと言えます。
今ではワインに用いるような窒素炭酸ガスを挿入することによって酸化を遅らせる方法もあります。空気を抜くバキュームよりも効果がありそうです。
小瓶に保存するテクニック
しかし、同じ蒸留所のウイスキーを色々なボトラーズやヴィンテージで楽しみたい!
そう考えるのであれば、完全に瓶を空にするのではなく、100mlや200mlの保存用の瓶を用意してラベルプリントを貼り付けて空気を抜いて保管しましょう。これであれば750mlの瓶のほとんどが空気、という状況よりも良いです。
ウイスキー好きの友人が居るのであれば、抜栓直後から4等分、5等分すれば手頃な価格で様々なウイスキーを同時に楽しむこともできますね!
長期保管ではパラフィルムかサランラップをしよう!
1~3年で飲み切るなら、そのまま保管すれば良いですが、もし5年10年と保管するのであれば、直射日光・高温多湿を避けてパラフィルム、ストレッチフィルムかサランラップを巻いて保管しましょう。
ボトルのキャップは基本的にコルクで、ごくごく僅かに空気を通すそうです。そこから何年も保管すると緩やかに0.1mmずつ揮発してゆきます。早いと10年位から液面が下がってゆきます。
神経質な人はエチケットにも巻くと良いでしょう。ヤフオクなどでオールドボトルを見ると保管時に紙のエチケットが劣化したり、紙だけカビたり、シミになったりということがあります。
ウイスキーは無限に保管できるように感じますが、現実問題で80年代瓶詰めのバランタイン18年(明治屋扱い)などを買うと、コルクのニオイが液体に映って、やや臭く感じます。飲めるけど、ちょい変質してるな?と思います。出来る限り温度変化の少ない場所で、フィルムでグルグル巻にする、5年位したらフィルムを巻きなおす。
という方法を取る、さらにできればワインセラーなどに立てて保管すると長期間に渡って優れたコンディションで保管できるでしょう。
様々なウイスキーマニアと話したことがありますが、中にはアルミホイルに包んで保管している人もいるそうです。遮光は完璧ですし、空気の影響も受けにくい良い方法かもしれませんね。
究極のブルゴーニュ・テクニック
ちなみにワインの話ですが、どうしても一人でブルゴーニュが飲みたい時は抜栓直後に、空気に触れないように静かにジップロックに注ぎ込み真空状況にして冷蔵庫に保管しました。この作戦だと僅かに劣化するものの、2~3日は酸化せずにブルゴーニュを一人で楽しむ事ができます。
これは序の口、筆者の後輩である凜々が考えた「凜々(りんりん)注ぎ」というテクニックでは、ワイングラスの底にボトルの口を突っ込んで空気に当てずに注ぐというものです。
ワイン本で頭でっかちになって、どんなワインでも飲む前からデキャンタージュするバカチンが稀にいますが、基本的にタンニンの強いボルドーで無い限りデキャンタージュは不要です。グラスに入れてゆっくり飲んでいれば、じきに丁度良い状況になります。一方でブルゴーニュは「酸っぱくて飲めない!」「さっきまでの華やかさは何だったんだ!」となることが多いです。特にボーヌロマネやニュイ=サン=ジョルジュ系です。ヴォルネイやポマールなどは30分後がウマいというものもありますが。
そんな訳でブルゴーニュを飲むのであれば、グラスの底にボトルを突っ込んで静かに当てるようにして注ぐという「凜々(りんりん)注ぎ」を使ってみてください。その最初のエッセンスを感じて、後々静かにグラスをスワリングして香りの変化を楽しみましょう。ワインは温度変化による影響も大きいので、その点でもウイスキーよりも動的で難しいと言えます。
何のウイスキーが良い?美味しい?
これは経験を積むしかありません。しかし一々ボトルを買っていたらお金も無駄になってしまいます。
お勧めは、住んでいる街にあるワンコイン(500円)で色々ウイスキーを飲ませてくれるショットバーを探して、片っ端から飲むことです。最初はオフィシャルでも良いので色々飲んで美味しかったものをメモしておきます。
今度は美味しかった蒸留所縛りで、少し良いバーで探せば、自分の中で最もウマいウイスキーに出会えることでしょう。
おわり