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「この前ナイスカットGいいぞ!買え、言うとったやん!」とお思いの大人本読者様、すみません!!より本格的な、喫茶店でも使われている業務用機種「みるっこ」がやって来ました!
一体何と戦っているんだ…。
とお思いかもしれませんが、同じコーヒー豆でもミルによって味が全然違うんです!
本まぐろを柵で買ってきて、「錆びた包丁」と「鋭く研がれた鋼包丁」とで切るので味が変わるのと同じです。いかに美味しい豆を買っても、優れたミルとドリップ、おいしい水がなければ美味しく飲めないのです。
フジローヤルDX R-220「みるっこ」の 45,000円は高く感じるかもしれませんが、少なくとも「1万5千円の神戸牛」を買うよりは賢明な選択と言えます。(詳しくは昨日の記事を参照)
という訳で、実際に2台並べて撮影・比較してみました!!
左が「Kalita ナイスカットミル」右が「フジローヤルDX R-220」です。
やって分かりました。
コーヒーミルの撮影…めちゃめちゃ散らかります……
あっという間に撮影台がコーヒー粉まみれになって静電気でアチコチに付着するのです(T_T)
Kalita ナイスカットミル スペック
- サイズ: 120×218×343mm
- 重量: 2.3kg
- 電源: 100V/120W 50/60Hz
- 定格電流: 1.2A
- 定格時間: 5分
- 容量: ホッパー/200g、粉受/100g
- カッター: カッティングタイプ
- 能力: 130g/分 中挽き
フジローヤル 小型高性能ミル みるっこDX 【スタンダード】 レッド R-220 スペック
- サイズ: 165×245×360mm
- 重量: 5kg
- 粉砕能力: 250g(毎分)、中挽き・粗挽き
- ホッパー容量: 200g
- カラー: レッド
- 電源/消費電力: 100V/130W (50/60Hz)
両機のスペックについて
みるっこの方が倍以上重い事がわかります。
しかしスペックなんて、どうでもいいのです!!
「美味しく挽けるかどうか」、「むらなく均等に挽けるかどうか」が重要なのです。それを比較するには車と同じように並べて試すしかありません。
たまに「○○○を比較!特徴や口コミ・評判などは?」なんてサイトがありますが、スペックや、ツイッターの感想を切り貼りしただけで、両方試した人の感想も、写真も無いのです!
やはり機材を両方を用意して、同時に試すに限ります。
フジローヤルDX R-220「みるっこ」の組み立ても簡単!
新品で購入しましたが組み立ては、ナイスカットミルと同じく簡単で、動作方法も分かりやすいものです。粉受けが「みるっこ」の方が密着するので、飛び散らずに済んで便利です。
しかし20g以下の少量挽く場合は、粉受けに付着したりと少々使いにくいです。
一気に50~100gを挽く人には非常に便利と言えます。
「みるっこ」と「ナイスカットミル」の刃の違い
みるっこ(写真右)は刃が「挽臼」と呼ばれノーマル7,500円/カット10,200円が用意されています。スペアパーツとして保有しておけば何十年も使用できます。製造打ち切り後6年まで保有しているので、慌てて買わなくても生産終了してから1~2年以内に購入すれば間に合います。
グラインド刃の形については詳しくないのですが、上下に溝がある構造で立体的に豆を崩していくようにいなっています。
一方で、こちらがナイスカットミルの刃の写真です。
どちらかというと、ナイスカットミルの方が「挽臼」っぽいように思えます。
円盤に対して斜めにカットが入っていて、蕎麦を挽く臼のように回転して粉にするようです。内側からコーヒー豆が贈られて、円盤の外に行くほど細かく切られて出ます。
モーターのスピードなどもありますが、このカットの刃が豆の均一性に現れると言っても過言ではありません。
みるっこの受ける部分。
ナイスカットミルの受ける部分。ダイス鋼でしょうか?
どちらも奥の上部から豆が落ちてくる設計です。
フジローヤルDX R-220「みるっこ」vs「ナイスカットミル」挽き具合対決!
さて、やっと本題のどちらが綺麗に挽けるか…。
グーグルで「ナイスカットミル みるっこ 比較」なんて検索すると、どちらもお勧めです!とかフザけた結果が書かれています。
果たして本当に同じ性能なのでしょうか。
国内でも有数の激ウマコーヒー ロースターである静岡・草薙の「マインドコーヒー」のマインドブレンドを試します。とりあえず大さじ2杯ずつ入れて、最も細挽きで試してみます。
その差は歴然……!
では初めに「ナイスカットミル」の挽き具合を確認してみます。
どちらも細挽きで設定してあります。
確かに細挽きなのですが、極小の粉が混入しています。
特に皿の白い部分に注目して下さい、ザラザラとしたグラニュー糖大の豆と、粉糖のようなサラサラの豆が混在していることが分かります。
一方の「みるっこ」は、粉が混在してはいますが、粒が細かくグラニュー糖とまではいきません。しっとりとして水っぽいような質感になっています。
断面の反射具合もナイスカットミルとは異なります。
分かりにくいかもしれないので、次は粗挽きで比較してみます。
「ナイスカットミル」より「みるっこ」の圧勝!?
お分かり頂けただろうか…(心霊番組風)
明らかにナイスカットミルは、チョコレートのカカオを砕いた時のように乱雑になっています。しかし、みるっこの方は殆ど同一のサイズに均一に挽けていると言えます。ここまで粗挽きで淹れる人は少ないですが、差が分かりやすいです。
この比較検証をした結果、コーヒー豆を砕くという仕事だけ与えられた機種としては、「ナイスカットミル」より「みるっこ」の方が優れていると言えます。
しかし決して、ナイスカットミルが「悪い」という訳ではありません。
例えば、「レクサスRC-F」が「BMW M4」と比べて遅いと言っても、自動車の中で優れた名車であることには変わりありません。世の中の99%の車より速いのです。
同じように、ナイスカットミルも世の中に流通している99%のミルより精密に挽けると言えます。ただ挽き具合と味を追求していくと、僅かに劣るというだけです。
味わいはコーヒー豆が均一なほど喫茶店に近い味に…
喫茶店でこんな経験はないでしょうか?
カウンター席でマスターが淹れてくれるコーヒーは美味しいのに、豆を買って帰ると味が違う…。
もちろんドリップ方法や技術の差が大きいのはありますが、その中の一つに豆の均一性があります。筆者の家では銅ポットを使い、ネルドリップで落とすのですが、みるっこに変更してから喫茶店で飲むような、滑らかでクリア、雑味の少ない味に劇的に変化しました。
目で見ると僅かな違いでも、味には大きな変化をもたらします。
世の中には更に特殊な業務用ミルもあるので、みるっこよりも更に緻密に挽ける機種もあるはずです。しかし4~5万円程度で手に入るミルの中では最も優れた機種の一つと言えます。
コーヒーマニアを自称するのであれば、ぜひ両方とも部屋に置いて置きたいものですね!
おわり
〜余談〜
美味しいコーヒーには美しいカップ&ソーサー
先ほど、とあるコーヒー専門の喫茶店に行ってきました。
自家焙煎で店先には大型の焙煎機が、もちろんミルも拘っていることでしょう。
ペーパーフィルターかフレンチプレスか選べて、コーヒーの豆も5種類以上あります。
しかし、残念な事にカップ&ソーサーが厚手のぼってりとした、雑貨屋に売っているような磁器でした。重くて片手で持てないどころか、厚手で口につけると熱すぎる、それなのに温度がすぐ逃げてしまいます。
美味しいコーヒーは、薄手で肌のように透明感があり、うっとりするような絵や装飾がされている方が良いに決まってます。もしくはKPMやマイセン、ジノリ、コペンのような白磁です。
という訳で、美味しいコーヒーを淹れる第一歩として美しいカップ&ソーサーが必要なのです。
男であってもコーヒーが好きであれば、5~6客持っておきたいものですね!