キャノン EOS-Rをニコン信者がレビューしてみました!
大人気のEOS-Rはネット上でも完成度が高いと言われ、「これで一眼レフは廃れるな」と言われるほど。新旧で賛否両論ですが、部外者とも言えるニコン党の筆者が実際に使ってみた感想を紹介します。
前半に画質について、後半に操作性・プロ用として使えるか?という事を書いていきます。
新型CLSカッコいいよね!最初の一枚は7年ぶりにフルモデルチェンジされたCLS450。レンズは「Carl Zeiss Planar T*1.4/50 ZE (キャノンEF)」描写は柔らかく、古いレンズの割に発色も良いです。キャノン純正の通し「RF24-105mm F4 L IS USM」もありますが、全然おもしろくないので最新のカメラにレトロレンズという企画で行きます!
キャノン・ニコン比較機種
CANON EOS-R
Carl Zeiss Planar T*1.4/50 ZE (キャノンEF)
Nikon D4
Nikon D2X
Nikon AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G
Carl Zeiss Milvus 2/50M
当方、29歳にしてニコ爺ですので14年前に発売されたD2Xも登場させます!
D2XはDXフォーマットで50mmレンズが75mmになりますが、お気にせずに。
最初の撮影は、ISO200 1/30秒 f/2 という設定です。
三脚で撮影してボディの高さによって違うのをうっかりしていたので、構図がバラバラです……。クリックして拡大して下さい。
Nikon D2X + Nikon AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G
Nikon D2X + Carl Zeiss Milvus 2/50M
Nikon D4 + Nikon AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G
Nikon D4 + Carl Zeiss Milvus 2/50M
EOS-R + Carl Zeiss Planar T*1.4/50 ZE
分かりやすくクロップした一覧
んん〜〜好みとした言いようがない!
EOS-Rだけはボケの感じが違いますね。本当であれば、カールツァイスもPlanarとMilvusの50mmをキャノン・ニコンと揃えて比較しないと意味がないのですが雰囲気だけでも感じ取って下さい。
お次はISO200 1/30秒 f/4 で絞り気味で撮影してみました。
拡大して良くみて下さい。かなりくっきりとシャープになっているはずです。
中央のグラス、ヴァルサン・ランベールに注目して下さい。
D2Xとツァイスの組み合わせはコントラストが高く光しか残っていない感じです。映画的でドラマティックな描写と言えます。D4とではボディで少し明るく補正されて黄色みがかって見えます。EOS-Rは対称的に青みがかって見え、背景のボケが余りない気がします。
ちなみにEOS-Rで室内撮影してインスタフィルターをかけた写真がこちら。
かなりクラシカルな描写で、最新のカメラでありながら映画的な雰囲気も出せます。つまり
写真を見てキャノンかニコンか判断するのは極めて難しいと言えます。
スタインウェイ&サンズとベーゼンドルファーは「ハハッww聞けば分かるwwワロスww」となりますが、キャノンとニコンの違いはまあ分からないですネ。
シャンデリアを50mm 1/60秒 f/4.0 ISO100 で撮影した写真がこちら。
もしかしてEOS-R逆光が弱いような、背景が妙に暗くなります。レンズの特性かもしれません。純正レンズを持ってこなかったのが悔やまれます。
こちらは、f/1.4からf/6.3まで絞っていった作例です。
結構ガラッと周辺の濃度が変わります。
次は操作性について…。
ファインダーが液晶なのはやはり嫌だ
LED(有機EL)を採用した約369万ドットの高精細電子ビューファインダーを搭載。視野内には、撮影に必要な情報を多数表示。また、ユーザーの意思に応えるフレキシブルな操作系で、撮影への没入感を深めます。
https://cweb.canon.jp/eos/special/eos-r/camera-r/
EOS-Rのファインダー完成度はとても高いです。一昔前の電子ファインダーと比べると遥かに出来が良く、パット見で光学ファインダーと思えるほどに発色も良く緻密で鮮明です。「固定されている」電子ファインダーを覗くのは問題ないのです。しかし、覗いたまま移動すると致命的な問題があります。
暗い場所から明るい場所に移動すると「ふわっ」と電子ファインダーが真っ白になるのです。例えば室内で撮影して、一瞬窓にカメラが向いたときなどです。
驚いてカメラを落としそうになってしまいました。撮影に完全に集中しているときに、ファインダーの明るさが一定でないのは非常にストレスです、というか致命的です。室内を移動するだけで、明るくなったり暗くなったりムラがあるのです。
これはEOS-Rだけの問題でなくNikon Z7などのミラーレス全般に言えることですが、「ファインダーを覗いて撮る」人にとって電子ファインダーは相性が悪いのです。
では逆に光学ファインダーはどうか、電子ファインダーと違い「メガネ」のような存在です。よほど直射日光にでも向けない限り、自分の”目”と同じ明るさが維持されて自然です。ファインダーを覗くときに両目を開いていても、明るさが同じなので本当にストレスが少ないです。動的な撮影をするときも肝心な瞬間を逃さずに済むのです。
例えば車のフロントガラスが全て液晶画面になったらどうでしょう。非常に完成度が高いですよ、と言われても筆者と同じような古典的な思考の人であれば絶対にガラスの車に乗り続けるはずです。
操作性は良いけど、目が必要
とても使いやすいです。初めてキャノンのカメラで撮影しましたが、迷うことなく操作できるので初心者でも安心して使えるはずです。
しかし写真撮影のプロにとっては、もどかしさを感じる部分があります。
ニコンのプロ用のカメラは、ボタンが多く一見”アナログ”、”旧世代”と思われがちですがとても考えられているのです。先ほど言ったファインダーを覗きながら全ての操作ができます。例えば絞り、シャッター速度、ISO設定、AF切り替え、写真サイズ、プログラム移動、露光、BKTなど撮影に必要な設定の多くを、「目で見なくても」できるのです。
ニコンのD1からD5まで続く操作の一貫性のおかげで、暗闇でも自由自在に使いこなせます。実際に暗闇で撮影することは少ないですが、ライブ会場や夜間のイベントなど手元が暗くてもテキパキと撮影ができるのです。
慣れ親しんだ車だと目を閉じてもシフトやウインカー、サイドブレーキ、ハザードなどの位置が手に取るように分かりますが、まさにそんな感じです。
EOS-Rだとウインカーやサイドブレーキまでも画面のタッチパネルで押しているような、まるで”テスラ”に乗っている気分です。
週末に自然公園や子供の運動会で撮る分にはEOS-Rのような分かりやすい液晶操作でも良いのですが、二度の撮影が許されない、撮影対象に待ってもらえないようなプロの現場で使うにはニコンのプロ用カメラや、キャノンのEOS-1D X Mark IIのようなプロ用がお勧めです。EOS-Rはボディとレンズを買うと40~50万円近いプロ用のような価格帯でありながら、意外に入門機のようなところがあるなぁと感じました。
ちなみに、マルチファンクションバーというMacbook Proのタッチバーっぽいのがあるのですが、凄く使いにくく誤タッチが多く、クリック感ゼロなので無効化しています。これクリック感あったほうが良いんちゃう!?と思います。
バリアングル液晶は便利!
今どきどんな機種でも付いていますが、バリアングル液晶は結構便利です。
ローアングルで撮影するときなど威力を発揮するはずです。あとは趣味で座りながら撮影するときにラクラクですね。ニコ爺も腰が痛いのであれば早めにバリアングル液晶に移行しましょう(笑)
左の液晶部分がスマホのようにタップして設定できます。
初心者には非常に便利と言えます。ただ手袋していたり、忙しいシチュエーションでは正確に使うのは困難でしょう。のんびり部屋で使うのには良さそうです。
EOS-Rのまとめ
何本かあるレンズ1種類でレビューしましたので、次回は純正レンズを含めて3本のレンズで評価してみます。今回はざっくりとしたレンズもバラバラのレビューですが、EOS-R面白いですね!完成度も高くプロの現場で使えそうなくらいです。
操作性に問題があると判断しましたが、人によっては実戦で使っていけそうな完成度です。
趣味でのんびり撮影するユーザーにとっては良いカメラになると思います。
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EOS-R特設サイト
https://cweb.canon.jp/eos/special/eos-r/camera-r/