【自分でチェック!】正しいシャツのフィット & サイズ感、選び方は?【ビスポーク】

メンズファッション
ナポリでビスポークしたCamiceria Piccirlloのシャツ。

こんばんは、プロフェソーレ・ランバルディ静岡の大橋です。先日はオンラインでナポリシャツがオーダーできる「Camiceria Piccirillo オンラインシャツオーダー」をご紹介させていただきましたが、これに限らず最近はオンラインでシャツがオーダーできる!というサービスが増えてきています。

これは自分でサイズを調整できたり、生地を選べたりするメリットがある一方で、実に大切なことで失敗しがちです。

それは正しいフィッティングでオーダーできないということ。

オーダーシャツなんだから、調整できるよ!と思われるかもしれませんが、実は熟練したシャツ職人に服を仕立ててもらったことのある人でない限り「どんなフィットがオーダーシャツの正しいサイズ感なのか」「どこがどうなっているとちゃんとオーダーシャツに見えるのか」というのは知らないのです。

ですから手元にあるシャツを参考にしてオーダーしても、そのシャツが既製品であれば、完璧に体に合うシャツは作れないのです。

ここではどのように自分でシャツのフィット感やサイズ感をチェックし、サイズを選んだりオンラインオーダーしたりすべきかを紹介していきます。

まずはベースサイズを決めよう

既製品のシャツを買うときと違って、シャツをオーダーするときには自分の首回りのサイズはそこまで大切なことではありません。

多くのオンラインオーダーシャツが既成サイズ「38(S〜M)」や「41(XL)」といったベースサイズから調整していく方法をとっています。

例えばこれは当店のオンラインシャツオーダーのフォームです。ベースサイズがあり、そこからプラスやマイナスで調整していきます。

ここではいつも自分が着ているシャツの襟サイズよりも、全体的なフィット感が自分の体型に近いサイズを選ぶのが大切です。

シャツの襟サイズというのは既製服の便宜上のものです。ですから首が太くて細身の人や、その逆の人にとっては参考にならない計測方法なのですね。

まずは全体の数値をざっくりと見て、近いものを選ぶ。それが大切なことなのです。

肩幅が着心地とオーダーシャツらしさを決める

ナポリでビスポークしたCamiceria Piccirlloのシャツ。

オーダーのシャツは様々な部分が体にフィットしているのがかっこよく、スマートに見えるものですが、中でも大切なのは間違いなく肩幅でしょう。

既製品では広すぎて落ちてしまったり、逆に狭すぎてつんつるてんに見えてしまいがちな肩幅をぴったりと合わせることで、オーダーらしさが出ます。

では具体的にどうするか。ジャケットの場合、仕立てる職人によっても異なりますが、肩のいちばん外の頂点に合わせて作ることが多いです。そうすることで袖が綺麗にまっすぐ落ちて美しく見えます。

しかしシャツにおいては、肩のいちばん外の頂点よりも1〜1.5cmほど内側から袖が始まるようにすると良いことが多い。というのもシャツは、肩幅がやや狭く中に入った方が着心地がよくなることが多いからです。

ですので、肩幅が44cmで肩の頂点に袖の始まり部分がくるなら、41〜42cmくらいにすると、オーダーシャツらしい雰囲気も出ますし、着心地の向上も期待できます。

無駄は削り、余裕は残す

シャツの雰囲気を決めるのはもう一つ、胸回りからウエストにかけてのシルエットです。ここがゆったりとしすぎているとジャケットを着たときに前でたるみができてしまい、すっきりしません。逆にキツすぎると着心地が悪くなります。

このシャツの場合には比較的スマートに、攻め込んだシルエットになっています。イタリア・ナポリのシャツ職人に言われれば「美しいシャツとは、無駄を削り落として、正しい余裕を一つまみだけ残したものだ」というわけです。

つまり着心地が悪くならない範囲で、できるだけシルエットをスマートにするのが大事です。これはナポリシャツのフィッティング方法ですが、タイト目のジャケットやスーツに合わせる機会の多い現代のシャツは、ナポリのシャツに見習うのが良いはずです。

もしできるのであれば今着ているシャツの胸周りやウエストの両端を、まち針で止めて擬似的にサイズを細くしてみましょう。

1cmずつ細くしていき、着心地に全く影響が出ず快適な範囲内で、できるだけ細くしていきます。着心地がきつくなった、と思ったら1cm前の場所にピンを戻し、結果的に何センチ細くしたかを測ってみます。これがオーダーシャツらしいシルエットになります。

ちなみに上のシャツではそで丈をかなり長めにとっています。これは個人の好みでもありますが、少なくともふわっと溜まりができるくらいのそで丈にすると、つっぱらず良い着心地が実現できます。

作りの良いシャツを選ぶ

さて、ここまでくると結局いつも書くことは同じなのですが、予算の範囲内で最も作りの良いシャツを選ぶのが大事です。

シャツは縫製が手縫いかミシンかによって着心地がそれほど変わるものではありませんが、例えば以下のことでかなり着心地が変わります。

  • 裁断の仕方が立体的かどうか
  • 順番や立体を考えて縫製しているか
  • 縫い代や縫い目が繊細か
  • パターンが熟考されているか
  • 良いシャツ生地を使っているか
  • 良い芯地を使っているか

これらの条件を満たしており、フィッティングに気をつければ、見た目も美しく、毎日着たくなるような着心地のシャツがオーダーできるはずです。

是非、自分にぴったりのシャツを手に入れてくださいね。

コメント

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