こんばんは、プロフェソーレ・ランバルディ静岡の大橋です。
昨日の夜は富士山麓にある家族共有のカントリーハウスにて友人たちと小さなBBQが開催されました。
いや、ヴォーヌ・ロマネにバローロ、うまいシャンパーニュと素晴らしいワインが揃ったうえ、肉と海鮮が乱雑に焼かれる素晴らしいBBQだったのですが、この時期の富士山麓の夜はといえば、それこそナポレオンのロシア遠征のように過酷な寒さだったのですな。(誰が凍らせたヴォーヌ・ロマネを望んだのか)
さて、今日は皆さんに私が愛してやまないナポリの既製服、Luigi Grimaldi Napoli ルイジ・グリマルディをご紹介いたしましょう。
ナポリ仕立てが生んだ既製服ルイジ・グリマルディ
日本には実に多くのイタリア製既製服が入ってきています。
某ブートニエールが大人気のブランドや、某カシミアに洗いをかけたブランドなどに始まり、今は特にナポリ発と言われる既製服ブランドが大人気となっていますね。
しかしそんなブランド達の中で、実際にナポリで売られているブランドは、ほんの一握りです。実際にはそういったブランドは殆ど80%が日本向けに生産されているのですね。
大人気なStile Latino スティレ・ラティーノであってもナポリやイタリア国内では殆ど売られていないのです。ちなみにCarusoやBelvestはナポリ以外の都市を中心に比較的よく売られています。サルトリアが数百と存在するナポリでは既製服自体、あまり売れないようです。
そんな中でこのLuigi Grimaldi Napoli ルイジ・グリマルディは非常に稀有な存在です。
そう、このLuigi Grimaldi Napoli ルイジ・グリマルディは日本ではまだ私の小さな店以外で全く展開されていない。ナポリの中心地に自分のショップを構え、ナポリの現地民たちにこよなく愛されている本当に珍しい既製服なのです。
ナポリが生んだ、ナポレターノのための既製服。これだけで、Luigi Grimaldi Napoli ルイジ・グリマルディが他のブランドと一線を画していることがわかるでしょう。
なにしろナポリの洒落者たちは、他の誰よりも仕立てにこだわり、目が肥えている、すなわち世界で最も難しい客なのですから。
その洒落者達が日本で数多く展開されている既製服には目もくれず、Luigi Grimaldi Napoli ルイジ・グリマルディを愛しているのには、それなりの理由があるのです。
Luigi Grimaldi Napoli ルイジ・グリマルディがナポリで愛される理由
このルイジ・グリマルディがナポリで愛されている理由は、いくつもあります。
しかしその一番の理由は、この既製服がナポリで最も美しい仕立てであり、そして素晴らしい生地を使っていることです。
Luigi Grimaldi Napoli ルイジ・グリマルディのオーナーGIGIは自分で「うちはナポリで一番の既製服だよ」と言います。
そしてそれは、本当にその通りなのです。
アットリーニや往年のナポリ仕立てを思わせるクラシックな型。美しいカッティングとアイロンワークで生み出される極上の立体感は、まるでビスポークのジャケットのように体を包み込む。
特に肩周りのフィッティングはサルトリア・ナポレターナだけがなせる技です。そこからすらりと伸びる袖、ラペルの自然なロールと滑らかにつながるフロントカーブ。
この基本的な仕立てはキートンやアットリーニと比べても遜色ないほどレベルの高いものです。
そして丁寧で端正なボタンホールやステッチワーク。全てが美しく、ナポリ仕立て然とした佇まいに仕上がっています。
これだけでもLuigi Grimaldi Napoli ルイジ・グリマルディがナポリの洒落者達に愛されている理由としては十分です。
ですが更にLuigi Grimaldi Napoli ルイジ・グリマルディは、既製服としてはありえないほど高品質で希少な生地を使用しています。
例えば既製服には通常用いられない(つまりカットレングス主体のブランドである)Holland & Sherry ホーランド&シェリー、Drapers ドラッパーズの二つを中心に、Carlo Barbera カルロ・バルベラやLoro Piana ロロ・ピアーナの中でも高級な生地ばかりをセレクトしているのです。
またこれらはビンテージでもデッドストックでもあります。Luigi Grimaldi Napoli ルイジ・グリマルディはその都度生地をオーダーするのではなく、素晴らしい品質の生地を常に集めている。
だから使われている生地は現行のバンチにはない、希少なデッドストックであることが多々あるのです。
本物の仕立てを選ぶこと
残念ながら私たちは皆が皆、ナポリの洒落者達のようにサルトリア・ナポレターナに赴いて服を仕立てられるわけではありません。
そんなとき、イタリアブランドの既製服は、大きな選択肢の一つとなりますよね。
ですが既製服を選ぶときこそ、それがサルトリアの仕立てのように美しいカッティング、アイロンワークで生み出された一着かどうかを考えるべきなのです。
どこのブランドかは言えませんが、心のこもっていない既製服のファクトリーで、若いスタッフがガムを噛んでイヤホンで音楽を聴きながら、ミシン縫いをしているのも見たことがあります。
結局どんなブランドであっても、作るのは一人一人の職人です。彼らが素晴らしい服を作ろう、という意識で服を作っていれば、それが最高の既製服になるのです。
そして私がLuigi Grimaldi Napoli ルイジ・グリマルディをおすすめするのは、まさにその理由からです。
彼らはどこよりも良い生地を使って、どこよりも素晴らしい既製服を作ろうと常に研究している。
そしてその結果生み出されたLuigi Grimaldi Napoli ルイジ・グリマルディのジャケットやスーツは、ナポリ現地のエレガンスを求める顧客に高く評価されている。
これは雑誌にどれだけ大きく広告が掲載されていることよりも、本当に価値のあることではないでしょうか。
皆さんも是非、Luigi Grimaldi Napoli ルイジ・グリマルディのジャケットを試してみてください。
きっと彼らの思いが伝わってくるはずです。