イタリア旅行で絶対に挑戦したい5つのこと④ – トスカーナの1日旅行

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こんにちは、プロフェソーレ・ランバルディ静岡の大橋です。イタリア旅行に行ったら是非挑戦したいこと、というテーマで記事を連載しております。

前回までナポリから、ローマ、そしてフィレンツェと来ているので次はきっとヴェネチアかミラノ…。と誰もが思うでしょう。

しかし私は残念ながら世にはばかる南イタリア原理主義者であり、ボローニャ以北はオーストリアだという画期的な学術論文を執筆しているところなのです。

なんていうのは冗談として、中部イタリアにはやはり忘れてはならない場所があるのです。それがトスカーナ。

トスカーナは州の名前なのでフィレンツェを含む広い範囲ですが、特に有名なのはフィレンツェ南部の一体。あまりに有名なこの場所は、もちろん多くの方が知るところでしょう。

しかしその楽しみ方を知る人ばかりではありません。

トスカーナにいるアジア人がしていることといえば、THE MALLと呼ばれるアウトレットモールに観光バスで押しかけ、50〜75%OFFになったハイブランドをしこたま買いあさり、併設のグッチカフェでコーヒーを飲むこと。それからそこで得たタックスフリーを現金化すべく交換所の前に並ぶことです。

しかしそれが美しいトスカーナの平原の中の一点で行われていると思うと、なんと滑稽な絵でしょう。おそらくアンリ・ルソーは描かないが、ジョルジュ・ビゴーなら喜んで描いたはずです。

さて、ではトスカーナはどう愉しむべきなのか?

トスカーナの楽しみ方

簡単です。車を借りて荷物を積み、予約したB&Bへと直行しましょう。おそらく一番難しいのはフィレンツェで車を借りる瞬間です。

レンタカー会社が傷のついた車を何も言わずに引き渡してこないか、それから「満タンで返却してね」とのたまう彼らが出発時にガソリンをしっかり満タンにしてあるか。

その辺のチェックを怠ってしまった人は仕方がない。トラブルの際に便利なイタリア語を二つお教えしましょう。Accidenti 畜生!è uno scherzo うそうそ、冗談だよ。コツは左から順番に使うこと。

さて、急ぐ必要はありません。

なぜならトスカーナはドライブすること自体が目的であり、目的地に何時に着くかなど、それほど大切なことではないからです。

トスカーナの運転は簡単だが、ときどき難易度が高いこともある。例えば高速道路で「工事中だから対向車線行ってね」というクランクが、運命のごとく突然と現れ、イタリア人の車に挟まれて、それに時速100kmで飛び込んでいくときなどである。

日本を出る前にiPhoneにお気に入りの音楽を転送しておきましょう。

親愛なる読者様に僭越ながらアドバイスさせていただくなら、トスカーナのドライブには1プレイリスト45分間途切れることなく続くゴリゴリのEDMより、おそらくアコースティックな響きのものが良いでしょう。

おすすめは?そうですね、ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲なんか聞いたら、哲学的な気持ちになれて良いかもしれませんよ。つまり自分で決めましょうということです。

B&Bについたら

さて、B&Bに着くのが夕方になっても問題ありません。もしまだ少し遊び足りないと思うのであれば、小さな街の小さなバルに行ってみるのも面白いでしょう。

ミラノで一杯1.1ユーロのエスプレッソを飲みこってりお金を絞られてきた日本人は、バルのエスプレッソが0.7ユーロであることに驚愕するでしょう。ま、あんまり変わりませんが、現地のマンマ達やお父さん達の間でエスプレッソを飲むのは素晴らしい体験です。

それが終わったらB&Bへ。

恐らくこんなこじんまりとしたプールと庭の横の部屋に案内されることでしょう。荷物は部屋に置いて、B&Bの建物や庭を散歩しましょう。

トスカーナに限らずイタリア・カントリーサイドのB&Bはとても敷地が広く、色々なところにベンチやテーブルセットが置いてあったり、それこそプールがあったりというのが普通です。

もし可能なら地元のエノテカやスペルメルカートに行って、トスカーナ産のワインやグラッパなどを買ってきましょう。

B&Bのオーナー夫妻にワイングラスと栓抜きを借ります。そして一番好きな場所に腰掛けて、アペリティーボの時間です。つまみに買ったプロシュートを食べ過ぎてはいけませんよ。

なぜなら夜はオーナー夫妻が腕をふるって作る地元料理を、ラベルもつかない瓶に入ったローカルのワインと共にフルコースでいただくのですから。

そして同席したツーリスト達と、会話を愉しむ。例えば彼らは北欧やイギリス等から日光を求めてやってきます。

もしハイブランドのアウトレットにて50%OFFで靴を買って、同じ靴が日本のアウトレットで60%OFFで売っていたら、その話はそこで終わりです。

しかしこんな本当の意味で贅沢な時間をトスカーナで過ごせば、それがたった24時間であっても、忘れられない思い出となるでしょう。

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