最近イタリアファッションが流行っていることもあって、注目されている着こなしが、パターンオンパターン。すなわち、柄と柄を合わせるような着こなしですね。
イタリアのハイセンスな洒落者たちは、難なく柄を2種類、3種類と合わせてパターンオンパターンのジャケパンを着こなしています。
今回はそんなパターンオンパターンの着こなしを実践したい!という方のために、パターンオンパターンのやり方やコツを紹介します。
言葉に捕われず「本当にお洒落か?」考えよう
とはいえ、パターンオンパターンに挑戦したい人にまず確認してもらいたいのは、それが本当にお洒落なのか、という点です。
最近ではオンライン展開しているセレクトショップのスナップなどでもパターンオンパターンの着こなしは大変多く、「3種類の違う柄を合わせた上級パターンオンパターン着こなしです」「シャツにドット、大柄ジャケット、織り柄ネクタイで上級の着こなし」などなど様々なパターンオンパターンの着こなしが紹介されています。
しかし本当にその着こなしはお洒落なのでしょうか。またその柄そのものは本当にお洒落な柄で、美しい色合いなのでしょうか。
個人的には「柄に柄を重ねて着こなす、パターンオンパターンを着こなす」ことが目的となってしまって、全体を見てみるとやりすぎだったり、センスが良いとは言えない悪趣味な色使いだったりすることが多いように感じます。
(また新しさこそあれドレススタイルの上品さが足りない柄が多かったり、柄物であることをいいことに質の悪いナイロン混の生地などが多数用いられていることに疑問を感じます)
パターンオンパターンという言葉に捕われないこと。
お洒落な着こなしを追求して結果としてパターンオンパターンになるならそれも良し。全部無地になるならそれも良し。そんな気持ちで、しっかりと全体の雰囲気を見てコーディネートをするのが、柄と柄を合わせて着こなすときには一番大切です。
パターンオンパターンは結果的に生まれる!
イタリアの洒落者の着こなしなんかを見ていると「結果として」パターンオンパターンのコーディネートが生まれていることがよくわかります。
例えばイタリア、ナポリの紳士達はクラシカルな小紋柄を大変良く好みますが、同時にストライプのシャツも愛用します。
結果として彼らはパターンオンパターンの着こなしになってしまう。しかし色の相性や柄の相性をよく見ているため、非常にバランスが良く、センスの良いパターンオンパターンになるのです。
上の写真はナポリで撮影したチェザレ・アットリーニ本店のショーウィンドウですが、ジャケットがヘリンボーン、シャツがロンドンストライプ、ネクタイが小紋柄です。
しかしこれを見て「すごい、パターンオンパターンの着こなしだ!お洒落!」と感じたでしょうか。むしろ個人的には全体的なコーディネートの美しさに惹かれ、後でよく考えたところ、これがパターンオンパターンだと気づきました。
「この柄とこの柄、それにこの柄」という選び方をしていては絶対にできないような、非常に美しいコーディネートですね。
ですから繰り返しになりますが、パターンオンパターンを着こなすときには、まずコーディネート全体の雰囲気を考えて着こなしましょう。
パターンオンパターンが上手くいく3つのコツ
それでもパターンオンパターンに挑戦してみたい!という人のために、ここでパターンオンパターンの着こなしの3つのコツを紹介しておきましょう。
1. 織り柄やうっすらウィンドウペンをパターンに使う
パターンオンパターンの着こなしで最も使いやすい柄が、イタリア紳士達の定番であるうっすらウィンドウペンやヘリンボーンなどの織り柄。
こういった柄はそれほど主張せず全体にとけ込むので、パターンオンパターンの着こなしではあたかも無地であるかのように扱うことができますね。
注意すべきはくっきりとしたウィンドウペン。1〜2年前に流行った柄で、青地に白などではっきりと柄の入るようなものですね。今季にも復刻の兆しがありますので、パターンオンパターンでは注意しましょう。
2. 小紋柄ネクタイ・無地ネクタイで着こなす
パターンオンパターンを着こなすうえで見直していきたいのが、クラシカルな小紋柄や無地のネクタイ。
こういった小紋柄や無地のネクタイは薄めのストライプシャツとの相性が特に良く、ストライプのクレリックシャツと無地を合わせれば英国紳士風、小紋柄と麻のロンドンストラプシャツを合わせれば、ナポリの洒落者風に着こなすことができますね。
個人的なおすすめは薄い黄色やクリーム色の小紋柄のネクタイを、青系ストライプのシャツと組み合わせるパターンオンパターン着こなし。
これを先ほどのウィンドウペンやヘリンボーンのジャケットに合わせると、それこそアットリーニのディスプレイのような着こなしになります。
3. シャツは品のある色柄で
パターンオンパターンで着こなしたいと思ったら、基本的にはシャツの色は白ベースのストライプや、薄い柄の生地のものが良いでしょう。
というのも最近日本だけで大きく流行しつつある、ネイビーやダークグレーといった濃い色のシャンブレー、フランネルといったカジュアル生地のシャツ。
これは単体での着こなしも難しいですが、多くの人がペイズリーなどと合わせて着こなしており、もはやドレススタイルからかけ離れたような、極端でやりすぎなスポルティーバ(カジュアル)のパターンオンパターン着こなしになってしまっています。
THE GIGIやガブリエレパジーニといったデザイナーズブランドが、クラシコに代わって人気を博しているためにトレンドとなっている色の濃いシャツや派手な柄のシャツですが、それらを着こなすならば単体で。
パターンオンパターンをするなら、シンプルで品のあるシャツがおすすめです。
いかがでしたか?
今回はこれからパターンオンパターンに挑戦したい人のために、センス良くパターンオンパターンを着こなすための考え方と、着こなしのコツを紹介しました。
ぜひ参考にしてくださいね!