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麻(リネン)の服はいつまで着れる?

少し寒くなってきたけれど、昼間はまだちょっと温かいし、春夏物を着たい。

でも真夏の生地という印象のある麻の服はもう流石に着れない?それとも、温かいうちには着ても良い?

今回はごくシンプルな内容ですが、麻の服がいつまで着れるのかという話題についてを考えていきましょう。

麻100%薄手のものは春夏に

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麻の服の中でも、麻100%の薄手のトップスは、春夏っぽい印象が強く秋口には少し涼しげ過ぎてしまう可能性があります。

こういったいかにも春夏のために作られている麻のトップスやボトムスなどは、春夏にのみ着るようにするのが良いでしょう。

特に注意すべきは上の写真のプルオーバーシャツのように麻素材にプラスして、夏っぽい仕様を前面に打ち出したもの。例えば上のプルオーバーシャツは襟元が大きく開いており、袖丈は7分、タックアウト前提の短い着丈になっています。

同じ麻100%シャツでもタックインして着る、フルレングスの袖丈のものであれば、晩夏から初秋でも着こなせるものもあります。

NORTON & SONS (Shits) EDIFICE (Denim) ARIANNA (Stole)

NORTON & SONS (Shits)
EDIFICE (Denim)
ARIANNA (Stole)

麻100%のものでも、少し厚手のものや重ね着を前提としたものは秋に着てお洒落なものが多いですね。例えば麻のジャケット。

「麻で夏物だから、夏が終わらないうちに着ないと!」と思って着用して家を出たは良いものの、まったく暑くて着ていられない。そんな体験がある人は多いはずです。

それ自体は薄手でも、長袖のシャツと組み合わせて着ることを前提としているジャケット等であれば、夏よりもむしろ秋に着るのがおすすめ。

軽快さと自然な素材感を利用して、重ね着の妙でお洒落を主張するのが秋のファッションのコツです。

混紡の麻は春夏秋の3シーズン素材

sartorio2

実のところあまり知られていないことですが麻は春から秋にかけて3シーズンで幅広く着ることのできる素材です。扱いとしてはちょうど、表面のさらりとしたやや薄手のコットンと同じだと考えれば良いでしょう。

特に上の写真のジャケットの生地のように、ウールやコットンとの混紡のものは、お洒落なイタリア人の大好物。

彼らはコットンにはなく、シルクほどあからさまではないリネンの上品な光沢感が好きで、スリーシーズンでリネンコットンのシャツや、毛絹麻の混紡生地のジャケット等を着ています。

麻は組み合わせる素材によってずいぶんと表情が変わります。

左からラミー(麻)、リネンウール、カシミアリネン。いずれも春から初夏にお洒落な生地感ですね。 (左)Cornelianiコルネリアーニ (中)BEMAS F ビームスエフ (右)Kiton キートン

こちらは頻繁に用いる画像ですが、分かりやすいので今回もこの画像で説明しましょう。

左からラミー(麻)100%、リネンウール、リネンカシミアです。

ラミーのものは、非常に薄手で軽やかな着心地です。真夏でも着ることのできるような軽さで、カットソーの上から重ね着したりもお洒落です。少しシャリ感のある感じ。

それが真ん中のジャケットのようなウールとの混紡になると、春秋ものになります。ウールとリネンの混紡の生地の特徴はそのざっくりとした質感。手触りは少しざらっとしており、少し硬質な麻特有の光沢がウールに混じったような、若干霜のある生地感になります。

そして一番麻とカシミアの混紡になると、これは手触りはほとんどカシミアです。しかし表面には麻ならではの霜が入っているのが分かりますね。

このようなカシミアリネンはかなり厚手で、着用した感じも結構暖かい。こういうものは夏は着ることができず、むしろ初春と秋に着るのに適していますね。

麻はこのように、混紡する素材によって大きく表情を変えます。また麻単体でも織り方や厚さによってずいぶんと着心地や体感の温度が変わります。

ですので、まずは同じ麻と思わず、自分の服がどんな麻なのかを見極めましょう。

麻と相性の良いもの・悪いもの

最後に知っておいて頂きたいのは、麻には相性の良い素材と悪い素材があるということ。これを全く知らない場合、相性の悪い素材や生地と組み合わせてしまって、着こなしがちぐはぐになってしまう可能性があります。

まず相性の良い素材から。

一番相性が良いのは麻と麻、麻混素材です。例えば麻100%のシャツに毛絹麻のジャケット。これは定番中の定番で、非常に相性が良く季節感がありお洒落です。

次に相性が良いのはコットン。少し使い込んでくたびれたコットンのジャケットに麻のシャツを合わせれば、イタリア流の着こなしになります。リネンコットンのシャツに、コットンのスーツであれば、春夏秋と3シーズンで着こなすことができます。

Sartorio (Jacket) DANOLIS (Shirts) Germano (Pants)

Sartorio (Jacket)
DANOLIS (Shirts)
Germano (Pants)

春であれば、こんな感じですね。夏の終わりや秋の中でも残暑の目立つ日などに着るのにぴったりです。

逆に麻と相性の悪いのは、起毛感のあるウールや綿。特にコートやニットで起毛感のあるものを麻と合わせて着るのは、いかにも季節感がなく残念な着こなしになってしまいます。

たまに麻シャツにチェスターコートを着てしまっている大学生や、麻と知らずに着ているカットソーに厚手のピーコートを合わせてしまっている社会人などを見かけますよね。

そういった簡単なミスはもちろんのこと、麻混の生地でもそういった秋冬素材との組み合わせはかなりの注意が必要です。

例えば先ほど紹介したカシミアですが、95%のカシミアにわずか5%の麻を足しただけの、ほとんどカシミアに近い素材でありながら、冬のコートとの相性は良くありません。

それはやはり麻の素材感があるからですね。このように、特に秋冬もののウールや綿との組み合わせには注意が必要です。

 

いかがでしたか?

今回は麻がいつまで着れるのか?というテーマで麻の着こなしに関する様々なコツや知識を紹介しました。是非参考にしてくださいね。

「麻(リネン)の服はいつまで着れる?」への6件のフィードバック

  1. 筆者は麻が夏の素材であると思い込んでいるようですね。衣類の歴史や世界での素材への認識に関しても学んだ方が良いのではないですか?

  2. 先にコメントした者ではないですけど、確かに、この記事は分かり難い。
    前半では麻の「機能的」な面から暑い季節以外でも着られる例を示しているが、
    後半になる「見た目」のみで冬着との相性の悪さを指摘している。
    この記事だけでは冬に麻はどう着ればいいのかわからず、先のようなコメントされても致し方ないのではと思う。

  3. ピンバック: メンズファッションのお勧め記事一覧 – 大人になれる本

  4. 面白く良い記事です。何度か読ませていただいています。
    麻が夏のものとも書かれていませんし、真冬はダメとも書かれていないと個人的には感じます。
    普通に読めば、春や秋口にも楽しめると記載されているように思います。
    そもそも真冬に着用できるような厚みの麻が市場にほとんど出回っていません。
    スペンスブライソンなどですと、確かに秋冬物並みの目付がありますが、
    じゃあそれを真冬に着るのかと言うと???です。
    冬には冬にしか楽しめない生地がたくさんあります。その季節にしか感じれない情緒や気分もあります。
    それでも冬に麻が着たいというのであれば、余程の自己哲学がある方だと思うので、
    周りの目や一般的な意見・常識なんて無視して勝手に着用すれば良いだけだと思います。

  5. フォグリネンワークの中厚の麻のワンピースを持ってます。真夏は着られないけど、それ以外の季節は着られます。冬は中にウールのタートルネックを着て、上に麻混のニットのカーディガンを着て、足はタイツです。重ね着を楽しめます。

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