スーツ姿はかっこいいけれど、休日になるとまるでかっこよくない……。そんなパパの姿を残念に思っている奥さんや、娘さんは少なくありません。
確かにやっと仕事が終わって休日になってまで、お洒落に気を使いたくないし、リラックスして過ごしたい。そんな気持ちは誰もが持っています。
でも時には、例えば家族みんなで少し遠くまで旅行に行くとき、何かの記念日を過ごすときくらいには、ちょっとお洒落でかっこいい服装やファッションをいきなり着こなして、家族を驚かせてあげましょう。
そういうわけで今回は、休日のパパをもっとお洒落で楽しくする、ファッション講座です。
少しの「キッチリ感」でお洒落になる!
休日のお父さん達に足りないのは、ずばり「キッチリ感」です。
スーツ姿のときにきりっとしているからこそ、休日のラフすぎる格好、すなわちTシャツにカーゴパンツの姿が対照的にかっこ悪く見えてしまうのです。も
ちろんそういう服装をかっこよく決めることもできますが、ほんのわずかな「キッチリ感」をファッションに取り入れてあげるだけで、パパの休日ファッションはずいぶんとお洒落になります。
キッチリ感というのはどういうものでしょうか。例えばジャケパンスタイルについて考えてみましょう。
世の中には数多くのジャケパン着こなしがあり、さまざまなお洒落なイタリア人や日本人のジャケパン着こなしが「おすすめ」として紹介されています。
非常にお洒落ですよね。しかし、本当にここまでのお洒落は必要なの?というような内容も少なくありません。
例えば必ずネクタイをする、ポケットチーフは必須などなどですね。しかし実際にこれらを毎回実践しようとすると非常に手間がかかるし、何より見ている周りの人が息苦しくなってしまいます。
なので、何も休日にネクタイをしてプレスの入ったパンツをはき、ポケットチーフを入れる必要はありません。
ただその代わりに、ちょっと襟にアイロンのかかったシルエットの綺麗なシャツや、少しだけ奮発して買った質の良いテーラードジャケットなどをさらりと着流してあげると、本当にお洒落な着こなしをすることができます。
とりあえず、白シャツを着てみよう
最もお手軽に、ちょっとキッチリ感のある着こなしをしてみたければ、おすすめはやっぱり定番の白シャツ+デニムスタイルです。
白シャツは非常にシンプルなアイテムですが、品質の良いものをしっかりと洗って軽くアイロンを当てて着ていると非常にお洒落なものです。コツは3つ。
一つはシルエットが綺麗で胸ポケットのついていないドレスシャツを選ぶこと。ドレスシャツというのはスーツに合わせて着るようなシャツですが、胸ポケットがついておらず、襟の形が綺麗なものはむしろカジュアルに使うとお洒落です。
今回の白シャツはKiton キートンというファッションの国イタリアでも最高峰と言われるブランドが展開するセカンドライン、Mattabisch マタビシというブランドのもの。
信じられないほど美しい襟の形や滑らかな生地など、白シャツは上質であるほど良いです。そして上質な白シャツは、大人ならではの色気と脱力感を演出してくれる素晴らしいアイテムです。
ただし同じドレスシャツとはいえ、スーツ量販店やイオンなどで売っているシャツはカジュアルで着るものとは仕様とシルエット、そして生地や縫製の品質が違います。ぜひBEAMS ビームスやTOMORROWLAND トゥモローランドなどのセレクトショップに行ってドレスシャツを探してみましょう。
白シャツを着るときのコツの二つ目は、アイロン。綿100%のシャツを着るからにはアイロンをかけなければなりませんが、そのアイロンの掛け方はあくまでさらりと小じわを取る感じにしましょう。
アイロン掛けをするとなって意気込んでしまうと、襟をのり付けし、カフスをのり付けし、身頃も……。なんてやりだしてしまいそうですが、何も使わず霧吹きで水をかけながら、さらりとアイロンを流します。
少しシワが残り、全体がちょっとくだけた印象になっていれば合格です。軽くアイロンを掛けた白シャツは色気です。
さて、三つ目は小物と組み合わせること。白シャツはお洒落なアイテムですが、流石にシンプルすぎるアイテムでもあります。なので、白シャツ単体でデニムと合わせるときには、ちょっと装飾的なベルトにしたり、写真のようにスカーフを使ったりするのがおすすめです。
シャツの柄で雰囲気は自由自在!
今日はちょっとクールなパパで。今日はラフで遊び心のあるパパで。シャツの柄を選ぶだけで一日の雰囲気が変わるなんて、なんて魅力的なことでしょう。
上のシャツはルチアーノロンバルディ、イタリア南部の街でスーツやシャツの聖地と呼ばれているナポリという都市の最古のシャツブランドです。このブランドのシャツはエレガントで、袖付けの部分に少しだけ女性的なふくらみがあり、優雅なシルエット。
そのおかげもあり、またココア色のちょっとアンティークなストライプのおかげもあり、単体で着こなすとなんだかクラシカルな、帽子や革鞄の似合う雰囲気になりますね。
いや、もっとクールにいきたい。そう思ったら青系のシャツを白パンで着こなしてみましょう。
同じような構成なのに、色使い柄使いでこんなにも雰囲気が変わります。
シャツは堅苦しいアイテムだと思われがちですが、上質なシャツはカットソーよりも着心地が良い、というのは大げさですが、まったくストレスなく気持ちよく着ることができます。
ぜひ休日の私服として取り入れてみてください。
ポロシャツの代わりにこれを着よう
ポロシャツは便利なアイテムで、どんな風に着てもなんとなくハマるし、着ていて気持ちが楽です。しかしその反面、あまりに多くの人が着ているために少しお洒落な印象が薄く、またスポーティさが強くラフな印象もあります。
そこでおすすめなのが、カプリシャツ。
カプリシャツはイタリア南部、ナポリという街からすぐ近くにあるリゾート地カプリ島をイメージして作られたシャツ。
流石イタリア製のシャツらしく、リゾート感溢れリラックスした着心地なのに、なんとなくカッチリとしたエレガントな雰囲気がある絶妙なバランスです。最近日本でも注目度が高くなっており、セレクトショップなどを始めとして、各所で展開されていますね。
ただしこちらも注意あり。それは上質でシンプルな装飾の無いカプリシャツを選ぶことです。
よく若者向けブランドなどで売っているカプリシャツは、アクセントカラーの装飾が入ったり、フランス国旗のリボンが入ったりと色々装飾が入ってしまっています。そういうものは子供っぽい印象があり、大人が着ると上品さが足りません。
また質の良くないカプリシャツは素材の麻が硬く、バリバリとした印象及び着心地になってしまいますし、特に襟の部分シルエットが悪く、カプリシャツらしさが際立ちません。
なので、カプリシャツは良いものを。
最初の写真の青いカプリシャツはGiannetto ジャンネットというブランドのもの。むら染めの施されたリネンは上質なため非常に滑らかで、麻特有のごわごわ感は一切ありません。
国産シャツであれば1万円以上、インポートであれば1万5000円以上になると一気に麻の品質が良くなり、着心地も見た目も非常に良くなりますので、ぜひ探してみてくださいね。
いかがでしたか?
この休日パパのファッションシリーズ、次回は記念日や祝日のためのジャケットの着こなしにも注目してみたいと思います。