まったくもって良い迷惑なことに、人間より頭の良い例の丸い掃除機の名前だと思われているルンバですが、実際にはキューバのアフリカ系移民が生み出したとされている、ラテン音楽のリズムです。
2拍子のリズムに、歯切れの良いパーカッションとリズムのギターが入る気持ち良さは、フラメンコギターを聴いたことのある人であれば誰もが感じたことがあるでしょう。
今回はそんなフラメンコギターのルンバの名曲を5つ紹介します。
Entre dos aguas
ルンバのリズムのフラメンコギターといったらこの曲、Entre dos aguas。スペイン人であれば、好きか嫌いかは別として知らない人はいない(はずの)名曲です。
アフリカンなパーカッションと、歯切れのいいルンバのバックギターがラテンらしさを感じさせますが、そこに乗っかるファーストギターは紛れもない本物のフラメンコギターで、パコデルシアの演奏はルンバとフラメンコの完全な融合を感じさせますね。
この1976年の演奏は、後年の演奏に比べれば洗練されきっていない、あか抜けていないような印象もありますが、それもまた生き生きとしていていいですね。
Rumba Improvisada
パコデルシアの初期のルンバである、Rumba Improvisadaも、ルンバを聴くのであれば是非チェックしておきたい一曲。
とんでもなく音質の悪い音源しか残っていないのが残念なところですが、勢いのあるルンバのリズムが気持ちよく、少しまったりとした印象のあるEntre dos aguasよりもさらにノれる一曲と言えるでしょう。
交錯するアルペジオとルンバのストローク、ラスゲアート、パコデルシアのピカード、いずれも本当に聞き応えがあります。
Rio Ancho
Rio Anchoは響き的には少しポップな感じで、軽快なルンバ。土臭さのあるルンバではなく、明るく爽やかなインストとして楽しめるタイプのルンバです。
特に軽めのコード進行に乗るパコデルシアのファーストのメロディがかっこいい。フラメンコかと聞かれれば「いや、もっと聴きやすいよ」と言えるけれど、じゃあフラメンコ以外のどんなジャンルだと聞かれると「いやフラメンコだよ」と答えたくなる、聞きやすいけど本物のフラメンコなのです。
この曲はアルディメオラとパコデルシアのコラボでも有名な一曲ですね。
Bamboleo
純粋なフラメンコギターではありませんが、ルンバのリズムと言えば欠かすことのできない存在感のある連中が、ジプシーキングスですね。非常にまったりとしたリズムで歌い上げるソロのルンバから、気持ちよく歯切れのいいサウンドで一気に駆け抜ける今回のBamboleoのようなルンバまで、実に色々なルンバが聞けます。
ジプシーキングスはボラーレやジョヴィジョバなんかで有名ですが、それよりもbamboleoのような少しだけコアな曲の方が聴き込めることが多いですね。
他に、恐ろしく重厚なルンバを聞きたければ、ジプシーキングスの「Rythmic」を検索。個人的には最も好きな曲で、車の中で大音量で聞いています。
Moliendo Cafe
コーヒールンバという名称で有名なこの曲は、誰もが一度は聞いたことのある名曲ですね。それをパコデルシアが演奏したこの音源は、フラメンコが好きになった人なら、「ちょっとミーハーだよな」とか言いながらも絶対隠れて夜一人で聞いている超人気曲です。
パコデルシアの歯切れの良いルンバが、フラメンコのカスタネットと合わさって、ラテンのようなフラメンコのような絶妙な雰囲気になっています。
いかがでしたか?ルンバの名曲を一挙に紹介してみました。
素晴らしい曲ばかりなので、是非聞いてみてくださいね!