最近なんとなく良い音が出ていないような気がする。色々な機材を試しているけれど、なかなか理想の音が出てこない。そんな悩みを持っているギタリストは多いはずです。
今回はその悩ましい状況を打開するために見直したい5つのポイントを紹介します。
基本の機材の音が良いか?
ギターの音作りというと、ともするとエフェクターやその他もろもろのことに注目してしまいがちです。しかしギターですから、一番重要なのはギターとアンプの音が良いかどうかです。
この二つの音が良くなかったり、相性が良くなかったりしたら、どんなエフェクターを使っても中々いい音は出てこないでしょう。逆にギターとアンプを直接つないである程度好みの音や納得できる音が出て来ているのであれば、あとはエフェクターで可能性を広げたり、より好みの音に近づけていけばいいわけですね。
そもそもスタジオにマーシャルがあるから、ということでマーシャルを使っている人は多いですが、もしかしたらあなたの目指しているサウンドはマーシャルでは絶対に実現できないかもしれない。そんな場合には〜25Wのミニアンプヘッドを検討するのもありでしょう。
同時に使うエフェクターが多すぎないか?
ギタリストが陥ってしまいがちな罠が、エフェクターの使い過ぎです。
もちろんエフェクター自体を否定する人もいますが、エフェクターにしか作れないサウンドだって沢山あります。それにエフェクターを組み合わせて始めて再現できる音も。問題は重複したサウンドメイキングです。
例えば特殊な効果を狙っているわけでもないのに、リバーブがうっかり二重になってしまっていたりすると、ギターのサウンドはずいぶんと濁ってしまうものです。そんなことないでしょ、と思われるかもしれませんが、意外と多い問題です。
例えばマルチエフェクターのリバーブがオンになっていて、アンプのスプリングリバーブのノブが何気なく回ってしまっているといった具合です。
よりありがちなのは、イコライザーの使い過ぎです。イコライザーというのは例のTreble Middle Bassというやつですが、これは厄介なことにどのエフェクターにもついていて、どのアンプにもついている。意識していないと、一個目のエフェクターでTrebleを下げたのに、二つ目のエフェクターやアンプでTrebleを上げるなんてことをしがちです。
特別な狙いが無い限り音色は劣化していくばかりなので、イコライザーは意識して使うようにすべきですね。また、他にもこのような意味での「エフェクターの使い過ぎ」がないか確認すると良いでしょう。
モニタリングの仕方は正しいか?
ギタリストのしがちなミスとして、自分の音をいつもアンプの目の前に立ってギターを弾きながら聞いている音だと思い込んでしまうことがあります。違うの?って感じですが、よく考えてみると他の人はもっと離れた位置でアンプの音を聞いたり、マイクを通して聞いたりしています。
往々にしてギタリストがアンプの目の前に立って弾きながら聞いているギターの音は、実際の音よりも柔らかく高音が引っ込んでいます。言ってしまえば良い音に聴こえることが多いです。
しかし例えばアンプから数メートル離れて、アンプの正面にしゃがんで音を聞いてみましょう。丁度小さなライブハウスで観客の最前列の人々が聞く位置ですね。ずいぶんと音がガリガリとして、高音が鋭く聞こえるはずです。
もちろんどんなシチュエーションに合わせて音作りをするかは、演奏する場やジャンルによって違いますが、常に色々な場所から、聞く人の場所に立って(聞く人のシチュエーションを作って)音作りをするのが大事です。
「理想の音」を生音で聴いたことがあるか?
私にも経験のある失敗です。理想のギターの音をCDで聴いて、それを目指してさんざん色々な機材を試す。しかし全然音は近づいていかない。
なんのことはない、その理想のギターの音は録音した音であり、マイクを通した後にイコライジングを始めとした様々な処理がされていて、到底スタジオで鳴らして実現できる音ではないわけです。
そういうわけで、どうしても再現したい理想の音があるのであれば、それが生音になのか、あるいは録音して加工された音なのかを考えましょう。録音された音源が理想の音であれば、実際にマイクを通しながら音作りをしてみたり、録音して作ってみたりするのがおすすめです。
録音して音作りをしているうちに、ライブの時の音作りも自然に分かってくるものです。例えばPAの人に「〜Hzあたりを削ってください」「マイクを斜めに、この辺に当ててください」などなどお願いができるわけですね。
バンドサウンドの中での音を意識しているか?
最後に、自分のギターの音作りがバンドサウンドの中で活きているかをチェックしましょう。
ありがちなのは、一人で弾きながら気持ちのいいギターサウンドを作ったは良いもの、バンドの中で弾いてみたら全然聞こえさえしないというパターン。必要に応じて不要な音域を削ったり、抜ける音域を足したりといった工夫がいりますね。
また歪み系のギターを多用するバンドの人は特に、ベースと自分の低音域が被ってしまっていないかも意識する必要があります。ボトムの音域は弾いていて気持ちが良いため、一人で音作りをしているときには出し過ぎてしまう傾向がありますが、バンドでは少し控えるだけで全体のサウンドが引き締まってスッキリとしたりしますね。
そのように、バンド全体のサウンドの中で自分の音作りを見直すことで、サウンドはより実践的で自己満足と言わせないものになっていくでしょう。