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メンズ雑誌 THE RAKE 日本版の魅力とは

シンガポールに生まれ、エクスクリューシヴ層にのみ焦点を合わせた雑誌として人気を博してきたメンズファッション雑誌、THE RAKE。ついに日本上陸を果たしましたね。

もちろんいくつかのニュース配信サイトにて紹介されていますが、残念ながらニュース配信サイトはファッションウェブマガジンではない。ここはひとつ、日本を代表するオヤジファッションウェブマガジンとして、大人になれる本が「THE RAKE」の魅力を徹底解説しようじゃありませんか。

では早速。

世界一ハイクオリティなメンズ雑誌

このTHE RAKEが書店で目にとまったキッカケは、ヒュージャックマンの素晴らしいディナージャケット姿でもなければ、特殊素材の表紙でもなく何のことはない、雑誌右上に書かれた挑戦的な一文です。

「世界一ハイクオリティなメンズ雑誌、日本上陸」

これにはもうMEN’S PRECIOUS メンズプレシャス編集部も度肝抜かれたことでしょう。そういうわけで、手に取ってしまったわけですが、一言で言うのであれば「まさに世界一ハイクオリティなメンズ雑誌」でした。

まず驚くのはその雑誌自体のクオリティ。全ページ110kg??の厚手のコート紙を贅沢に使い、表紙には格子状のテクスチャが入り、さらには表紙全体に贅沢な箔押し。箔押しは総面積で値段が変わるので、これは相当高いに違いありません。

分かりにくいですね。まあSUPER 150’s の生地で裏地が台場仕上げになっており、ラペルだけでなく全体にAMFではなくハンドステッチが施されているといった具合に理解して頂ければ良いでしょう。

またメンズファッション雑誌というのは、その広告を見ればそのファッション雑誌の趣向が分かるものです。例えばちょい悪オヤジ雑誌のLEONの広告はTIE YOUR TIE タイユアタイ、TIBERIO FERRETTI ティベリオ・フェレッティやMASERATI マセラティの新型クアトロポルテなどであることが多いですね。

メンズプレシャスではBrioni ブリオーニなどをよく見ます。このTHE RAKEの広告にはジョン・ロブ、ブルネロ・クチネリなどが並び、「どれが高級で優れている」という問題ではないですが、THE RAKEが他雑誌と差別化される理由の一つになっています。

またデザインやレイアウトのレベルも、これまでのメンズ雑誌とは一線を画したものになっています。例えば表紙をよく見てください。

the rake

FASHION WORLDのカリグラフィーですが、よく見るとヒュージャックマンの袖のシルエットにぴたりと合わせてありますよね。別に意味があるわけじゃないが、こういうところにさりげなく一体感があると、全体が美しく見えるわけです。

購読して並べたときに美しく見えるよう、背表紙には一切日本語を使わないようにしている。これは確信犯ですね。

そして特集されているブランドは、これから詳しく書きますが「超一流でしかもセンスの良い」ブランドだけです。

THE RAKEの読者ターゲットとは?

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THE RAKEを読んで思ったこと、それはこの雑誌が「富裕層」の中でも最上級の人々だけを狙った雑誌であるということですね。

だって、全人口のうちの何%がシーズン毎に10万円のラルディーニのジャケットと、3万円のバルバのシャツ、3万円のPT01のチノパンを買い足していけるでしょうか?

少ないですね。実際にはTHE RAKEには上のようなブランドは一切でてきません。出てくるのは50万円のチェザレ・アットリーニのジャケットと、ロロピアーナの9万円のシャツ、アンブロージの16万円のパンツです。これを次々に買い足していく人が対象の雑誌ということになります。

ていうかボリオリの出てこないドレス系ファッション雑誌っていうのは、久しぶりに見た気がしますね。

そういうわけで超富裕層向けのこの雑誌、私たち庶民は読んではいけないか?私としては、むしろ進んで読むべきだと思います。なぜならイタリア系のファッション、ドレスアイテムをメインとしたファッションを好む人がいずれ必ずたどり着く究極のブランドやアイテムが、この一冊に揃っているからです。

ゴールが見えている旅というのは、比較的早く済む。ゴールを探しながらの旅は、ずいぶんと手間取るでしょう。そういう意味で、この雑誌に載っている情報は、まだそこまでのレベルのものは買えない、そこまでのものでなくても満足している、という人にも役に立つのです。

まあ、具体的に言うのであれば、トゥモローランドやビームスFでロロピアーナ生地使用のセレオリジャケットを買いながら、運が良ければ来月のセールでカンタレリかタリアトーレのジャケットを買いたい!と思っているあなたにも最適な雑誌ってことです。

何よりこの雑誌はセンスが良い。ただお金を出すことに価値を見いだしている人では絶対にたどり着けないような、クオリティと感性ありきのブランドやサルトリアばかりを紹介しています。

誰も教えてくれない、を教えてくれるコンテンツ

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ファッションの話をしているとき、いつもこんな疑問を持っていました。

「なぜ、誰も教えてくれないのに彼らは全員知っているのか」

例えばショップの店員さんと話が盛り上がったとき、話はどんどん弾んでいき、チェザレ・アットリーニがどうだの、その兄弟が立ち上げたブランドがどうだのといった話になる。しかしネットでは、Stile Latino スティレ・ラティーノとブランド名を検索しない限り、それがチェザレ・アットリーニの兄弟が立ち上げたブランドだという情報にはたどり着くことができないのです。知らない人は知らないまま、情報を見つけることができないわけですね。

そんなときに、このTHE RAKEのコンテンツは「追求の可能性」を広げる素晴らしいツールとなりそうです。

例えば今回はナポリスーツの特集が組まれていますが、これほどまでに詳しく、そして研究のなされた文章というのは、自分から意識して単行本を読みあさらない限りそうそう出会うことができません。

THE RAKEはそれをさらっと洗練して、分かりやすい形で与えてくれる。しかも普通は「そんなことも知らないの?」と恥をかいてから必死に調べるような情報を、先に「これ、よく話に出るから知っておくと良いよ」と前置きをして、語ってくれるような雰囲気です。

ファッション雑誌というのは、ともするとただの商品紹介で終わってしまってもおかしくないものです。もちろんKitonの新作コレクションの写真やベストなスタイリングは目の保養になる。ボリオリやタリアトーレの秋冬物がどんなものか、それはまあ興味のあるところです。しかし、毎回それを見ていても、マンネリ化した情報をおさらいしているのに過ぎません。

そこで、THE RAKEを手に取ってみましょう。ファッション業界と世界中の人々の装いを変えたデザイナー達の生き様、最上級メリノウールの特性と物語、ナポリのローカルなサルトリアの紹介。こういった情報が今までどのファッション雑誌で読めたか、と聞かれたら、正直これが始めてだ、と答えるでしょう。

あらためて、THE RAKEは「誰も教えてくれない」を教えてくれる雑誌なんですね。

THE RAKEで紹介されている主なブランド

最後に、THE RAKEで紹介されている主なブランドを書いておきましょう。紹介ブランドを知ることというのは、メンズ雑誌の傾向をよむうえで非常に参考になるはずです。

・TOM FORD (今回はかなり推しでしたね)

・Loro Piana

・Brunello Cucinelli

・Drumohr

・Attolini

・Rubinacci

・Dunhill

他にもマイナーなブランド、著明なブランド共に色々と紹介されていますが、ブランドというよりは良いものをアイテム単位で紹介するというスタンスでした。

アイテムあってこそのブランド、そのあたりにもTHE RAKEの考え方が見えます。

 

今回は新しく日本上陸したラグジュアリ系のメンズファッション雑誌、THE RAKEを紹介してみました。

悪いことはいいませんから、1000円札を一枚抜いてこの雑誌を買いましょう。少しでもこの高尚さに、自分のファッションが近づいていくように。人の変化というのは、ほんのわずかに「思いきってみる」だけで始まるものなんです。
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