クリスマスのリースや飾り付けによく赤い実がついていますよね?
この赤い実って、何だろう。名前や意味、そしてこの赤い実に関する興味深い伝説が知りたい人のためのページです。
『赤い実』の名前はずばり柊(セイヨウヒイラギ)!
クリスマスの飾り付けに使われるこの赤い実と緑の葉の正体はヒイラギです。硬い葉っぱをもつ常緑の木ですね。
特に冬になると赤い実がなって、これが緑と対をなして美しいコントラストになります。クリスマスの装飾の定番としても使われることもあって、英語名ではホーリーHollyとも呼ばれて、より具体的にはヨーロピアンホーリーEuropean holly、イングリッシュEnglish hollyともいいます。
クリスマスにヒイラギを飾る意味と理由
なぜクリスマスにヒイラギを飾るのでしょうか?これは何の象徴で、どんな意味があるのでしょうか。実はここには、お祭りとしてのクリスマスではなく「キリスト教」としてのクリスマスが深く関わっています。
ヒイラギの葉は硬く、棘のように尖っている部分があります。これは、キリストの受難のシンボルである茨の冠を表しているんですね。特にヒイラギがリース飾りに使われるのが多いのは、茨の冠を連想させるためです。
赤い実はキリストが流した血です。
キリストは人間の罪を背負ったと言われており、キリスト教圏の国の人は特に、このキリストが人間(自分たち)のために受けた「受難」を忘れないため、クリスマスの飾りにヒイラギを用いているのですね。
さらに緑の葉、常緑樹というのは永遠の生命をあらわしています。
永遠の生命というのは理解しにくいものですが、キリスト教の世界では、報われた人は死後に天国で永遠の生命を手に入れるという信仰があるのだとか。
ヒイラギにまつわる伝説
ちなみにヒイラギに関わる伝説は他にもあります。これは聖書からですね。
ユダヤ人の王となる男の子(=後のイエス・キリスト)が生まれたと聞いたヘロデ王は、自分がいずれ彼によって脅かされることを恐れ、兵を送って、ベツレヘムの二歳以下の男の子を皆殺しにします。
天使に告げられた賢人のヨゼフは、聖母マリアと幼子(=イエス・キリスト)を連れてエジプトに逃れますが、彼らにはヘロデ王の放った追っ手がついていました。
そこで彼らがヒイラギの茂みに身を隠すと、枝が伸びて葉が深々としげり、彼らの姿を完全に隠してしまいました。これで、ヘロデ王の追っ手は彼らを見つけられませんでした。
マリアは自分たちを守ってくれたヒイラギに感謝の気持ちをこめ、祝福を与えました。それ以降、ヒイラギは枯れることのない、常緑樹となりました。