【超入門編】ウイスキーの話 | 大人になれる本
以前、超入門編のウイスキー入門を掲載しましたが、今回は少しこだわったウイスキーを6本選びたいと思います。
筆者の好みで独断で選びますので、人によって好みは異なると思いますが、参考にどうぞ。
ウイスキーは輸入業者で味が異なる!
これはウイスキーを始める上で必ず知っておく必要があります。
例えば、しばしウイスキー入門で出てくるモルトウイスキー、「マッカラン」「ボウモア」「グレンリヴェット」など、日本全国どこの酒屋に行っても、スーパーに行っても、果てはコンビニでも売っています。
何故、イギリスの一つの蒸留所が日本全国で販売できる程ウイスキーを作れるのでしょうか?
ウイスキーの生産量というのは(ホグズヘッドや樽のタイプにも異なりますが)木樽1個につき200本〜500本などです。加水して40%に調整しても、何万本も良いウイスキーを出荷するのは難しい事です。
つまり、日本で出回っているモルトウイスキーの多くは「正規品(日本仕様)」になっているのです。
特にボトルのラベルに「大手輸入業者」の名前が書いてある場合はその傾向があります。
ロット数を増やして、儲けの出る品質の低いものが出荷されている訳です。
その証拠に、モルトバーやウイスキー専門のバーに行くと必ず「並行輸入品」のウイスキーが置いてあります。安いショットバーは日本仕様のウイスキーを置きますが、本格的なウイスキーを出すバーであれば「正規品(日本仕様)」は忌み嫌われる存在なのです。
ですので、最近ウイスキーに興味がある!と言って慌てて、近所の酒屋で買い揃えてはいけませんよ。多少高くても、並行輸入の(現地仕様の)ウイスキーを扱っている酒屋で買うようにしましょう。
モルトバーでは、正規品(日本仕様)と現地仕様の同一ウイスキーの飲み比べを行っている所も多くあります。
下記で紹介するボトルは全て現地仕様のウイスキーです。
1.マッカラン12年
スコッチ・ウイスキーの定番にして、とても人気の高いモルトです。
桃の皮のような甘みと酸味を含んだ香りがします。
しばし、ドライフルーツの香りが特徴的と紹介されます。
正規品(日本仕様)の12年物は香りが弱くて薄いので、できれば並行輸入品か18年を入手すると良いです。少し前までマッカラン・カスクストレングスという素晴らしいモルトが1万円で手に入ったのですが、販売終了してから価格高騰して3〜4万円になっているようです。
まだお店によってはマッカラン・カスクストレングスが置いてある場合もあるので、見かけたら絶対に入手すると良いです。
マッカランのカスクストレングスは、更に濃厚な香りが立ち、ブルゴーニュ用のグラスなどに入れると、はちみつを焦がしたような香りと、古いタバコのような香りがぶわっ!と立ち上ります。
味わいはかなりの辛口ですが、甘みも少し感じられます。本当にお勧めの一品です。
2.グレンリヴェット12年
こちらも定番のウイスキー。グレンリヴェットですね!
正規品はやはり香りが弱く、雑味がありますので本国仕様が良いです。
輸入ウイスキーに強い酒屋ですと、並行輸入品(本国仕様)でも3千円程度で入手できます。
手元にあるグレンリベットは「エスエヌ精機 ワイン部」が輸入したものらしいです。
精密機械の会社のワイン部門が輸入したウイスキー・・・?って感じですが、美味しいですね!
グレープフルーツの様な爽やかな酸味と、後味を感じられます。
わずかに苦味がありますが、氷をつめたグラスに入れてキンキンに冷やして飲むと最高ですよ。
あとはハイボールでも美味しくいただけます。
12年がお勧めです。18年は熟成はありますが、樽の渋みと苦味が強調されるので好みがわかれると思います。グレンリベット ナデューラ 16年は滑らかな口当たりでそれでいてパンチを感じます。詳しいレビューがあるので参考下さい。
3.グレンフィディック12年
グレンフィディックはやや人気のウイスキーですね。
個人的には10年位前から好きな1本です。
氷に入れて冷やすと、高原の森林のフレッシュな香りが広がります。
源流に近い場所の河川をイメージさせるウイスキーです。
炭酸水で割ってもその爽やかな味を楽しめます。
逆にストレートだと少し飲みにくいような印象がありました。
くせが無く、多くの人に気に入られるような特徴だと思います。
4.タリスカー10年
こちらのタリスカーは正反対の特徴で、海の荒潮の香りが前面に出ます。
海釣りをしている海岸通りを歩いているような感覚に陥ると思います。
しばしば「舌の上で爆発する」と表現されますが、まさにそのとおりです。
辛いというよりは、強烈なインパクトがあります。そして塩辛いです。
万人受けはしませんが、筆者は好きな1本です。男性的なウイスキーと言えます。
タリスカーは10年がお勧めです。18年やノースも良いですが、10年が熟成の短さゆえに落ち着くが無く元気なイメージがあります。
強烈なウイスキーといえば、ピート臭が強いスコットランド北部のアイラ地方が有名で、ラフロイグ、ラガヴーリン、アードベッグなどありますが、アイラとも違う強烈な個性があるので一度は経験してみるのも良いです。
5.カリラ12年
アイラでお気に入りの蒸留所は個人的にはカリラをお勧めします。
独特な塩っぽさがたまりません。ベーコンや生ハム(パンチェッタ)と一緒に食べたくなる味わいです。
加水せずにストレートかロックで飲むのがお勧めです。
カリラは少しマイナーですが、それ故にカスクストレングスやボトラーズ品が安く手に入ります。
UD社のタブルマチュアードなど素晴らしい仕上がりにも関わらず6千円程度で手に入るので、もし見つけたら試してみて下さい。
先ほどのタリスカーもタブルマチュアード(樽を2回詰め替える)がありますが、こちらもまた感動的な仕上がりですよ。
6.ストラスアイラ12年
やっぱり旧ボトル。優しい味わいのストラスアイラ。
マッカランなど華やかな花型ウイスキーを飲んだ後に飲むと、香りが弱く没個性的に感じてしまうかもしれませんが、じっくりと一人で飲むのにはストラスアイラが良いですね。
有名なシーバスリーガルの中核をなすモルトでもあります。
これだけだと確かに個性が弱い感じがします。
旧ボトルの並行輸入品のストラスアイラは、穏やかで大人しい女の子のような印象がありますね。
主張が弱いですが、ずっと長年愛飲するのに良い一本でもあります。
まとめ
いかがでしょうか?厳選の6本。
無人島に持っていく1本ならば、うーん、ストラスアイラかな?
マッカランなど華やかなモルトを持ってくと島での一人暮らしが寂しくなりそうです。笑
ウイスキーは本当に楽しいですよ!
個性の違いというのが大きいので、人の性格のように色々とあります。
ぜひとも自分にあった1本を探してみて下さいね。