愛媛県の松山市から西瀬戸自動車道を通り抜ける途中に、「タオル美術館まで5km」と怪しげな看板を見つけました。筆者はタオルが大好きで、特にふわふわで厚手のパイル地の高級ホテルのようなタオルをお風呂上がりに使うのが気に入っています。
なので、タオル美術館に全く期待せずに安くアウトレットで良いタオルが買えたらな〜という気分で何となく寄ってみました。だいたい地方にある◯◯(商品名)美術館と呼ばれる観光施設は、昭和の産物とも思える寂れた建物である事が多いのですが到着すると…。
ん?!
なんじゃこりゃああーー!!
と奇声を発する事に…。
四国や近辺の県ではとても有名かもしれないのですが、筆者は静岡出身で四国や中国地方はあまり来る事が無いので、建物を見て初めてその凄さを知ることになりました。
ルネサンス建築のようなレンガ造り(レンガ貼り?)の外観に大きな庭園まであります。
駐車場からチラッと見るだけで、いかに細かく手入れをされているか直ぐに察しました。
もしや階段の上は…と大きな期待をしながら、先に庭園に行くことに。
こ、これは!
完全にヨーロッパの景色です…。
茶褐色のレンガにクラシカルなガス灯風電灯、庭園は芝がキレイに刈り揃えられ植えてある木の品種も日本には無いものばかりです。
さらには奥に広がる山が白い岩肌の出ている山脈でより欧州の雰囲気が出ています。
特にこのタオル美術館の周辺に家が少なく、海外旅行に訪れていると錯覚できるほどです。
テラスからは庭や景色を一望できます。
手すりや調度品など細かな部分までこだわっているのが感じられます。
カフェが2箇所、レストランが1箇所あり外でも紅茶や飲み物を楽しむ事ができます。
お客さんの殆どは空調の効いた室内を選んでいましたが、外でガーデンを眺めながらお茶というのも本当に素敵です。
街路樹が植えられたプロムナードも。
ガーデンにはブルーベリーやローズ、ライラックが植えられて美しすぎてため息が出ます。
「アウトレットのタオルを買いに来たのに、今自分はどこでなにをしているんだろう…」ととても不思議な気分になりました。
朝起きたら何故かラングドックなど南フランスの民家に居た、というような驚きです。
円形の建物がレストランになっていて、中華のバイキングビュッフェが提供されていました。
子供連れなどファミリー層、おじいちゃんおばあちゃんと3世代で楽しむ人が多いように見えます。
ここのガーデンですが、一周歩いて感じたのが驚くほどに丁寧に手入れが成されている事です。
関東地方で入場料が掛かる有料のガーデンなどしばし訪れる事がありますが、有料のガーデンよりも丁寧に美しく手入れがされており感激を受けました。暑くて外を歩いて居る人がいなかったので貸し切り状態で貴族にでもなった気分です。
東京近郊にあれば、週末は溢れ出る人の数になってしまいそうです。
そういった意味でも、四国にあるとガーデンの混み具合が限られて贅沢な時間を過ごせますね。
至る所に歴史的な石造物や彫刻などが展示されています。
中世の石柱をまさか愛媛県の今治市で見れるとは到底思いませんでした。
そろそろ館内に入ることに…。
美術館と言うだけあり、とても広く至る所にタオルの展示品と即売がされています。
タオル工場も併設されており自動で製造する工場を自由に見れるようにガラス越しに開放されています。
人気のムーミンのオブジェやぬいぐるみなど色々と展示されています。
アウトレット店も併設されており、お手頃な価格でタオルが買えることから沢山の人で賑わっていました。
中でもお楽しみ袋といったランダムで色々なタオルが入っているのが人気が高かったです。
外国人観光客もちらほら見かけます。
美術館ではムーミンの世界展とアツコマタノのタオルアートコレクションが開催されており、こちらも多くの家族で賑わっていました。
ただ、ただ一番衝撃を受けたのが美術館の1階…。
「あーはいはい、フォションね…」
フォション!?!?!?
(なんで地方の四国のタオル美術館にフォションが!!!!)
(あれ?僕いつのまにパリに来ちゃったんだろう。ここ何区かな?)
恐ろしい品揃えです。
名古屋や東京のちょっとした店舗より、よほど揃っています。
国内正規品のフルラインナップに近い紅茶の茶葉だけでなく、調味料やフルーツジュース、ジャム、テーブルウェア(C/Sやポット)、バッグ、タオルなど言葉が出ない程の品揃えです。
腰抜けて床に座り込みそうな位の衝撃でした。
あれっ?ここってタオル美術館じゃないっけ??(テイク2)
さらに驚いたのが、日本で関東に数店舗しかないフランスの有名紅茶メーカーであるエディアールの紅茶が…!品揃えもこんなに…。
タオル美術館のフランス拘りは、恐ろしくレベルが高すぎて、編集長の妄想を現実にした位に現実感が乏しいです。
併設されているミュージアムカフェでは、アフターヌーンティーセットにスコーンセット。
さらにはフォションが29種類も…!!!
その場でアイスティー&ホットティーで楽しめます。
もちろんフォションのカップで(岐阜多治見製)
もはや、
タオル関係ないじゃん!!(良い意味で)
テーブルも汚れやすいにも関わらず白いクロスが掛けられて、拘り方が半端じゃありません。
普通は掃除が簡単なように、木のテーブルのまま、もしくはビニールをかけます。
店員のおじさまに尋ねた所、実は運営会社の一広株式会社の中の人の意向で1階をフランスのマルシェを忠実に再現したかったと教えてもらえました。
なぜフランスかというと…。タオルの発祥がフランスと言われているから…。
お、おう!そうなんだ!
いずれにせよ、度肝を抜かれましたし、感動しっぱなしでした。
今治市素敵♡住みたい(不順な動機)
ロケーションと良い、庭と良い、首都から遠いという立地の条件による程よい観光客の人数。
日本で一番贅沢なマルシェです。そして一番贅沢なフォションのブティックです。
フォションマニアの編集長が言うんです間違いありません。
という訳で、記念にここの工場で作られたフォションタオルを購入してきました。
同社には中国工場の製品も多いらしいのですが、こちらの商品は今治市で作られたものです。
今後タオルを買うとしたら絶対に今治産にしようと心に決めた日でした。
紅茶好き、庭好き、おしゃれな空間好き、パリジャン、タオル好き(何故か最後)
には本当にお勧めできる美術館です!!
東京からでも絶対に行く価値があるので、四国観光のついでに訪ねてみて下さいね!
タオル美術館ICHIHIRO
〒799-1607 愛媛県今治市朝倉上甲2930