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男なら知ってて当然 !!『テーラードジャケット』の基本

最近になって俄然注目を集めるようになった、テーラードジャケットを使ったジャケパンスタイル。

LEON レオンのスナップやウェブサイトで目にするイタリアの男性のような軽快なテーラードジャケットの着こなしに、憧れた人も少なくないはずです。

さあ、自分も挑戦しよう!と、ちょっと待った。その着こなしは本当に問題ないですか?テーラードジャケットはスーツに起源を持つアイテムだけあり、選び方や着こなしにはちょっとしたコツとルールがあります。

テーラードジャケットを着てお出かけする前に是非、テーラードジャケットの選び方と着こなしを再確認しましょう。

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そもそもテーラードジャケットとは

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さて、さらに基本のおさらいになってしまいますが、改めてテーラードジャケットとは何か、ということを理解しておきましょう。

テーラードジャケットは「tailor=仕立てる」と「jacket=ジャケット」という言葉の意味を持ちます。仕立てる、というのは職人が人に合わせて服を作るときに使われる言葉。ジャケットは現在では上着を意味する一般的な用語になっていますが、特にテーラードジャケットのような形のものを示すことが多いですね。

スーツと同じような形を持ちながらもパンツとセットではなく単体で売られ、単体でも使いやすいよう仕立てやシルエット、ディティール、生地などを少し変えているものが基本的に「テーラードジャケット」と言われます。

ちなみにアメリカではa sport coat、イギリスではa sports jacketという風に呼ばれます。さらに余談ですが、現在のスーツの形が出来上がってきたのは19世紀の後半。

現在のようなジャケットスタイルは戦後の着こなしです。

スーツの上着とテーラードジャケットの違い

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上では、パンツとセットではなく単体で売られ、単体でも使いやすいよう仕立てやシルエット、ディティール、生地などを少し変えているものが基本的に「テーラードジャケット」というように書きました。

しかしテーラードジャケットとスーツの上着に厳密な境界線はありません。それについてもう少し詳しく解説していきましょう。

テーラードジャケットとスーツは、共通事項を多く持ちます。そのため、スーツの上着であってもテーラードジャケットとして使えるものがあったり、逆に一見するとまるっきりテーラードジャケットのようなカジュアルさなのに、スーツであったりもします。

ファッション業界では便宜上、ビジネスなどで使うようなものをスーツ、カジュアルな仕様で別々にも使うことのできるようなものをセットアップと呼び分けたりもします。

ではテーラードジャケットとスーツの厳密な違いとは何でしょうか?

基本的には生地と柄、仕立てに違いがあります。

まずは生地。スーツに使われる生地は滑らかな光沢のあるウールであることが多いです。

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こういった素材のものは、カジュアルなジャケットスタイルで使おうと思うと、チノパンやデニムと素材感が合わずなんとなく違和感が生まれてしまうことが多いです。

そこでテーラードジャケットには、チノパンやデニムなどとも相性の良い風合いの生地が用いられるのです。例えばコットン、リネン、シルク、織柄や独特の風合いのあるウール、それらの混紡素材などです。

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左はシルクウール、右はシルクリネンです。右のジャケットなんかは特に、無地であるにも関わらず一見で「スーツではなくテーラードジャケットだ!」と分かりますよね。それはリネン特有の霜降り模様があるからでしょう。このように、生地が変わると雰囲気が一変し、カジュアルでも使い易くなります。

次は柄です。以下の写真には一つだけ、スーツの上着が混じっています。どれでしょう。

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右下のグレーのものですね。特に縦の連続性を必要とするストライプは、特別な狙いが無い限りジャケット単体で用いられることはあまりありません。

ですので、ストライプ柄のスーツのジャケットをテーラードジャケットの代わりに用いてしまうと、非常に違和感があります。

テーラードジャケットはその点、無地や先ほども紹介したような生地の織柄や素材感が生かされた無地、あるいはチェック柄などのカジュアル感を演出する柄であることが多いです。

そして仕立てですが、これは色々な仕様があるので、一概に表すのが少し難しいところ。ただ多くのテーラードジャケットに共通するのは、肩パットなどが入り構築的なシルエットであることも少なくないスーツに比べ、比較的自然な肩で、リラックスした仕立てになっていること。

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すると力の抜けたジャケットスタイルに非常に馴染み易いというわけです。

ちなみに皆さんが目下計画中、スーツの上着をテーラードジャケットをとして使ってしまおう!という作戦については、断念せざるを得ないと言えましょう。

テーラードジャケットとして使えるのはカジュアルなスーツですが、そういったスーツを持っている人はお洒落で、おそらくテーラードジャケットの基本を調べることはほとんど無いからです。

上のようなスーツを持っていたら、上着をテーラードジャケットとして使うことができます。

偽物テーラードジャケットに注意!

これはショッキングな話ですが、実は市場に出回ってる「テーラードジャケット」と呼ばれているものの多くは「偽物」です。

特に若者向けのファッションブランドで売られている5000円〜1万5000円のものは、テーラードジャケットとは呼ばれていますが、まるきりテーラードジャケットのシルエットをもじった簡易的なブルゾンでしかありません。

またネットの通販などで売られている格安のものなどは、もはや着せ替え人形の衣装よりも縫製が悪く、生地もコンビニのビニール袋を撚って糸を作って織ったような粗悪さです。

先ほども紹介したように、テーラードジャケットは仕立てられた上着を意味します。ですので、こういった粗悪なものは「テーラードジャケット」としては扱うことができません。

例えば「テーラードジャケットなら安心」と思ってビジネスで着れば「貧相で頼りない」と思われてしまいますし、婚活パーティなどで着てしまえば大恥も良いところです。

大人が着るテーラードジャケットは、スーツのように本格的な仕立てで、生地も上質なものを使っているものです。

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肩や首がぴったりとフィットし、ラペル(襟)がふんわりと立体的な胸回りを作ること、ウエストに美しいくびれを作ることなどが本物のテーラードジャケットの特徴。こういったテーラードジャケットはスーツと同じく体型を良く見せてくれ、色気を演出してくれます。

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また生地や丁寧な縫製から漂う高級感、無駄のない洗練された雰囲気と清潔感から、どんなシチュエーションにも適していますね。これが、デートやパーティ、ビジネスなどで着るべき本物のテーラードジャケットです。

「格安」という点や「モテる」というステマサイトにあおられて購入した偽物テーラードジャケットに身を包んで外を歩いては、歩く恥となってしまいますので気をつけましょう。

ではどうしたら、皆がハッとするような上質さの大人なテーラードジャケットを手に入れることができるのか?

次の項ではそれについてを書いていきます。

テーラードジャケットの選び方の基本

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さて、偽物テーラードジャケットを掴まされてしまわずに、本当に良いテーラードジャケットを見つけるためのコツです。

まずは「品質の良さ」をテーラードジャケット選びの基準にすること。生地がウールやカシミア、コットン、リネン、シルクなど自然素材のみを使用していることは良質なテーラードジャケットの第一の条件です。

ポリエステルやナイロン、ポリウレタンなどが1%でも入っていれば、それは最良の選択ではありません。あきらかに風合いが悪くなりますし、ポリウレタン等は年々劣化していくため、長年使っていくようなテーラードジャケットには適していないからです。

皆さんも色々とテーラードジャケットを見ているとお気づきになるかもしれませんが、かなり値段が高いテーラードジャケットでも、ナイロンなどが入っている場合があります。「高いし人気のブランドだから」と言って選んでしまいがちですが、やはり自然素材のものだけを使っているものには劣ります。

例えばイタリアの有名なスーツ、ジャケットのブランドにBelvest ベルベストというブランドがあり、高い縫製の技術で大変評判が良いです。

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しかしその評判の良さを利用し儲けようとするセレクトショップもあり、そういうショップは別注で生地のグレードを下げて原価を下げ、そのままの定価で売ることで利幅を大きくしようとします。

「ストレッチ素材で着心地が良い!」などと言いますが、Belvest ベルベストの優れた仕立ては、ストレッチ素材など用いなくても身体に合えば素晴らしい着心地です。

そういった思惑で作られたテーラードジャケットを購入して後で後悔しないためにも、自然素材のものを選びましょう。慣れてきたら、自然素材の中でもより良い生地のものを選ぶことだって可能です。

次に仕立てですが、まず大事なのはシルエットと着心地です。着てみてどこかがきつい、腕が上がらない、どこかに不自然なシワが寄るといった場合には、そのテーラードジャケットは仕立てが悪い又は身体に合っていないことが考えられます。

またテーラードジャケットはスーツと同じく「理想的な男の体型」を目指した服です。そのため、身体にしっかりと沿うシルエットで、ウエストに適度なしぼりがあり、肩があまったりせずフィットすること、着丈が短すぎないことをチェックしましょう。

もう一つ、個人的には優先すべきと思うのが、星ステッチ。襟やジャケット全体に施される(手縫い服でない限りは)装飾のためのステッチです。

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これが写真のスーツのように細い糸で、ラペルの端を沿うように細かく施されていれば、少し離れたときに非常に高級感のある風合いとなります。

こうして見分けていけば、ほとんどの場合には本物のテーラードジャケットを手に入れることができるはずです。

ですが自信が無い!という人には裏技を。袖部分が未処理(袖丈の調整を前提としていて、ボタンを後でつけるもの)のテーラードジャケットを選びましょう。

数千円のお金が掛かる袖処理を前提としているテーラードジャケットは、コスト重視ではなく品質を追求する人を対象としたテーラードジャケットである場合が多いのです。

いかがでしたか?

今回はテーラードジャケットの基本を一からおさらいして、本当に良いテーラードジャケットの選び方を紹介しました。

テーラードジャケットの着こなしの基本もそのうち紹介する予定ですので、ぜひ新着記事をチェックしてくださいね!

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