レニエ

PENSIER

フロックコートをめぐる随想

懐古趣味が高じて買ってしまった、年代物のフロックコートがある。購入先の店主によれば、1930年代に英国で仕立てられたものらしい。フロックコート自体は19世紀の衣服であるが、なるほど確かにこの一着は、典型的な30年代の仕立てである。肩は着用者...
PENSIER

【翻訳】レミ・ド・グールモン「アンリ・ド・レニエ」(『仮面の書』より)

訳者まえがき 「今どきレニエを読むとは珍しい」――古書店の老店主にそう言われたことがある。つくづくお世辞のうまい店主である。この詩人を愛する者にとって、過去への愛に勝る美徳はないのだから。 アンリ・ド・レニエの作品は、今日ではほとんど読まれ...