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日常生活のリスク管理でミスを減らす

難しく表現するとリスク管理(=リスクマネジメント)とは、リスクを特定して、特定したリスクを分析、発生頻度と影響度の観点から評価。発生頻度と影響度から求められるリスクレベルに応じて対策を講じる一連のプロセスを言います。

日常生活でのミス

日常生活でのミスというのは意識しなくても数多く起こっています。例えば

・家の鍵を忘れる
・携帯電話をどこに置いたか忘れる
・メガネを部屋で失くす
・食器洗いで皿を割る
・カッターナイフや包丁で些細なケガをする
・トイレットペーパーなど日用品を切らす
・車の運転でカベに擦ってしまう

など影響度の大小はあっても、不便であったり困ることです。
これらは当人の性格も影響します。当たり前ですが几帳面な人はミスが少なく、ずぼらな人はミスが多いなどです。

ミスを減らす方法はリスクの評価をする

日常生活を完璧に無くすことは難しいですが、大きな失敗をしないように自分の中で「リスクの評価」を行います。
当たり前のように実践している人も多いと思いますが、実例を解説してみます。

「約束の時間に集合する」
目的一つ上げてもリスクの大きさが異なります。友達の家で遊ぶのと、友達とディズニーランドで遊ぶ。
この場合は前者は友達の家に行く訳ですから、多少時間が前後しても相手が困りにくいです。ですが後者は移動できないスケジュールが確定しているので、確実に集合時間には間に合わないと困ります。
同じ友達と遊ぶ集合時間でも、”これは重要”と重要度を付ける必要があります。

最も重要なケースは何でしょうか、大学受験や試験の集合時間、就職の面接、大切な打ち合わせなどです。
絶対に遅れてはいけない場合は、「どんな事態が起きても間に合う」という計算をします。事故やトラブルで電車が止まったり、工事で大渋滞している、など考慮に入れます。大切な集合ほど早く現地に到着するようにします。
集合場所の近くの喫茶店で時間をつぶす位の方が確実に時間通りに集合できるのです。

ニュースで見かけるのが「受験生が飛行機が遅れて、受験できずに抗議した」などです。天災による影響は責められませんが、数年に1回の大切な受験であれば前日は最も近くの宿に宿泊するべきです。優れた受験生は受験日の1年前に、ホテル予約の受付開始と同時に予約をするそうです。一年先の予約をすることで、最も会場に近いホテルを確実に取れるそうです。

他にも車の運転も同じように他者の運転に対してリスク付けをします。
「バスは比較的ゆっくり出てくる」「隣のタクシーは割り込んでくる可能性が高く非常に危険」
「右を歩いている杖のお爺さんより、左の子供の方が急に飛び出すリスクが高い」など常に様々なものにリスクの大きさを付けます。慣れれば当たり前のように自然にできるようになります。

食器を洗うときもリスク付けが有効的です。「ワイングラスが最も高価で割れやすいから、最初に丁寧に洗って仕舞う」「次にこの皿が割れやすそう」「鍋が絶対に割れないからシンクに沈めとく」

ディープラーニングのような事を実際にするのです。

ミスが起きやすい傾向を把握する

私はこれでミスを減らすことができました。
ミスが起こる時は傾向があります。それを自分の中で解析します。

例えばこうです。
「車を何年も運転しているが、2回だけ擦ってしまう事があった。」
ではそれは、どんな時か?
「長距離を運転して、疲れて帰って家で駐車している時」

これでなぜミスが起こるか分かりました。
長距離や不慣れな場所を運転して、帰宅した時に気が緩んで擦ってしまったのです。
同じように早く帰りたい時や、疲れて居る時のミスが起こる確率は非常に高いのです。

これを対策する方法は何でしょう?
最も良いのは、途中で仮眠したり宿を取って疲れをなくしてから帰ること。しかし現実的ではありません。
疲れているからこそ早く家に帰りたいのです。
簡単で効果的な方法があります。それは意識することです。

長距離から帰って、家の周辺を車で走っているとき
「今、私はとても疲れて運転している。事故が起こりやすい状況。ぶつかる可能性がある。」
これを声に出しても良いですし、頭の中で何度も呟いても良いのです。
これだけで劇的に事故が起こるリスクが下がります。疲れているという現状を把握しているのです。

疲れていても「今、とても当たりやすい!」と意識しながら駐車すれば擦ることはないのです。
大抵事故が起こるときは、「自分は洞察力も注意力も充分にある」と思っていても、疲れて注意力が欠如していたりします。朝起きて、「よーし!出かけるぞ」と車を発進させてすぐに事故る人は中々居ません。

今でも私は運転をするたびに「今日は私の運転能力のピークの○○%の調子」と大まかな数値で意識しています。
例えば神経が研ぎ澄まされていて、動物が飛び出てきても即座に回避できる状態が100%とします。そこから、その日の体調を考慮して、「今日は疲れてるしピークの50%位の体調だなぁ〜」と意識するのです。これでその日の運転リスクを体感的に割り出すことができます。

人間は不完全なのです。食器洗いでも、最初にワイングラスを洗うと丁寧に洗えるのに、重たいフライパンや鍋など色々洗ったあとに、繊細なワイングラスを洗うと力加減ができずに落として割ってしまうことなどあります。
これも自分の疲れを計算できていないからミス・事故が起こるのです。

ピアノの経験者であれば共感できると思いますが、練習し始めの20~30分は調子が良いのですが、1時間も超えれば余程の熟練者で無い限り、ミスが目立ってきて注意力が欠如します。さっきまで弾けた部分も弾けなくなったり、自分が楽譜のどこを弾いているか分からなくなったりします。問題は「自分の集中力が落ちた」ということを自覚できないところにあります。

運転も食器洗いも何の作業でもそうですが、緩やかに注意力や集中力が落ちていくので自覚できにくいところにあります。
自覚というのがミスを未然に防ぐ最大のコツです。

例えば工作でカッターナイフを使って何時間も作業しているとします。暫くすると力が入りにくくなって指を切るリスクが上昇します。そこで「自分は今カッターナイフで指を切るリスクがある」としっかり自覚します。それだけで実際に怪我をするリスクがぐっと減るのです。怪我をする時は大抵意識していなく、疲れが出始めたころに現れるのです。

では、作業し初めで指を切ったり、朝起きて運転した直後に事故をするような人はどうでしょうか。
これは日常的に注意欠陥があるか、もしくはその行為が向いていないと言えます。
向いていない事はしないことが一番です。

頭の中でルールが決まっていない

物がすぐなくなる人はどうでしょうか。基本的に物をすぐ無くす人は注意欠陥気味であると言えます。
一方で几帳面な人は自分の中でルールが決まっている傾向にあります。

冷蔵庫が特にその人の脳内の縮図と言えます。「開いて左のポケットは、右利きの私が一番使いやすいから、使用頻度の高い醤油とソース、お酢、みりんなどの液体を入れる」「その上には調味料と香辛料」などマイルールがあり、何がどこにあるか一瞬で分かります。それどころか卵など先入れ先出しで、新鮮なうちは生で、時間が経ったら加熱してなど無意識のうちにやっているのです。
当たり前ですが、そんな人は食材の廃棄が少ない。無駄なものは買いませんし、冷蔵庫のどこに何があるか明確に把握しているのです。そうなると机の引き出しも整理整頓されていて、鞄の中も整理整頓されています。

ルールが決まっていない人ほど物が失くなります。鍵の置き場が一定じゃない、携帯電話の置き場が一定じゃない人は特にそうです。「ものがどこかに行く」ミスを減らすには、位置の決定と確認に付きます。
工場や鉄道では指差喚呼といって、指さしで○○ヨシ!と確認する方法があります。指差喚呼によってミスが大幅に減ると言われていますが、日常生活でも有効です。

私も実際に行っていますが、家の鍵を締めたときに、ドアが開かないか1〜2回実際に確認します。
その後に鍵を同じポケットなど所定の場所に仕舞います。入れた時に触って確認します。
これだけで「鍵の閉め忘れ」や「鍵の紛失」「施錠したかどうか不安になる」という事が格段と減ります。

さすがに声にまでは出さないですが、意識するのは有効なのです。
安全人間工学にはフェーズ理論という物があり、フェース1は疲労時や居眠りで、注意や判断がうまく働かない状態で間違いを起こす確率が極めて高いです。
フェーズ2はリラックスした状態で、ぼーっと運転しているときややや疲れている時などミスが発声しやすいです。
フェーズ3は意識が集中している状態で、意欲が高くミスが発生しにくい状態です。

このように意識するだけでミスが起こる確率を下げれるのです。

仕事以外にも活用してみて下さいね!

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