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第5回 ライター田中のメンズファッション講座【ブランド編】

メンズファッションを学びたいけど、ファッション雑誌を読んでもよくわからない……。そんなあなたのために、大人のためのスタイルを中心に、メンズファッションを解説していくコーナーです。

すでに第5回となるライター田中のメンズファッション講座ですが、お楽しみ頂いておりますでしょうか。

今回は特に皆さんが気になっているところであろう、メンズファッションのブランドについてを書いていきます。

ブランド品を身につけるべきか?

kiton brioni

「ブランド品ばかりを身につけた下品な人だ」と思われるのであれば、むしろセンス良くノーブランドのものを身につけた方がいいのではないか?そう思われる方は多いかと思います。

もちろんその考え方は間違っていません。だって下品だと思われてしまってはせっかくの服も全く意味がありませんし、センスの良さが着こなしにとって最も大事なことであるのは確かだからです。

しかしここであえて言いましょう。

「ブランド品を身につけるべき」です。

だって、特にジャケットやシャツをメインとした大人のカジュアルスタイルやビジネススタイルの場合、ノーブランドで質の良いものなどは存在しません。ノーブランドというのは「ブランドになるほど大したものではない」という意味なのです。

極端な言い方ではありますが、ある程度品質を重視したり、デザインで人に「これは良いな!」と思われればそのメーカーはブランドとなっていきます。

「品質が良く、洒落者から評価されているもの」。そういうものはマイナーであったとしても、メジャーであったとしても、必ずブランドとなっています。

Anna Matuozzo アンナマトッツォというブランドをご存知でしょうか?シャツのブランドですが、おそらくご存知ないでしょう。日本で1万人をランダムで捕まえて、1人知っていればラッキーといったものです。

しかし日本を代表するセレクトショップであるユナイテッドアローズが展開する上質なセレクトショップ、東京丸の内にあるソブリンハウスに行って10人捕まえたら、5人はAnna Matuozzo アンナマトッツォを知っているでしょう。

「ああ、知っているよ。世界最高と言われるシャツブランドで、自分もいつかは一着と思っているんだ」

とこういうわけです。

そんな風に、グッチやアルマーニのようにひたすら広告を出して知名度を上げているブランドではなくて、ひっそりと上質な物を作り続け、その品質や職人技、誰が見ても美しいシルエットが一部の洒落者たちに評価されているブランドというのも数多く存在するのです。

そういったブランドを知っておいて、それらのブランドの品を選ぶということは、特にまだあまり目に自信の無い人にとって、良質なものに辿り着く近道となります。

例えばシャツの好きな人が、品質や着心地を意識しながら様々なシャツを試して、究極のシャツにたどり着くまでに一体どれだけのお金が掛かるでしょう。10万、20万じゃ済まないかもしれません。

しかし最初に世界最高と言われるアンナマトッツォを知っていたら、好き嫌いはともかくとして、それを試着してみることができる。その他に世界最高と言われるシャツブランドをいくつか試して、自分の好みに合うスタイルを探せば、おそらく10万円で誰が見ても素晴らしいシャツを2~3着、購入することができるでしょう。

でなかったとしても、最上と言われるシャツを知った上で、安くて品質の良いシャツを探すのと、何も知らないまま謳い文句やネットのレビューを参考にして安いシャツを買うのとでは意味が違います。

「品質と外見のバランス感の良い物を見つけるために、ブランドを一つの指標にする」ことができる。これを知っておくと良いですね。

ここでは品質や職人技、バランスが良いシルエットなどで評価されているブランドを紹介していきます。本当は色々なジャンルのブランドを紹介したいのですが、とりあえずは男のファッションの基本となるであろうスーツやジャケット、シャツのブランドを紹介します。

スーツ、ジャケットのブランド

まずはスーツやジャケットのブランドから紹介していきましょう。

先ほどは最高級のものを例に出しましたが、実際にはそこまで求める必要はありません。上質なスーツやジャケットとはどんなものか、というのが感じられるブランドであれば十分です。

ただそれでも、スーツやジャケットを購入するのであればやはり、15万円〜25万円の投資が大事です。

3回払いで購入して月5万円〜というこの金額に驚かれる方も多いかもしれませんが、このグレードでしっかりと間違いない買い物をすれば、人生が多少なりとも豊かになるような素晴らしいスーツに出会うことができます。

1. RING JACKET リングヂャケット

ring jacket

正直なところ、上質なメンズファッションはシャツ、パンツ、スーツ、ジャケットからネクタイに至るまでリングヂャケットに行ってしまえば揃ってしまいます。

リングヂャケット マイスターというシリーズのスーツは世界を席巻している一着40万〜のイタリア製に迫るクオリティを持っており、まったく驚くほど完成度の高い一流のスーツでありながら、値段は15万円〜と比較的良心的です。

ずいぶん前から雑誌などを騒がせているボリオリやラルディーニなどのブランドのスーツも、ブランド力の高騰と円安のおかげで今では15万円以上になっていますが、クオリティは全く別ものです。私ならば、絶対にリングヂャケットを選びます。

またリングヂャケットに最近追加されたnapoli ナポリというシリーズは、リングヂャケットがプライベートブランドの形で、ナポリのシャツ工房やパンツ工房で製品を作らせているという異色のシリーズです。つまりリングヂャケットなのに、イタリア製なんですね。

しかも製作をしている工房はかの有名なチェザレ・アットリーニのシャツを作るシャツ工房であったり、パンツはナポリ中のサルトリアが外注を出すモーラ(?)だったりと、まあ恐ろしくハイレベルなところばかり。

まったくこれはけしからんことですね。けしからん。とっても欲しくなっちゃいます。

そういうわけで、リングヂャケットに行けば何でも素晴らしいものが買えてしまうのです。

2. Belvest ベルベスト

belvest08

イタリアのマシンメイド(ミシンを主に使って作る)スーツで最高峰と言われているベルベストは、定価は30万円ほどですが、アウトレットやセールなどを上手に使えば15万円〜手に入れることのできる一生もののブランド。

他のブランドにはない丸みを帯びたシルエットは、身体を包み込むような着心地で、軽くしなやかです。それでいて外見は洗練されている。

一着50万円以上する最高級スーツブランドとして、Brioni ブリオーニというブランドがあります。ベルベストはこのブリオーニというブランドを目指していることを公言しており、なるほど確かに雰囲気は少し似ていますね。逆に言えば相当こだわりが強い人でなければ、ブリオーニを買わなくてもベルベストを買えば良いわけです。

熟練の職人の手縫いのスーツの良さはベルベストでは分からないかもしれませんが、しかし研究を重ねてよりよい着心地を目指したベルベストは、「ハンドメイド」と謳うためだけに手縫いを用いた流行もののスーツよりもよほど着心地が良くレベルの高いマシンメイドです。

ちなみにベルベストにはJACKET IN THE BOXという廉価ラインがありますが、こちらはお勧めできません。買うのであればしっかりとしたラインのものを購入しましょう。

3. Sartorio サルトリオ

sartorio

個人的な一押しは、最高級スーツブランドであるKiton社が展開するセカンドライン、Sartorio サルトリオです。

値段はスーツで25万円ほどからと安くはありませんが、最上を知るこのブランドだからこそなし得る正統派のクラシックなシルエット、ヴィンテージ感のある本当の意味で時代を先取りした生地など、他のブランドにはない魅力をこのブランドは持っています。

クラシックな太さのラペル、着丈、肩幅。サルトリオのスーツのシルエットは世界のスーツの模範とも言える美しさだと思いますが、時々別注元によっては着丈が短すぎたりとサルトリオの良さが出ていなかったりします。

別注しているセレクトショップは数多くありますが、おすすめは丸の内のソブリンハウスです。サルトリオらしいシルエットや生地感が楽しめます。

シャツのブランド

ジャケット等に比べて、一流品でも頑張れば手を出すことできるシャツ。もちろん肌に直接着るものなので消耗品で、お買い得かどうかは考え方によります。

しかし肌に一番近いアイテムである分、シャツは物によって着心地が全く異なります。すなわちシャツは品質の違いを自分で体感しやすい物なのです。

だからシャツにこだわってみると面白い。

1. FRAY フライ

fray

フライのシャツは手縫いのシャツを超えるハイクオリティなマシンメイドシャツとして知られています。

単に生地使いが贅沢なだけではなく、身体に沿ったシルエットを生み出すために複雑な立体を作るカッティングや、非常に精巧なミシン縫いなど、他のブランドに出来ない多くのことをしているからこそ、フライは世界一のマシンメイドシャツと言われています。

例えばシャツの袖付け部分を見てみると、肩の部分と脇の下の部分で、縫い代の部分の幅が違うことが分かります。具体的には脇の下の縫い代の幅が狭く、肩の方が広い。これは力がかかる肩の部分には強度を、動く度に擦れ、ごろつきやすい脇の下には動きやすさを実現するためではないでしょうか。

他のシャツで、こういった仕様を見ることは中々ありませんね。

2. Cesare Attolini チェザレ・アットリーニ

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チェザレ・アットリーニはイタリア南部のナポリという都市のブランドで、世界的にも有名なスーツブランドです。このブランド一着40万円〜という値段設定でありながらも、それに見合った熟練職人による縫製と、上質な生地、オーセンティックなシルエットなどが評価されています。

そんなアットリーニのジャケットは流石に買えなくても、シャツであれば4万円〜で手が届く可能性もあります。

このアットリーニのシャツは繊細なハンドワークや優雅なギャザーの袖付けなど、どこをとっても素晴らしい仕上がりです。

ナポリという都市には他にもボレッリやフィナモレといったシャツ専業のブランドがありますが、正直これらのブランドはあまりに日本でもてはやされたせいで、クオリティが低下しています。

個人的にはアットリーニのシャツの方が、よりおすすめですね。

3. BARBA バルバ

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バルバは手縫いで袖付けを行っていることで有名なシャツブランド。先ほど少し触れたボレッリやフィナモレの多くのラインは他にも様々な部分を手縫いで行っていますが、それでもバルバの手縫いは有名。それは間違いなく、袖付け部分だけでありながらも、バルバの手縫いのレベルが今でも高い水準を誇っているからです。

何よりもシルエットのバランスが良く、生地も上質なものを使っていて、イタリアシャツ入門にもおすすめですね。

個人的にも、様々なシャツブランドを試していますが、いつも安心して袖を通すことができるのはバルバです。

今では3万円にもなってしまいましたが、少し前までは2万円台前半で買うことができ、非常にコストパフォーマンスに優れたシャツでもありました。

 

いかがでしたか?今回はブランドの服を着る理由と、ブランドをいくつかピックアップしていきました。

『大人になれる本』ではこんな感じで、他にも多くの良質なブランドを紹介しています。以下のページなどもご参考いただければと思います。

【脱ボリオリ】ジャケパンに本当におすすめなブランドまとめ【高品質】

【高級】一生モノのコートを買うのにおすすめなブランド5選

【東京都内】良質なメンズ服が買える高級セレクトショップまとめ

【コスパ優先】ビジネスマンにおすすめの上質な革靴ブランド5選

【画像とレビュー】イタリアの人気シャツブランドまとめ

【画像とレビュー!】イタリアのパンツ専業ブランドまとめ

【知っておきたい】メンズファッションの一流ブランド①

ちょっとスーツにこだわりたい人におすすめのブランド5選

【知らなきゃ恥ずかしい】メンズスーツ ブランドまとめ①

次回はディテールにまで踏み込んで、もっと詳しいメンズファッションについて書いていこうと思います。

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