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経営者に向き不向きがある?その条件とは……

孫子の兵法の中にこのような言葉が出てきます。
将軍とは、「智」「信」「仁」「勇」「厳」の5条件を満たす人物でなければならない。
智 知識や知恵を意味します。常日頃から新しい情報を得て学ぶ姿勢。
信 友情に厚く、人をあざむかないこと、誠実なこと。常に信用される行動。
仁 中国思想における徳の一つ「他人に対する親愛の情、優しさ」。
勇 勇ましさ、勇気ある行動。
厳 厳しさ、時に仲間に対しても厳しい態度を取る。

これは現代でも同じことが言えます。
リーダーシップの資質として知識、信頼、優しさ、勇ましさ、厳しさは大切です。
しかし誰もがそうでありたいという理想論であり、具体的にピント来ないことも確かです。

自己と他者を明確に区別できる人が経営者には必要

「この人は経営者として向いているな」と思うのは、自己と他者の区別を明確にできる人です。
とにかく他人に厳しく自分に優しい。ビジネスというのは慈善事業でも無ければ、NPOでもありません。
優れた商売やサービスがあれば、あっという間に大手や新興企業が参入してきて戦うこととなります。
つまり闘争心の強く、自分の得や成功に対して貪欲でないと成功しないのです。

とあるビジネスマンと筆者の考え方の違いで驚いたケースがあります。

写真はイメージです……。

家電の修理について

彼が購入して3ヶ月しか経っていない家電が故障してしまいました。
そこでサポートセンターに電話したのですが、私から見て非常に高圧的に要求しています。

「最も高級な商品を購入したのに壊れた!すぐに直らないと困る!このまま不便なまま使えというのか?」

初めうちはサポートセンターが、

「そうしましたら明後日はいかがでしょうか?」

と出張修理を提案してきたのですが、

「明後日までこのまま使えというのか?!信じられない!」

などと交渉した結果、当日の2時間後に修理に来ることになりました。

私は購入したばかりの家電が壊れても「修理お願いできますでしょうか?」と丁寧にお願いをする性格です。
しかし、高圧的に見えた彼の態度は、結果として2日も早く修理が終わったのです!

ビジネス観点からしたら、彼の対応の方が正しかった=結果が出た、ということになります。

正当なサービスを受ける

彼は、しばしば店員や受け付けの人などに横柄な態度を取ることがあります。
私は「怖いな」と思うことさえあるのですが、これは見方によっては「正しい」のです。
高級ホテルで様々なサービスを受けて、その対価として「料金」とプラスして「サービス料」を払っているのです。
ですので彼の堂々とした態度は見方によっては正しいのかもしれません。

私は小心者なので、高級ホテルに泊まってもチェックアウトするときに「あぁ散らかっているから掃除していかないと」とさえ思ってしまいます。この例を見ると、彼は経営者に向いていて、私は使用人に向いているとさえ言えます。

なぜ、この違いが起きるのでしょうか

私と彼でなぜこのような考え方の違いが生まれるのかを考えてみました。

幼い頃から競争心がある

一つは、彼の一族がビジネス成功者で名家であるということです。幼い頃から使用人が居て、沢山の従業員がいたので、誰かにやってもらうという事に慣れて「私が散らかすから彼の仕事がある」という事を幼少期から理解しているのです。
そして高度な教育機関に通ったり、習い事などに行くことによって幼い頃から他者との戦いを意識します。私立小学校の受験勉強しかり、ピアノのコンクールしかり、勝ち負けについてシビアに要求されるのです。

結果は出なかったけど、頑張ったから合格だよ!なんて甘さはないのです。
一緒に過ごした友達が合格したり優勝するところを見て、「次は絶対に僕の番だ!!」と闘争心を燃やすことでしょう。

草食系の村社会

一方、私は競争とは無縁の世界で生きてきました。農家の出身で事なかれ主義、協調性を重視されました。村社会で生きていくためには「みんなで成功」というのが重視されるのです。農協に入れば野菜の買取価格も同じで、天候もあるので近所との協力が不可欠なのです。生まれ育った静岡市では競争というのが少なく、9割以上の子供が公立学校に通います。強く競争を意識するのは大学受験ですが、その頃には既に性格が形成されているのです。

大人になって実感したのですが、競争や争いごとに慣れていないので、誰かに強い口調で文句を言ったり、クレームを言うのが極端に苦手なのです。確実に相手が悪いケースでも「これを言ったら気分を害さないかな?」と強い態度で出れないのです。

きっと私の場合は、車で停車中に後ろから追突されたら「大丈夫ですか?お怪我はありませんか?」と言ってしまうでしょう。彼の場合は「どこ見て走ってんだ!!すぐに代車を用意して車を修理しろ!」と怒ることでしょう。
結果的に私は過失ゼロなのに損をして、彼はメルセデス・ベンツの代車と自身の車が新車になって返ってくることでしょう。

この性質の違いを理解しておかないと苦労する

どちらの性格が優れてて、どちらが劣っているというものではありません。

”私”は共感力に優れている

草食系の私のように温厚なタイプの人間は怒ることがありません。そして大抵の場合は共感力に優れています。
例えば文庫本の小説を読んで号泣したり、映画を見ていて感情移入して泣いてしまうなどです。他者の気持ちに対して共感することができます。架空の物語であったとしてもです!

大人数の従業員をまとめて、会社を成長されるには取捨と厳しさが大切

大人数の従業員に毎月給料を支払い、競合他社と熾烈な争いを繰り広げ、取引先とのトラブルや法務をもこなすのであれば確実に”彼”のような競争心のある性格が必要です。
そして仲間(従業員)や大切な顧客であっても、会社のためにならないと判断すれば直ちに切り捨てるのです。

これは大切なことで、私も仕事をしていて昔の顧客からの要求を「簡単な作業だから無料でやってあげなきゃ…」「いつも世話になってるから安くしてあげなきゃ」としていた結果、利益はいつまでたっても上がりません。
会社経営では自分に優しく他人に厳しくは必要なことなのです。

クレーマー対応でも現れる”資質”

とある商品を販売した時に、なんと2年経ってから納品した商品に対してクレームが来ました。
「そんなのはおかしい!」と心の中で思いつつも大切な顧客の一人だからと全額返金を受け入れてしまいました。
これでは企業として成立しません。”彼”であれば「不備がありましたら、納品1週間以内のみ対応いたします」と一行、納品書に追加して、8日目には「1週間過ぎましたので、有料サポートとなりますが宜しいでしょうか?」と言うことでしょう。
時に柔軟な対応は必要ですが、悪質なクレーマーに対応するには断固たる態度を取る必要があるのです。

残念ながら12歳も過ぎれば向き不向きが決まる

多くの場合、子供の時に性格は決まります。
中学生になった頃には温厚な性格か、競争心が高い性格か分かれてしまいます。
そして大人になってから入れ替わるというのは非常に難しいことです。訓練次第で反対の性格に近付くことができるかもしれませんが、元の性格のまま残りの人生を過ごす人が多いでしょう。

つまり「無理な事は無理」で良いのです。向いてない仕事をするのではなく、自分に向いている仕事をするべきです。
例えば私には債権回収や催促などの仕事は絶対に不可能でしょう。できない部分は、性格が逆のパートナーを選び一緒に仕事をすることによって分業すれば良いのです。

知っているだけで大丈夫!

性格の違いを”知っている”というだけで、日常生活も楽になりますし、「この人は逆の性格なんだなぁ」と理解することもできます。
あなたの性格はどちらでしょうか?