高級デニムの選び方①では、ハイブランドのデニムが値段相応なのか、どんな特徴があるのかなどを考えてみましたね。今回は続いて、ブランド別のデニムの傾向を見ていきます。
ブランド別デニムの傾向
以下にハイブランドのいくつかを選び、そのデニムの傾向を書いていきます。それを参考にしていただくと、好みに沿うデニムを見つけやすいかと思います。
あくまで参考までの傾向の話となりますが、やはりブランドごと得意とするところがあるので、知っておいて損はないでしょう。
◯ARMANI アルマーニ
アルマーニでデニムを買うのにおすすめなのは、ジョルジオ・アルマーニ、アルマーニ・コレツィオーニ、そしてアルマーニ・ジーンズのイタリア製ラインです。
ジョルジオ・アルマーニはシルク100%など、現実離れしたデニムを得意としています。基本的には生地の上質感や特別感を全面に打出した、非常に贅沢なラインです。
アルマーニ・コレツィオーニはその方向性のまま、やや現実的に落とし込んだようなデニムが特徴。普通の人が扱える範囲内の贅沢な生地を、トルコやマケドニア(ものによってはイタリア)で製造することで値段を3万円〜と下げています。ダメージなどは控えめなので、綺麗めなデニムが好きな人に特におすすめのブランドラインです。
アルマーニ・ジーンズのイタリアラインはダメージ加工や自然なヴィンテージ感が特徴の、工房で作るハンドメイド仕上げのデニムのようなディティールが特徴です。
◯ZEGNA ゼニア
ゼニアはイタリアを代表する服地メーカーで、高級スーツなどに使われる良質な生地を扱うブランド。
そのゼニアが生地の良さを生かしつつも現代的でスポーティ(カジュアル)なラインとして作ったのが、ZZEGNA ジーゼニアです。ゼニアのデニムの多くはこのブランドラインから発売されていますが、ゼニアらしい非常に繊細で高級感のある生地が魅力。
ものによって光沢感には差がありますが、せっかくゼニアで買うならば複雑な光沢のあるものを。まるでSUPER 170’s ウールのように上品な光沢感は、ジャケパンを中心として使うとお洒落です。
またゼニアのデニムは股上が深いのも特徴となっていますので、主にシャツをタックインしてチノパンのようにして使う人におすすめ。
◯DIESEL ディーゼル
最初にも書きましたように、ディーゼルはハイブランドとしてカウントされるか意見の割れるブランドですが、高級デニムを選ぶ上では候補に入りやすいブランドなので、ここで紹介します。
まずディーゼルのイタリア製ラインですが、こちらは生地感の良さや高級感というよりも、非常に手の込んだハンドメイド仕上げのようなダメージ加工が特徴のデニムです。
例えばチェック柄がぼんやりと浮かび上がるデニムや、一回染色した後にわざわざ部分的にインディゴを残しながら色を落とした白いデニムなど、流石はディーゼルのフラッグシップといえるディティールのものが多いですね。
またディーゼルのデニムはシルエットが綺麗なのも大きな特徴の一つ。基本的にスキニーですが、脚の形に沿うように立体的な形になっているので、以外と人を選びません。
ディーゼルには、少し上品なアイテムをメインとしたブランドラインとしてDIESEL BLACK GOLD ディーゼルブラックゴールドというものがあります。こちらはより生地の上質感やシンプルな美しさを重視したイタリア製のデニムがメインとなっており、ジャケットスタイルなどに合わせやすいものが多いです。
◯Loro Piana ロロピアーナ
ロロピアーナはハイブランドというよりは、イタリアの高級服地ブランドですが、そのアパレル事業もまた素晴らしいため、ここで紹介する次第。
ロロピアーナのデニムは世界でも有数のハイレベルな綿が生地に使用されているのが特徴。柔らかくしっとりと手の中で滑るようなデニム生地は、他のどんなブランドも追従できない贅沢さです。
ちなみに値段もかなり高く、10万円近いものが多いですね。にも関わらずラベル等は非常に控えめ、光沢感などもジョルジオ・アルマーニやゼニアのように露骨にはしていない、など品質第一主義を地で行くのが、このロロピアーナのデニムだと言えるでしょう。
◯PRADA プラダ
プラダはアルマーニ・コレツィオーニに近い傾向を持つデニムをメインとしています。基本的にはブランドのイメージもありダークトーンの光沢感のあるものが得意ですね。
基本がバッグやシューズをメインとしたブランドではあるので、デニムを選ぶには少し個性が足りないかなという印象もあります。
ただしプラダというブランドが好きな人であれば、品質が悪いというわけではありませんので、選んで後悔することはないでしょう。
◯Brioni ブリオーニ
ブリオーニはハイブランドというよりはラグジュアリーブランドで、世界を代表するスーツやテーラードジャケットのブランドとして有名です。文字通り世界中の著名人がこぞって着用しているブランドで、有名な映画007の主人公も劇中でブリオーニのスーツを着用したほど。
そのブリオーニのデニムはややロロピアーナに近い印象で、光沢感もデザインも控えめではありますが、全体的に高級感のある良質な生地を使用しているのが特徴です。
またシルエットも美しく、テーラリングに近い立体的で丁寧な縫製のおかげか、非常に軽快な履き心地です。これもダメージ加工などは控えめなので、どちらかというとジャケットスタイルに合わせやすいと言えるでしょう。
◯LANVIN ランバン
ランバンのデニムはTOMORROWLAND トゥモローランドやInternational Gallery BEAMS インターナショナルギャラリービームスなどごく一部のセレクトショップや、銀座のブティックなど限られたショップでしか見られないアイテムですね。
そんなアイテムではありますが、こちらはジョルジオ・アルマーニのような非現実的な贅沢な生地感と、さらにアバンギャルドなデザインを足したようなイメージのアイテムが多いです。
シルエットに関してはフレアだったりもしますね。
正直なところ西欧人体型の一部の人しか着ることができない特殊なアイテムだと言えるでしょう。
◯Dolce&Gabbana ドルチェ&ガッバーナ
ドルチェアンドガッバーナに関しても、ハイブランドの中では若年層に人気のあるブランドであり、人によってはハイブランドではないという意見もありますね。
このドルチェアンドガッバーナに関しては根っからのデザイナーブランドであることもあり、デザイン性に注力したデニムが多いのが特徴。極端なダメージ加工のあるものも少なくなく、例えば全面に渡って穴の空いたデニムなども販売しています。
またこのドルチェアンドガッバーナは非常に細身だったり、逆にサルエルのようにダボダボだったりと、シルエットが非常に様々で、アイテムごとに違うのも特徴です。
ちなみに比較的グレー系のデニムが得意ですね。
いかがでしたか??
今回は二回にわたって、高級デニムの選び方やブランド別の傾向などについて解説してみました。
ぜひ参考にして、お気に入りの一本を見つけてくださいね!