静かな彼は誰時を意味するワイン Fontanafredda Barolo ”Serralunga D’alba”

イタリア トリノから車で1時間、バローロの直ぐ隣に”FONTANAFREDDA(フォンタナフレッダ)”というワイナリーがあります。
フォンタナフレッダは、1878年にサヴォイア家の血を引くイタリアの初代国王ヴィットーリオ・エマヌエーレ二世の息子が所有権を譲り受け創業したワイナリーです。

ピエモンテ州のなだらかな村にありますが、ワインの醸造だけでなく村全体が整備され、”Foresteria delle Vigne”というVilla(ヴィラ)として一角がリゾートとして滞在できる空間になっています。
ヘーゼルナッツや古樹の森の中を歩いたり、葡萄園に囲まれた一帯でリラックスできるそうです。宿泊施設やレストランも併設されオールシーズンで多くの人が訪れます。

フォンタナフレッダのワインの特徴としては、ワイナリーで厳選された天然の酵母を使うことや、スチールバッドで醗酵させて大きなオーク樽で熟成を行うこと。またワインに添加する亜硫酸塩を法律で定められた既定値よりも40%以上も少なく使っていることなどがあります。

今回グラスワインとして頂いたのが、静岡市の御幸町にあるラ・ソムリエールです。フォンタナフレッダのイベントを行っており、Gavi del Comune di Gaviがグラス650円、Baroloが1,080円、Serralunga D’albaが1,620円という手頃な価格で体験できるようになっています。

日常的にイタリアワインを愛している人は別として、バローロを気軽に飲む機会というのは少なく、また何を選べば良いか判断できる人はイタリアワイン通でない限り難しいと言えます。

今回、BaroloとSerralunga D’albaを頂いたのですがどちらも素晴らしいワインだったのでテイスティングレビューと一緒に紹介します。
どちらもネッビオーロ主体のバローロですが、キャラクターが大きく異なっていることに気づきます。

まずは通常のバローロ、ノルマーレ(ノーマル)を意味するエチケットですが、香りは静かでブルゴーニュのような落ち着きのあるニュアンスです。
常温でグラスに入っていても、柔らかく香りが漂ってくるので他のネッビオーロと比べると主張が弱く感じます。味わいではアタックが強くアルコール感があります、少し舌に刺さりますが、それでも柔らかです。
時間が経つと、手入れのされたカーフレザーのような香りで男性っぽさが際立ちます。

次にBarolo Serralunga D’alba 2014。
こちらは対照的にエレガントでブルゴーニュのジュブレ・シャンベルタンのような”冷たい”果実感のある香りが漂ってきます。まるで甘いけれど、まだ完熟ではない桃やプラムのような果皮からくる香りのようです。
口を付けると、先程のバローロと比べて非常に柔らかくアルコールの強さもありません。とにかく滑らかで、飲んだ後にはプルーンや干しぶどうのような香りが鼻腔に残ります。

グラスに入れた直後は静かで暗く、名前の”Serralunga D’alba”(=夜が長くて朝なのに暗い)というのを体現しています。まるで冬の朝に夜の空気が残り、動物も起きていない時間帯のようです。とても静かなワインと言えます。
彼は誰時(かはたれどき)は、明け方頃を指す言葉ですが、このワインそのものです。

しかし、15~20分もすると明るくなってきて味わいも軽やかに変化します。
「あぁ、かなり変わって軽快になってきたなぁ〜」とお喋りして、30分もするとあっという間に昼前になってしまいます。
まるで他のバローロのように陽気で元気な一面が出てくるのです。実はフォンタナフレッダの南に位置する畑をSerralunga D’albaと呼んでいるそうですが、ワインも、その地名と同じように時間と共に変化してゆくのを楽しめます。

本誌は南イタリア寄りのウェブマガジンですが、ピエモンテのワインも素晴らしいなぁ!と染み染み楽しんでしまいました。
もし気軽にイタリアに旅行できるのであれば、フォンタナフレッダのリゾートホテルに泊まり畑の横のレストランで料理と一緒に、それが難しいのであればワインを1本買って公式サイトの素敵な写真を眺めてストリートビューを見ながらワインを飲む、なんてのも面白いですよ。ワイン屋さんで見かけたら試してみて下さいネ!

そして静岡に住んでいる方は、しばらくの間グラスで飲めるので「ラ・ソムリエール」に訪れてみて下さいね。

http://www.fontanafredda.it/