店舗デザインの基本~顧客編~

ビジネス

店舗デザインの基本~照明編~ の続編です。

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前回に続いて店舗デザインの基本について説明したいと思います。
「お店のコンセプトに合わせて照明を選択する必要があるのです。」という事を紹介しましたが
顧客の心理から考えたデザインの基本について触れていきます。

「売る側の心理」と「買う側の心理」どうしても、この2つにはギャップが生まれてしまいます。

「多く売りたい」、「来店したら必ず買ってもらいたい」、「たくさんリピートしてもらいたい」
これらは全て売る側の心理で、買う側の心理ではありません。
例えば、買う側の心理というものは、こういった要素があります。

「何かいいものはあるかな?」
「面白いもの(目新しいもの)ないかな?」
「◯◯◯(ブランド名)の新製品どんなのかな?」

大前提に買わないユーザーも大切にする、というスタンスが大切です。
お店のファンを付けるということは、分母数を増やすことに直結します。
分子が購入者だとすれば、分母は深層の購買層(いつか買うかもしれない)と言えます。

必ずしも「購入したくて」来店する訳ではないのです、これはお店の種類によっても異なりますが、日常の必須でない”商品を売る”お店には言えることです。
例えば「ファッション」「ゴルフ」「黒物家電製品」「オーディオビジュアル」「輸入食品」「雑貨」など。
メモ用紙に書いたリストをもとにスーパーマーケットで野菜を買うのとは違うのです。

そういった顧客に対して、どのようなセッションが必要か、これは2つあります。
一つ目に、それはライフスタイルを提案することです。
この商品があれば、このような生活ができる!という事を印象付ける事が大切です。

例えば、
「この春物のワンピースがあれば、新作の可愛い服を着て、桜のもとで花見ができる!」
「この薄型テレビがあれば、仕事から疲れて帰ってきても、大型テレビで映画を楽しめる!デザインも良く部屋に合う」
「このスピーカーがあれば、毎日良い音で大好きなジャズを楽しめる!」
こういったように、具体的に、商品を入手した後を想像できるようにするのです。

これを特に実践しているのがイケアです。
部屋のブースを何パターンも作り、「こういった感じで家具を使えます」とPRしているのです。
やはり、机を単体で見ても、使っている自分を実感できませんが、ブースに可愛い家具や
ソファ、ベッドなど小道具を一杯詰め込みそこに、可愛い机があれば、
まさに「この机を使うとこんなに幸せになれるんだ!」と実感できます。

ファッション・アパレルのお店でも、必ずといっていいほど、ショーウィンドウがあります。
そこには、マネキンがお洒落なコーディネートを着つけていて、
一緒にバッグやストール、帽子など、細かな物まで身につけています。

例えばアウトドアの洋品店の場合は、ショーケースに岩肌を模したディスプレイがあったりと
「自分が使っているシチュエーション」を実感できるようになっています。
これがライフスタイルの提案に繋がります。
つまり、店舗デザインにおいても、そのライフスタイルをイメージできる店舗つくりが重要なのです。

二つ目に、「衝動に訴えかける」ことです。
皆さんも、何となくお店を回っていたら、ついつい買ってしまった。という事はありませんか?
これは、買いたいものが決まっていなかったに関わらず、買ってしまった。つまり衝動的な買い物と言えます。

理由は色々に渡りますが、主な理由としては、
「その商品に値段以上の魅力を感じたから。」
「他のお店で見たことのない独自の商品。」
「以前から欲しいと思っていたものが、手頃な価格、もしくは、より高品質であったから。」
「これを使っている自分を想像して、衝動的に欲しくなったから。」
といったものがあると思います。

一番最後に紹介したものは、1つめで言った「ライフスタイルの提案」を行う事によって、感性に訴えかける事が出来ると思います。
例えば、「雑貨屋さんのハンドソープ」はテスターがあり、自由にその場で試すことができたりしますが、これは、実際に自分が”使う”といのを体験して、想像を掻き立てるのに、ものすごく役に立ちます。
もし、ハンドソープが固いダンボールに入って、表面にラベルが貼って売られていたらどうでしょうか?これではネットの通販と変わりません。

他の大きな理由では、「安かったから」
これはとても大きな理由ですが、落とし穴があります。
「人気の商品を安く売れば、人気のお店になる!」といのは古い考え方です。
現在では、インターネット通販が盛んで、アマゾンなど午前中に頼めば、その日の午後には届くというサービスもあります。
また価格も実店舗では成し得ないような低価格で販売されているものも沢山あります。

ですので、「安くする」=「売れる」といった単純な思想は捨てる必要があります。
では、衝動買いに対してどうするのか?
よりネットが主流になる時代ですが、通用するマーケティング方法。
それは、「商品の価値に対して安く思わせる」つまり、「売っている価格よりも、商品は価値が有る!」と意識付けるのです。
これは付加価値を付けることによって、実売価格は高いにも関わらず、「お得」と思って買ってしまうというものです。

例えば、サークルKのプレミアムロールケーキ。
これは既存のロールケーキよりも断然高級な筈ですが、高級な生クリームを使って、いかにも美味しそうなパッケージに入っています。
つまり、消費者から、これは値段以上に価値がある。と判断された為に、高価であるにも関わらずベストセラーになったのです。

他にもセブンイレブンの「金の食パン」
これも従来の製パンメーカー製から比べて5割も高級だったにも関わらず、「セブンプレミアム」というブランドの付加価値をうまく印象つける事ができた為に、
製造から1年弱で何と1500万食も売れるというベストセラーになりました。
話が戻りますが、こういった「付加価値」や「価格よりも商品の魅力が大きい」と印象付ける事は衝動的な購買に繋がるポイントです。

具体的な方法ですが、
「商品のラインナップをショップ独自の物にする。」
「ショップのオリジナルブランドを作る。」 (=オリジナルブランドを作る記事はこちら)
「プレミアムな商品のブースを作る」
「他のお店で無い新しい商品を取り扱う」
といったものがあります。

こうした、ライフスタイルを提案「衝動に訴えかける」という2つの要件を押さえることによってお店を好きになってもらい、安定した購買層が付いてゆきます。

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