世界的に活用されているQRコードですが、実は日本の会社が発明したことをご存知でしょうか。このQRコードは広く普及しており、さまざまな場面で目にします。しかし、例えば美容院でもらったショップカードのQRコードが、うまく読み取れずにイライラした経験はありませんか?
一方で、中央にアイコン画像が入っているQRコードがすぐに読み取れることもあり、不思議に思うかもしれません。これは、QRコードが持つ特殊な特徴が関係しているのです。
カバー写真:https://qr.quel.jp/url.php
QRコードの基本的な仕組み
QRコードは、2次元のバーコードであり、縦横に点(モジュール)を配置することで情報をエンコードしています。この情報は、特定のアルゴリズムに基づいて圧縮されており、主に黒と白のパターンによって成り立っています。
•黒い部分(暗モジュール):データを含む部分
•白い部分(明モジュール):データがない部分
これらのパターンをスキャナーが読み取り、情報をデコードすることで、URLやテキスト、その他のデータを取得できる仕組みです。この白黒の明確なコントラストが、QRコードの読み取りの正確性を担保しています。
エラー訂正機能と中央に画像を入れても良い理由
QRコードには、エラー訂正機能という非常に優れた仕組みが搭載されています。これは、コードの一部が破損していたり、汚れがあったりしても、読み取れるようにするための技術です。エラー訂正レベルは4段階(L、M、Q、H)に分かれており、最高レベルのHでは最大30%のデータが破損しても、正確に読み取ることが可能です。
このエラー訂正機能により、QRコードの中央に画像やロゴを入れても、スキャン時に正確に読み取ることができるようになっています。中央部分は通常、QRコードの端に比べてデータ密度が低いため、画像を配置しても全体のデータに大きな影響を与えません。
色を変えてはいけない理由
一方で、QRコードの色を変えることは推奨されていません。その理由は、QRコードのデザインや視覚的な要素が、機械による読み取り精度に大きく影響するためです。具体的な理由を以下に解説します。
コントラストの低下による読み取りエラー
QRコードの読み取りには、白と黒の高いコントラストが必要です。
たとえば、黒い部分を薄い青や灰色に変更し、背景を白から淡い色に変えると、コントラストが低くなり、スキャナーがコードを読み取れなくなることがあります。
特に、スマートフォンのカメラや一部の古いQRコードスキャナーでは、低コントラストのQRコードは非常に読み取りにくいです。
特定の色がスキャナーに認識されにくい
QRコードのスキャナーは、RGBカラー空間に基づいて色を認識しますが、一部の色はスキャナーにとって誤認識されやすいという特性があります。たとえば、黄色や明るい緑のような明度の高い色は、スキャナーが白として認識してしまうことがあり、QRコードの黒い部分と区別がつきにくくなります。
QRコードの色を変えたい場合の工夫
どうしてもQRコードのデザイン性を高めたい場合、以下の点に留意すれば、デザインを保ちつつQRコードの読み取り精度を維持できます。
•コントラストを保つ:背景が白であれば、濃い色を使用することは可能です。黒以外でも、濃い青や濃い緑など、明度差がしっかりある色を選ぶことで、読み取り可能なQRコードを作成できます。
•ガイドパターンは変更しない:ガイドパターンや外枠部分は色を変更せず、中央部分だけにデザインを加えることで、読み取りの精度を確保できます。
•エラー訂正レベルを高める:エラー訂正レベルをHに設定することで、中央にデザインを追加した場合でも問題なくスキャンできる可能性が高まります。
意外にも奥の深いQRコード
デザインを優先する際には、機能性とデザイン性のバランスを取りながら、ユーザーにとっても企業にとっても効果的なQRコードを作成するとよいですね!
ちなみに、規格さえしっかりしていれば、 手書きでも認識するのが面白いです。 企業のPRとしても活用できそうですね。
QRコード手書き生成中 pic.twitter.com/agl4tqvWq9
— レイサポ(陽向です (@hnt_KRS) May 13, 2024
わぁい手書きのQRコード
あかり手書きのQRコード大好き pic.twitter.com/pnFYAgGx0P— KEI (@k_chalten) July 3, 2024