ちいかわはなぜ、大人から子供まで幅広い世代に愛されているのか。

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私が「ちいかわ」を初めて見たのは2021年の半ば頃です。最初はそこまで興味が湧かなかったのですが、徐々にそのストーリーに引き込まれ、気がつけば夢中になっていました。カバー写真は、2021年7月に品川駅の期間限定ショップに行った写真です。

ちいさくて可愛らしいキャラクターたちが、ほのぼの日常を送りながらも、時に勇敢に巨大な敵と戦う姿や、友人たちと協力する場面に心を動かされることが、ちいかわが幅広い世代に愛される理由の一つではないかと感じています。

初期は作画が現在と少し異なります。ほのぼのストーリーが多かったです。

可愛さと勇敢さのギャップ

「ちいかわ」は、その愛らしい見た目と、時折見せる勇敢さのギャップが特徴的です。愛らしいキャラクターたちが、突然現れる巨大な敵と戦ったり、困難な状況に立ち向かう姿は、多くの読者に驚きと感動を与えます。普段はほのぼのとした日常を描く漫画に、緊張感やドラマチックな要素が組み込まれており、この二面性が魅力となっています。

こうした構成は、日常系漫画やバトル漫画のように、単純に一つのジャンルに属するわけではなく、両方の要素を複合的に持っているのが「ちいかわ」のユニークな点です。子供には可愛らしさと冒険の楽しさが伝わり、大人にはそのギャップによる深みが感じられることで、広い世代に支持されています。

言葉にしない団結力

「ちいかわ」には、キャラクター同士が明確に「助け合おう」と言葉で表現することは少なく、行動でお互いを支え合う姿が描かれています。例えば、自由奔放で単独行動を好むウサギが、ちいかわやハチワレがピンチに陥った際にはさっと駆けつけて助けるシーンが多く見られます。この無言の団結力が視聴者に深い感動を与え、大人たちも応援したくなる要素の一つです。

言葉に頼らない友情や絆は、リアルな人間関係にも通じる部分があり、特に大人はその描写に共感を覚えます。小さな行動一つ一つで示される友情は、見ている側に温かさを感じさせ、彼らを応援したいという気持ちにさせてくれます。

働く姿と現実社会との共通点

ちいかわたちが一生懸命働き、欲しいものを手に入れる姿も、現代の日本社会に通じる部分があります。キャラクターたちは、しばしば労働の対価として報酬を受け取り、それを使って生活を営むという描写があり、この点が大人たちには特に共感を呼びます。

日本の現代社会では、多くの人々が日々働き、努力して生計を立てています。ちいかわたちもまた、簡単に幸せが手に入るわけではなく、汗水を流して得た報酬で少しずつ生活を楽しむ姿が、視聴者に「自分たちと似ている」と感じさせるのでしょう。特に労働の喜びや辛さ、報酬を得る達成感といった感情は、視聴者の感情に深く響く部分です。

多彩なキャラクターたち

「ちいかわ」の魅力は、個性的なキャラクターたちの存在にもあります。たとえば、酒浸りなのに他人思いな「栗まんじゅう先輩」や、常にモチベーションが高く仲間を大切にする頼れる「ラッコ先輩」、穏やかな協調性を持つ「シーサーちゃん」、一方で他力本願でワガママな「モモンガちゃん」など、幅広いキャラクターが登場します。これだけ多彩なキャラクターがいることで、視聴者は自分に似たキャラクターを見つけたり、感情移入することができるのです。

「モモンガちゃん」は通称「でかつよ」に身体を乗っ取られてしまった=入れ替わりではないかという説が強く、そこには魔女の関わりも取り沙汰されています。他にも、スロットマシーンで、ちいかわたちの身体が入れ替わるなど、この世界では、入れ替わりがポピュラーなのも意表を突かれます。

特に子供たちは、可愛らしいキャラクターに単純に惹かれますが、大人たちはそのキャラクターの内面や行動に共感を覚え、感情的に引き込まれることが多いのではないでしょうか。

ミステリアスな要素

「ちいかわ」には、謎が多いことも魅力の一つです。たとえば、ちいかわたちが働いている理由や、彼らを監督している(とされている)鎧さんたちの存在は、まだ明確に説明されていません。

鎧さんたちは時には監督役としての姿を見せながらも、ちいかわたちが危険にさらされている時に必ずしも助けてくれるわけではありません。この曖昧さやミステリアスな部分が、物語にさらなる深みを与え、読者に次の展開を期待させます。

このように必ずしも、鎧さんが戦って助けてくれるわけではありません。洞窟から逃げるときには、抱えてくれたりと、状況によって対応が違います。

さらに、鎧さんたち自体も個性豊かで、ハンドメイドが好きな鎧さんや、お弁当を作る鎧さんなど、様々なタイプが登場する点もユニークです。これにより、物語が単純なキャラクター漫画にとどまらず、より複雑で深みのある作品へと進化していると言えます。

恐怖回「悪夢編」

ちいかわの中でも特に話題になったのが、「悪夢編」と呼ばれる恐怖回です。この回では、ちいかわたちが象の形をした恐怖の敵に悪夢を見せられるというストーリーが展開されます。ちいかわは、家で真面目に勉強していたところ、夜食の音に引き寄せられて外に出ていくと、突然ゾウのような存在に出会い、催眠術にかけられてしまいます。

その後、ちいかわは水槽の中に閉じ込められ、水で息が苦しくなるような状況に追い込まれたり、草むしり検定で自分だけが落ちてしまうという悪夢を見せられます。この描写はあまりに過酷で、視聴者にとって衝撃的な展開となりました。ナガノ先生自身が描いているにもかかわらず、ちいかわたちをいじめるシーンが存在することが、ファンの間で大きな話題となりました。

2021年頃から既に、ちいかわには「ちい虐」という趣味の悪い界隈があり、文字通り、可愛らしいちいかわをいじめる二次創作を描くことで有名なのですが、こうしたいわば「ちいかわアンチ」の人がドン引きするような、衝撃的な描写を時おりすることも、話に深さを出しているのかもしれません。

しかし、最終的にはウサギや友人たちの協力で敵を倒すことができ、安心感を取り戻します。ところが、その肝心のウサギが、最後にハイタッチをせずに、あっさり帰ってしまいストーリーは終わります。こうした”抜けてる感じ”も支持される理由かもしれません。

予測不可能なストーリー展開

「ちいかわ」のもう一つの魅力は、予測不可能なストーリー展開です。

多くのキャラクター漫画は、最終的に悪を倒してハッピーエンドを迎えることが一般的ですが、ちいかわでは時に不条理なまま終わることもあります。読者はその展開に驚きつつも、次の物語がどうなるのか気になり、次回を楽しみに待つのです。この不確定な要素が、子供から大人まで多くのファンを引き付ける要因となっているのでしょうか。

「ちいかわ」は、その可愛さと深みのあるストーリー、そして不確定な展開が織り交ぜられた作品です。観察してきた中で感じたのは、見た目の可愛さに反して、時には残酷な描写やミステリアスな要素があり、そのギャップが多くの人々に愛されているのだと思います。今後もますます進化する「ちいかわ」の物語から目が離せませんね。

ちいかわ💫アニメ火金

 

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