海外旅行に行くと、チケット販売は必ず駅構内でしかされておらず、 事前にセールで安くなっているタイミングでインターネット予約するというのが一般的になっています。
日本の交通機関はルールが様々ですが、例えば東海道新幹線などの場合は旅行パッケージプランで少し安くなったりするものの、基本的には低価の販売がほとんどで、 ヨーロッパの新幹線のように半額以下まで値段が下がることはまず存在しません。
その代わりといっては変ですが、 世界的にも珍しい光景なのが、チケットショップでの格安乗車券販売です。主要な駅のすぐ近くには、写真のような値段札がたくさん下がっていて、 ここでは新幹線のチケットや乗車券、また映画館の鑑賞券や遊園地のチケット、 他にも食事券や百貨店の商品券など様々なものが販売されています。
なぜ、こうしたお店では新幹線の切符が値引きで販売されているのか、解説してみたいと思います。
不要になったチケットの売却
企業や個人が、出張や旅行などで購入した新幹線の切符を、何らかの理由で使用できなくなった場合、それを少しでも現金化しようとして金券ショップに売却することがあります。
金券ショップはその切符を買い取って、通常価格よりも割安で販売します。これにより、消費者はお得に切符を購入することができるのです。特に利用期限が短いものは企業も一度売ってしまいたいので安くなる傾向にあります。
回数券の転売
新幹線の回数券は、6枚セットや10枚セットなどで販売されており、通常のチケットよりも割引価格で購入することができます。頻繁に新幹線を利用する人や、企業がこれを利用して割安に移動することが多いですが、個人が回数券を購入し、それを金券ショップにばら売りして利益を得ることもあります。
例えば、6枚セットの回数券を割引価格で購入し、金券ショップにばら売りすれば、合計金額が購入価格を上回ることがあります。金券ショップもそのチケットを正規価格より安く販売することで利益を得ています。
ちなみに、JR東海の場合はすでに販売を終了していて、新幹線回数券は2025年3月31日で利用終了しまうそうで、その後こうしたショップがどうなるのかは未知数です。
サラリーマンの節約行為
会社から新幹線のチケットや交通費が支給されるサラリーマンが、節約のためにチケットを金券ショップに売却し、代わりに安価な手段で移動するケースもあります。これにより、金券ショップに不要なチケットが流れ、安価で消費者に提供されることになります。
この行為自体は法律に違反していないため、違法ではありませんが、企業の規定によっては問題になる可能性もあります。会社の指定した移動方法でないと事故があったときに、労災がおりないなど法律上の問題も出てくるので、あまり褒められた行動とは言えません。
他にも、楽天トラベルなどでビジネスホテルを予約するときに、クオカードや図書券などがもらえるようなサービスも存在しますが、 これもまた日本のサラリーマンの闇ですね。
出張中の食事代が認められない会社もあるので、 救済処置といった見方もあります……。
割引制度の活用
金券ショップは団体割引や早割などの割引制度を利用してチケットを安く購入し、それを転売することで利益を得ています。例えば、団体で利用する際に割引が適用されるチケットを大量に購入し、それを個別に販売することで利益を上げることが可能です。
ただし、こうしたチケットの転売というのは利益率が低く、毎日たくさん売りさばかないとなかなか利益には直結しないようです。
株主優待などの売却も
他にも、食事券や商品券が安く売られていることがありますが、こちらはどちらかというと、株主優待で配布されたものを使わなかったために売却するケースが多いです。
また、少し法的にグレーな話ですが、クレジットカードのショッピング額を現金化したい人が商品券に換金し、それを金券ショップで少し安い金額で売ることで現金化するという手段も耳にします。
このように、金券ショップで販売されているもの自体はすべて合法ですが、換金手法を使う人たちの中には、法律のぎりぎりの範囲で行動している、あるいは倫理的に問題があるケースも含まれているようです。
購入する側に問題は全くありませんが、こうした仕組みを知っておくと良いかもしれませんね。