ただひとつの目的に生まれたロードスター Z4
ドイツの堅実な自動車メーカーとして知られるBMWですが、このロードスターという
実用と相反するはずのオープンモデルを現行型として製造しています。
Z4というのはZ3の後継車として発表されたモデルで、美しい流れるようなボディラインに
伝統の6気筒エンジンを載せたエレガントなオープンカー。
足回りや剛性など全ての技術を、ハイパフォーマンスカーから譲り受け、
特別な存在にも関わらず、日常生活でも快適に使えるというのが特長です。
BMWのラインナップには、1シリーズ カブリオレ、3シリーズの335i カブリオレ、6シリーズ カブリオレなど多数のオープンモデルが揃えられています。
ですが、その全ては「クローズドモデルのオープン派生」としてしか存在せず、言ってしまえば
「開けれるようにした」というモデルなのです。
その点、このBMW Z4はデザインが描かれ、設計される段階より「ロードスター」としての存在だけを意識して作られた車であり、BMWが考える「オープンカーとはなにか」を定義したモデルなのです。
それが、オープン時の美しいデザインであったり、スポーツカーを凌ぐ機敏な走行性、
またクローズにした時の快適性さえも、その定義の一つであると言えます。
ロングノーズ
「ドライバーがボディの中心部に座る」
これはハイパフォーマンスカーのM3やM5でも実現できないことです。
何故ならBMW他の全て4人乗りのモデルだからです。
このZ4と従来のZ3シリーズのみが2シーターです。
つまり4人快適に乗れるという呪縛から解き放たれた、ドライバーとパッセンジャーだけの為の車なのです。
ハードトップのルーフは格納式の為、荷物も最小限しか乗りません。
その代わりに、このZ4でしか見えない景色があります。
Z4の居住性と走行性能
今までオープンカーというのは狭く、不便な乗り物と言われるのが一般的でした。
ですが、このZ4は快適性とオープンの楽しみを高いレベルで融合させています。
シートはエルゴノミクス(人間工学)に合わせて長時間運転しても疲れにくいものになっていて、
サスペンションも、路面の情報をしっかりとフィードバックするにも関わらず、高い走行性能を持ちあわせています。
また、シート背面のコートフックやグローブボックス、ドアポケットなど多彩な収納スペースがあります。
そして走行中に天候が急激に変わっても僅か19秒でルーフをボタン一つで閉める事ができます。
走行性能は35isであれば、スポーツカーであるポルシェ ボクスターを凌ぐパフォーマンスで
0-100kmまで4.8秒という脅威の加速性能を見せます。
これは現行の4シリーズの435iのよりも5.1秒早い性能です。
また、ホイールベースが短く、コンパクトなボディは峠などのワインディングでも
クイックでドライバーの意思どおりのドライブが楽しめます。
オープンでしか出来ない楽しみ
このZ4があれば、夏の夜に海岸線の高速をオープンにして流したり、
秋の紅葉を運転しながら360度パノラマで見ることもできます。
道のそばにある駐車場に停めれば、春の季節は高品質のレザーシートに座りながらにして
コーヒー片手に桜を楽しむ事もできます。
BMWなので、オープンモデルでありながら国産車とは異なり、都市に出ても様になります。
機会があれば、一度は体験してみた方が良い素晴らしいオープンカーです。