ヤフーニュースを見ていると、こんなタイトルを発見しました。
スポーツカー「RX―7」と四半世紀 79歳女性が免許返納を決意 愛車は意外な「第二の人生」へ 長崎
79歳のオーナーの方は、 24年前に自宅で次男と「アニメ頭文字D」を見て直感的にビビッと来て購入したそうです。まさに私も同じように、24年前の当時小学生のとき頭文字Dを見て、車を買うならRX-7しかないと決意していました。
3年ほど前にRX-7について、かなり適当な記事を書いていたので、振り返ってみることにします。
(再び適当な記事ですので、ジョーク記事として真に受けないようお願いします)
RX-7が二度と買えない値段に?
15年ぶりにカーセンサーでマツダRX-7を想像してみたのですが、 なんと、現存する台数はたったの70台で、安い順にしても328万円からと表示されています。(※2024年9月22日現在)
「こんなんスピ尺買えるやんけ!」と久々に変な声が出てしまいそうでした。
2008年頃は、スピリットRをネット上の多くの人が何故かスピ尺と読んでいました。
その当時、300万円あれば余裕で購入できたRX-7 Spirit R Type-Aの走行距離2万キロは、信じられないことに1400万円になっていました。
当時RX-7は中古価格が48〜250万円程度だった
2008年頃、当時18歳だった私は、運転免許を取ったばかりで、早速RX-7を探していました。
今もお金はあまりないのですが、当時はそれ以上にお金がなく、100万円の車すら買えない状態でした。それでも、とりあえず頭金として5万円ほど用意し、24回払いのローンで購入しようと考えていました。
当時は今のようにSNSが普及しておらず、2chの掲示板などを見て「ヤバいお店」をチェックするのが一般的でした。RX-7が欲しすぎて、毎日何時間もグーネットやカーセンサーを見たり、ガレージRやGT-NETのサイトを巡ったりしていたのを覚えています。
特にGT-NETでは、2008年頃は現在の価格の10分の1ほどで車が売られていて、飽きずにクリックしながら「買ったらどんな感じだろう」と妄想を繰り返していました。R32 GT-Rなら100万円を切る車もあり、R34でも200万円前後で購入できる車がありました。
また、ガレージRのサイトも毎日リロードして新着車両をチェックし、飽きることなく眺めていました。
S13やS14のシルビアは当時、二束三文で売られており、乗り出し価格が30万円前後の車両も多く見られました。例えば、ターボ仕様のS13にブレンボキャリパーが装着されていても38万円、しかも車検が2年付いているといったものもありました。こうした車両は若者に非常に人気があり、日本平の峠のガードレールに突っ込んでいることも珍しくありませんでした。
今では信じられない話ですが、例えば、RX-7の中期型タイプRBでエンジンがオーバーホールされ、マツダスピードのAスペックエアロ、つまり『イニシャルD』仕様の車両が98万円で販売されていました。しかも車検が2年付いていたのです。この価格は今では考えられません。
初期型のRX-7でも、エンジンの圧縮に問題がない車体が60万円以下で売られていることもありました。
どの中古車も突っ込みどころ満載ですが、一番目を引くのは、RX-7 バサーストXです。
188万円で販売されていましたが、なんとユーノスコスモの3ローター20Bエンジンが搭載されていました。サイドポート仕様の20BエンジンにT88タービン、トラストの6速ミッションが組み合わさっており、何馬力出ているのかわかりませんが、200万円程度でこうした狂ったようなチューニング車両が購入できたのです。
さらに、最終型の6型で走行距離2万km程度の低走行車も、当時は268万円で購入可能でした。しかし、私は18歳で使えるお金が非常に少なかったため、200万円台の車は諦め、100万円前後の調子の良さそうな中期型を狙うことにしました。
今思えば、後からエンジンのオーバーホールに60万円以上かけたり、ラジエーターやミッション、クラッチなど様々な部分を修理して乗っていたため、最初から状態の良いものを購入しておけば良かったと少し後悔しています。
現在では、オートマの5型RBでさえ、16万km以上の過走行車が300万円以上という異常な状況になっています。状態の良い中期型以降の車両を探すと500万円以上かかります。
2010年頃、私が毎日のように乗っていた時期でも、すでにパーツの消耗や劣化が気になっていましたから、それから14年経った今ではさらに劣化が進んでいるのは間違いありません。
RX-7を購入した感動と雑多な感想
私は、修復歴がある二個一のような車両を100万円前後で購入しました。今振り返ると、もう少し良い車両もあった気がしますが、当時は早く乗りたかったし、若かったので深く考えずに購入しました。
色は中期型のシャストホワイトです。後期型は「ピュアホワイト」と呼ばれる少し青白い色なのですが、当時はその青みがかった色に憧れていました。しかし、今ではクリーム色っぽいシャストホワイトの方が良かったなと思っています。
購入したときの感想は、「まるで宇宙船みたいだな」というものでした。それも、遠くの惑星に行って帰ってきてボロボロになった宇宙船のような感じです。
とにかく振動がすごく、エンジン音も車内に響き渡り、すべてがダイレクトに伝わってきます。RX-7は私が初めて買った車で、乗り出した瞬間からおもちゃのようであり、同時に宇宙船のような感覚を覚えました。言葉ではうまく表現できませんが、とにかく楽しかったです。
車内は非常に狭く、乗り込むのも一苦労でした。最近の車では考えられないことですが、ドアを開けると地面に手が届くほど車高が低いんです。
まるでレンタルカートを大きくしたようなダイレクト感で、ハンドルとタイヤが直接つながっている感覚がありました。非常に原始的な車だな、と当時も感じました。
「すさまじい加速」と言われていましたが、実はその頃、大型バイクの免許を取っていて、すでに1000cc近いバイクを運転していたので、RX-7の加速は遅く感じました。中期型は265馬力しかなく、ロータリーエンジンの特性で低速トルクが非常に細い。高回転まで回さないと気持ち良いゾーンには入れませんでした。
すでにバイクの感覚に慣れていたため、RX-7は「意外と遅いな」と思いました。10年後にベントレーの12気筒650馬力や、マセラティ・クーペの450馬力の車に乗ったとき、大型バイクに近い加速を感じました。
当時、RX-7より速い車はたくさん存在していました。
峠では、レガシーを改造して内装をすべて外したような「ほぼ非合法」なチューニング車に乗るおじさんたちがいて、彼らの車は普通のスポーツカーよりもはるかに速かったです。ロードスターを改造して軽量化した車も、下りでは『イニシャルD』さながらに本当に速かったです。
『イニシャルD』に憧れてRX-7に乗りましたが、実際に峠に行くと、軽量化したAE86やロードスターのようなライトウェイトカーにはコーナーで追いつけず、高速道路や首都高に行くとハイパワー車やセダンに負けることが多く、RX-7は中途半端な立ち位置に感じました。
最も感動したのは外観です。丸みを帯びた美しいフォルムには心底惚れ込みました。人生で最も長い時間、見つめ続けた車はRX-7に違いありません。どの角度から見ても美しく、正面、斜め、横、後ろ、さらには上から見ても完璧で、その造形美は今まで見たどんな車よりも優れていると実感します。
私はノーマルの状態が最も美しいと思っていたので、セブンデイでフルカスタムしたRX-7を見たとき、「こんなに美しい車なのにもったいない」と思ったほどです。
私がRX-7を乗り出した頃、ちょうどR35型GT-Rが発売され、新車価格は770万円ほどでした。フェラーリやランボルギーニに匹敵するスペックだったので、無謀な改造をしている人たちを見て「普通に最初からGT-Rを買えば良いのに」と心のどこかで思っていました。
RX-7は現代の車とは異なる
RX-7に乗ってデートに使えば素敵だろうと思っていましたが、実際はデートにはあまり向いていません。とにかく乗り心地が悪く、車高が低いため、乗り降りが大変です。
さらに、ドアの閉まりが悪く、高級車のように軽く閉めることはできません。結構強くバタンと閉めなければならない上、内装がギシギシときしみます。また、ドリンクホルダーも装備されていないため、ツーディンの一部をドリンクホルダーとして使い、ペットボトルをかなり斜めに置かなければなりません。
幸いにもエアコンはよく効くので、暑さに悩まされることはありませんが、車内は細長い卵の中にいるような狭さで、横を向くことすら難しいホールド感があります。
何度か3人で乗ったことがありますが、後部座席は狭すぎて、小学1年生でも座るのが難しいほどです。後部座席は、ちょっとした手荷物を置く程度のスペースしかありません。特に私は身長が180cm以上あるため、後ろにはせいぜい猫が乗れる程度です。
また、現代のマセラティのように、頻繁に故障や消耗品の交換が必要で、修理に慣れる必要があります。
RX-7は伝説になってしまったのか?
「もう一度乗りたいか?」と聞かれたら、たぶん乗らないと思います。
年を重ねてからRX-7を買おうとしている方には申し訳ないのですが、私の持論として、RX-7は若いうちに乗っておくべき車だと思います。
10代から20代前半くらいの、何をしても楽しめる時期に、修理しながらワイワイ峠に行ったり、高速道路を走ったり、全国各地をドライブしたりする車です。また、不便ながら都会やディズニーランドに行くのもいいですね。
当時でさえ修理が多かったため、今からRX-7を購入するなら、車をすべてリフレッシュしてオーバーホールしない限り、快適に乗ることは難しいと思います。
状態の良い車両を600万円以上で購入し、樹脂パーツやホース、ハーネスなどの経年劣化部分を交換し、内装やガタツキも修理した場合、総額で1000万円以上かかるのではないでしょうか。
どうしてもRX-7への憧れが強く、他のことが考えられないなら、それでも良いかもしれませんが、30代以上の私たちには、走っているRX-7を外から眺めるくらいが丁度良いのではと思います。
また、変わったレンタカー屋さんでRX-7を貸し出しているところもあるので、そこで少し乗って満足するのが一番良いかもしれません。
現在は安全基準や環境規制があるため、当時の形状をそのまま再現するのは難しいでしょう。
特にリトラクタブルヘッドライトは突起物とみなされ、再現できないかもしれません。ただ、マツダがこの形状のパテントを保有しているので、現代の技術で基準を満たしながら、このデザインを再現してくれたら、間違いなく購入すると思いますし、世界中でも人気が出るのではないでしょうか。
そんなわけで、まとまりのない文章でしたが、私なりにRX-7に乗った感想についてはまとめてみました。