太陽光発電対応の「ZEH(集合住宅)」は本当に意味がある?電力発電の収益公開

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ZEH(集合住宅)をご存知ですか?

ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)は、再生可能エネルギーを活用し、住宅のエネルギー消費を抑える取り組みです。一般住宅のみならず、近年は集合住宅でもZEHの取り組みが進んでいます。特に集合住宅の場合、建物全体で効率的にエネルギーを管理するため、住民一人一人の光熱費を抑えつつ、環境への負荷を軽減することが可能です。

資源エネルギー庁 ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に関する情報公開
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/housing/index03.html

2025年から東京都では、新築住宅に太陽光発電の設置が義務化される見込みです。この制度により、大手住宅メーカーが手掛ける集合住宅でも太陽光パネルの設置が進むとされています 。これにより、ZEH集合住宅の数が今後ますます増加すると予想されます。

こうした背景のもと、2022年12月に環境確保条例を改正し、2025年4月から新築住宅等への太陽光発 電設備の設置や断熱・省エネ性能の確保等を義務付ける新たな制度を施行

政府の補助金によってZEH対応集合住宅が増えている

ZEH集合住宅の普及には、政府の補助金が大きな役割を果たしています。例えば、東京では太陽光発電システムを設置する際に、1戸あたり最大40万円、上限6億円の補助金が提供される場合があります。また、2024年には「再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)」の下で、電力会社に売電することで収益を得ることができ、太陽光発電システムのコスト回収が促進されます 。

一般社団法人 環境共創イニシアチブという団体が経済産業省と環境省共管のZEH支援補助金事業を委託されていますが、社員企業・団体には、電通、電通国際情報サービス、電通ライブ、電通ワークスなどの電通グループ各社、パーソルなどのITアウトソーシングや人材派遣各社が関与しています。

さらに、京都府など他の自治体でも、太陽光発電設備の導入を促進するための補助金制度や「ゼロ円ソーラープラットフォーム」などの支援が行われています。これにより、住民の初期負担が軽減され、ZEH集合住宅の導入が促進されています。

これらの団体や補助金、助成金に対する正当性に関しては触れませんが、官民一体でかなり強く推し進められていることがわかります。

実際に東京電力パワーグリッドと契約して売電してみました

実際に私がZEH対応の集合住宅に住んで、1年間の発電収益を計測しました。

1ヶ月あたりの平均収益は約1,979円でした、
電気代は月額7,000円〜13,000円かかりました。この数値から見ると、売電収益だけで電気代をまかなうことは難しく、電気代全体の一部しかカバーできない状況です 。

ただし、太陽光発電によって月の電気代が約2割程度安くなるため、長期的には光熱費の削減効果が期待できます。少なくとも部分的な負担軽減には繋がっているようです。

Youtubeでは太陽光発電に関する議論が

今回紹介する集合住宅用ソーラーパネルは、機種や発電方式が異なる可能性があるため、全体的な傾向としてしか参考にならないかもしれません。しかし、YouTubeではいくつかのソーラーパネル設置について紹介されている動画があります。

例えば、こちらの方は個人宅に太陽光発電を設置しているのですが、24年間で電力の買取価格が大幅に下落し、初期費用を回収することすら難しい実情を訴えています。

また、最終的にソーラーパネルは産業廃棄物になりますが、そのコストが考慮されていないことが多いようです。日本ではシリコン系太陽光パネルが主流ですが、多結晶シリコンやアルミ、銅などが含まれており、将来的に産業廃棄物として処理する際、予想以上に高額な処分費用がかかる可能性があると推測されています。

国産品のパネルは一部で買取してもらえる場合もありますが、処分時の環境負担が十分に考慮されていないこともあるため、総合的に見ると、ソーラーパネルが本当に環境に優しいかどうかは疑問が残ります。

また、別の方はパネルの発電量を屋外で実験しています。結果は以下の通りです。

•新品:21V 2.6A 55W
•13年後:21V 1.94A 42.68W

13年で発電効率が77.6%に低下したと報告しています。太陽の当たり方にムラがあるため、厳密なテストではないものの、こうした劣化の可能性は否定できません。

さらに、ソーラーパネル自体は長期間使用できるとされていますが、電気を回収するための設備であるパワーコンディショナー(パワコン)は、15年程度で交換が必要になることもあります。これは、直流電流を交流電流に変換し、電力供給を安定させるなどの複雑な制御を行っているためです。

太陽光発電対応の「ZEH(集合住宅)」は意味がある?

ZEH集合住宅や太陽光発電システムは、環境負荷の軽減や光熱費削減に有効ですが、その効果には限界があります。太陽光パネルの発電量は経年劣化により徐々に減少し、メンテナンス費用も10〜20年に一度発生します。また、FIT制度による売電価格は10年間保証されますが、その後の収益は電力会社との個別契約に依存します。YouTubeの例のように、電力の買取価格が急落する可能性もあります。

さらに、ソーラーパネルは永久に使用できるものではありません。発電装置が役割を終えた際、どのように廃棄されるかは今後重要な課題です。有害物質を含む材料が使用されている場合、それが一般廃棄物として処理できない可能性もあります。また、埼玉のクルド人解体業者のように、環境に配慮せずに廃棄物を山に不法投棄するケースが発生する懸念もあります。

このような問題が山積する中、官民一体で推進されている状況を踏まえ、有識者や政治家には、ソーラーパネルの運用が適切に行われているかを精査していただきたいものです。

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