スコットランドの田舎にある八百屋で撮った写真
今から10年ほど前のことですが、初めてイギリスを訪れたときに「なんて飲み物が美味しいんだ！」と感動した覚えがあります。朝食に出てくるオレンジジュースやグレープフルーツジュースは格別の味で、どのB&B（ベッド・アンド・ブレックファスト）に宿泊しても必ずサービスで付いてきました。
世間ではイギリスは飯がまずいといわれています。確かに料理のレパートリーは少なく、技術が低いかもしれませんが、優れた素材が多いのも事実です。チーズ、バター、牛乳などの乳製品や小麦粉は香りが良く、日本のそれとは比較にならないほどです。そしてフルーツジュースも濃縮還元だけではなく、ストレートのジュースが何種類も店に並んでいるのです。
現地ではコンビニ（M&S Simply Food）や小さいスーパーで入手できます。クランベリー、ラズベリー、ミックス系のジュースなど様々です。上の写真はロンドンのPlanet Organicというスーパーマーケットですが、ビタミンが添加された栄養ドリンクから、バラの香りがする砂糖不使用のローズウォーターまで多彩な飲み物が揃っているのが印象的でした。
写真はありませんが、M&Sで売っている100%ストレートジュースを飽きることなく何度も買って飲みました。絞ったままのレモンやオレンジが詰めてあるのは感動的です。
日本でもストレートジュースの取り扱いがありますが、なかでも私が一番気に入っているのが「トロピカーナ ピュアプレミアム」です。430円という価格はジュースとして考えると非常に高価に思えますが、500円で実現できる贅沢といえば迷わずにこれを選びます。ピュアプレミアムには720mlのパックに絞りたてのオレンジ果実7個分が入っていて、成分無調整のため香りも豊か、自然な味わいを楽しめるのです。
公式サイトのイメージ図を引用してみますが、ストレート果汁は収穫して搾汁したものをそのまま充填して出荷するようです。それと比べると濃縮還元果汁は加熱濃縮して日本に運搬、その後に水分を追加してから充填、出荷するようです。
多くの場合は加熱濃縮したときに失われる風味を再現するために香料や酸味料、砂糖などを添加します。このため濃縮還元果汁はフレッシュ感が失われやすいのですが、ストレート果汁の場合は、果物にかじりついたときのようなみずみずしさが残ったままです。
更に驚くことに、「トロピカーナ・ピュアプレミアム」は賞味期限がわずか23日間しかないのです。同社の濃縮還元ジュースである「トロピカーナ 100％ オレンジ」が未開封時の賞味期限が9ケ月であることを考えると、ピュアプレミアムがどれほど鮮度にこだわりがあるか想像に難くないでしょう。濃縮還元ジュースと比べて、430円のストレートジュースがいかに贅沢な飲み物か分かるはずです。
メーカーによって味の違いが大きい
今回は愛飲している「トロピカーナ・ピュアプレミアム」を紹介しましたが、フロリダ産やスペイン産など様々な産地のストレートジュースが流通していて、味わいが全く異なるので比較して好きな銘柄を見つけるのも楽しいです。
トロピカーナは以前はオレンジだけではなく、グレープフルーツもストレートで販売されていたのですが、残念ながら生産終了してしまいました。不人気のためか、安定供給ができないのか、採算が取れないためか理由は分かりませんが何らかの事情で取り扱いがなくなってしまいました。
このオレンジも販売店が少なく、今後どうなるか分からないので発見したら是非とも一度は試していただきたいです。
手に入らなければ自家製のオレンジジュースという方法も
どこにもストレートのオレンジジュースが売っていない！というのであれば、自家製のオレンジジュースもお勧めです。
ネーブルやオレンジなどを半分に切って、ステンレス・グレープフルーツ絞り機などに押し付けると果汁だけを搾り取れます。時間とコストが関係ないのであれば、グラス1杯のために3~4個剥いて絞っても良いのですが、面倒であればグラスに氷を敷き詰めて、果実を1個絞ったあとにシロップまたは少量の湯で溶かした砂糖を加えて、水で割ると簡易的なオレンジジュースができます。
加水して美味しいの？と思うかもしれませんが、搾りたてのオレンジを水で3倍に希釈しても、フレッシュ感や爽やかな酸味や甘みを楽しむことができ、不足する糖分だけを追加で補ってあげれば美味しく飲めると思います。
水の代わりにコンビニなどで売っている強炭酸水で割れば、カフェ風の爽やかオレンジ炭酸飲料ができます。自動販売機に並んでいるフランス国旗のオレ◯ジ◯ナに160円払うのであれば、300円でオレンジ果実と炭酸水を買って自作した方が満足度は高いはずです。5分ほどの手間は掛かりますが病みつきになります。試してみて下さいね。
