History and Myth
In the late 18th century, Severo Arango y Ferro arrived in Cartagena de Indias in Nueva Granada (present-day Colombia). He had plans to improve tax collection for Spain in the American Spanish colonies. His strong and powerful nature was quickly recognised and he was soon dubbed DICTADOR.
Then came the moment when he fell in love at first sight (and taste) – he discovered rum. His devotion and affection for the tropical elixir drove him to become a key trader of exotic sugar cane spirits, which at the time were considered a currency in the region.
歴史と神話
18世紀後半、セヴェロ・アランゴ・イフェロは現在のコロンビアである、カリブ海に面したカルタヘナ・デ・インディアス(Cartagena de Indias)に降り立ちました。彼はスペインの植民地であるアメリカの徴税をする目的がありましたが、その強力な性格から独裁者を意味するディクタドール(DICTADOR)と呼ばれました。
彼は現地で通貨とみなされていたラム酒と出会い、その味わいに一瞬で恋に落ちました。献身的な愛情によって、ラムの販売者になったのです。
そんな「新ザリガニ軒」ですが旅行の最終日には、打ち上げとしてトスカーナの民宿で譲って頂いた、Fattoria Dei Barbi Brunello di Montalcino(ファットリア・ディ・バルビ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ)という赤ワインを抜栓して、華やかな最後のディナーを楽しみました。
少食な人であればバルなどで食前酒を楽しむ「Aperitivo(アペリティーボ)」は利用せずに、そのままリストランテに向かうのが良いでしょう。ローマのバルでは鮮やかなスライスレモンの浮かんだオレンジ色のアペロール・スプリッツという食前酒を片手に、前菜の小皿を摘まむアペリティーボが一般的ですが、このアペロールが大きなワイングラスになみなみと注がれて、さらにはツマミも25cm以上の大きな皿にフィンガーとは言い難い、日本人の一食分ほどのサンドイッチやチップス、チーズなどが乗っています。
オリーブの実やナッツは、残った場合は他の人にリサイクル(?)するようですが、オレンジの美しい酒を飲みツマミを食べると、とてもじゃなく夕食は十分に食べることができなくなります。逆に言うとバルの軽食で済ませれるほどボリュームがある店も存在しています。
よほど大食いであれば問題はありませんが、そうでなければ直接リストランテに向かうのが良いはずです。
こちらはSECONDO PIATTO(セコンド・ピアット)のラム肉のグリルです。メインディッシュに相当します。
肉とブルネッロの赤ワインを楽しみ、デザートの後に「食後酒は何がいい?」と聞いたところ、この写真のディクタドールを勧めてくれたのです。厳密にはDICTADOR BEST OF 1978 – EXTREMO COLOMBIA RUMという名前です。
なぜリストランテや料理の説明を書いたかというと、このイントロ部分がなければラムの理解は難しいからです。
イタリアでの最高の思い出となり、帰国してディクタドールのラムを買ってみたという訳なのです。
私が買ったのはビンテージが9年若いDICTADOR BEST OF 1987 – EXTREMO COLOMBIA RUMというボトルです。このBEST OF.シリーズは様々な製造年からマスターブレンダーが選び抜き、ブレンドして出荷するものでカスク・リファレンス・ナンバーやバッチ、ロットナンバーなど詳細がひとつずつ手書きで残されています。
カスクナンバーにEX-SH628とあり、生産者がスペイン系ラムですので、もしかしたらシェリーの樽などを使っているのかもと海外サイトを検索してみました。Cask Ref:823-EX SH バッチ:72-232というシリーズでは「スコットランドの3番目のオロロソシェリー樽で7か月間完成した」と解説されているので、このボトルもシェリー樽なのかもしれません。