初めてワインを飲んだのが、2000年代の若かりし日。
「ボジョレー・ヌーヴォー」を買ったことに始まります。
田舎のコンビニでもお祝い感覚で数十本並ぶような時代で、「なんかオシャレ、楽しそう!」と思って購入しました。
「なんか酸っぱい……」
思えば、その程度の感想でした。
数日後、酒屋で「ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー」を勧められて、店主から「これは、ヴィラージュがつくから特別なボジョレーだよ」と甘い誘いを受け買うものの、今度は渋い。
よく通っていたカルディのくじで当たった、高級ワイン「カロン・セギュール」を飲んでも渋く感じて「ワインって難しいな」と遠ざかっていました。
数年後に、「何本かに1本香りが良いやつがある!」と気付き、静岡市のヴィノスやまざきに通いつめます。
ここで数十本、下手したら数年で100本近く購入したのですが、なかなか当たりワインには出会えませんでした。
隣のチーズショップで試食&試飲を繰り返し、アメリカの濃いワインにハマったりもしました。
今思えばワイン歴の大切な時間と資金を無駄にしたと思います。
直輸入のワインが全て悪いといは言いませんが、なぜフランスには、ボルドーとブルゴーニュという主要な産地があって、そこには厳格な格付けが定められ、収穫時期から畑に対しての収量、製造方法に至るまで厳しく法律で定めてあるのか。
残念ながら、格付けの高い、ボルドーとブルゴーニュワインは美味しいのです。
もちろん、アルザスやロワール、ローヌだろと美味しいものはありますし、割高なラングドック・ルーションを静岡で買おうと自由です。
数千本のワインを飲んだ今となっては結局、ボルドーの格付けワインは、ほぼ格付け順になっているということと、ボルドー1級ワインは全て偉大。2級はウマいのもある。3級はパルメがうまい。という事が分かり、インチキ1〜3千円のボルドーは無限地雷だということに気が付きました。
そして、ブルゴーニュワイン。
今はこっちの地雷原をやっていますが、同じように「グラン・クリュ」が一番偉大で、ACブルと立場がひっくり返ることは、あまりありません。
「良い生産者」と「良い畑」「良いビンテージ」そして「良い輸入元」と「保管方法」。基本的にコレで全て決定します。
若かりし頃は、「ワインが趣味ってカッコいい!」と思いましたが、そんなのは嘘で、ワインが分かれば分かるほど、一般人からは価値観が遠ざかっていき、金銭感覚も狂い。
「ワイン1本1万円はスタート価格だ!」とか思い。3万円出したワインがブショネだったり、傷んでいたりしても「まあある」とか言って、予備のボトルを明け続行。
ついに理想のワインに当たったかと思えば、「お、おお・・・」と、非合法○薬でトリップしているような状態で、一般人からすればドン引きです。
どこ趣味の世界も同じかもしれませんが、極めれば極めるほど修行僧のようになっていきます。
ワインの勉強をする→購入して体験する→自分の中で味わいや香りなどを整理する→購入して体験するの無限ループになります。
もうひとつ、これは個人差があるかもしれませんが、やればやるほど一般的なワインが飲めなくなってしまいます。
スーパーで売っているワインの中で飲めるものが減り、「この値段でコレはちょっと……」だとか、「樽香が強すぎる」だとか、普通に黙って飲めばいいのに気になってしまいます。
こうして、ワインが面倒くさくなり、一般人のカジュアルな場ではワインの氷を入れて飲んだり、ビールを飲んだりするようになります。
10年以上ワインをやって、上記のことが分かりました。