ペア130万円の英国ブックシェルフ型スピーカー『B&W新型805D4』の視聴と感想レビュー

一人暮らしの教科書

久々にオーディオ記事を更新してみます。「B&W 805D3 (PE) Prestige Editionを購入しました!感想レビュー」から早くも3年近く経ってしまいました。
初めてのB&W 685を購入したのは2008年なので、今から13年前になります。そこからPM1、802Diamond、805D3と熱心なB&W信者を続けています。

コレ人生の難しいところなのですが、18歳のときにオーディオショップの店員さんの好意で800 Diamondを試聴させてもらい鳥肌が止まりませんでした。32歳になって同じ機種を聞いても「ふーん、良い音じゃん」程度の感想しか出てこないということです。

本来は18歳の時に最高級スピーカーを使って、加齢と共に安いグレードに切り替える方が、精神的な感動や聴力に対して合理的なのですが、よほど裕福な家庭でないと難しいのが実状です。
すっかり30代になった今思うことは、若い10代で音楽が大好きであれば少し無理してでも本当に音の良く、気にいるスピーカーを見つけて10年〜20年使った方が良いのではと思います。とはいえ若いうちは料理やお酒、車にデート、旅行なんでも感動するので予算配分という問題もあり、なかなか人生うまくいかないですね。

『B&W新型805D4』の視聴と感想レビュー

コレは個人差があると思いますが、32歳になると聴覚が劇的に落ちます。なぜ18歳のときの話をしたかというと、当時わたしは遠くに走っている電車がレール上でブレーキする音が嫌で耳を塞ぐことがありました。非常に高い音まで感知できて、モスキート音と呼ばれる高い周波数まで明確に聞き取ることができました。

このサイトで実際に自身の聞こえ年齢チェックができます。
新幹線のホームでは車両が通過するときに、様々な高音域・超高温が騒音として発生しています。10代の時はこれが苦手で、ヘッドホンをつけて音を遮断したり耳を手で覆うこともありました。30歳くらいからは、あまり気にならなくなり高い音で頭痛を起こすことがめっきり減りました。
このことは逆にいうと聴力が低下していることの裏付けです。嗅覚も同じように、25歳くらいまでは渋谷駅の全体を覆うドブ臭さにゲロが出そうでしたが、加齢と共に地下鉄の乗り場で「オエッ」とする事が減り、マスクをしているというのもありますが最新は駅臭いな〜と思うことが少ないです。

ですので、ちょっと聴力の落ちた32歳のレビューとして聞いてください。
B&W新型805 D4は、805 D3と比べてデザインが新しくなっています。805 DiamondとD3までのフロントのシャープな角が無くなり、完全な丸みの連続による設計になっています。下の写真は805 D3 PEです。

この新しい805 D4は表面の仕上げが何種類かありますが、ホワイトにいたってはサテンホワイトという光沢の無いモデルになっています。実物を見ると衝撃的で、今までのB&Wには存在しなかった色合いです。
なんというか、Campusのノートの紙のようなテクスチャで、触るとしっとりしています。

上部のツィーター(B&W名物のちょんまげ)は巨大化して、ステンレス製であることを強調しています。デザイン的な意図ですが、100万円以上するプロダクトとしてヘアライン仕上げはどうなの?って思います。
丸みを帯びたちょんまげデザインとスピーカーキャビネット上部の丸さとの融合は美しいのですが、ステンの仕上げについては、オタク受けしそうなヘアライン仕上げでした。とはいっても鏡面にしたり、曇りにすると、それはそれで全体になじまないので仕方ないことかもしれません。

気になる音質ですが、805 D3 PEと比較するとミドルの音域がねっとり粘るように感じます。界隈では解像度なんて呼ぶそうですが、音の立体感や臨場感は805 D3を引き続き継承したような感覚ですが、粘り気の強いもっちりした音質です。

805Sから805 Diamondにモデルチェンジしたとき、若かったというのもありますが「何だこりゃああ!!」と衝撃を受け、その透明感と圧倒的な立体感にコシを抜かしました。805 DiamondからD3に変更されたときは、「コレは凄い!!まだ進化するんだ〜」程度に驚きました。
今回、数年ぶりに800シリーズの試聴をして「あ〜こういう方向性にしたんだ〜」と試聴して思いました。

これパソコンの進化と同じように、これ以上音質を良くするのって難しいのでは?と思ってしまいます。D3にモデルチェンジしたときにも約40年間採用していたケブラーコーンを「コンティニュアムコーン」に変更して衝撃を受けました。モデルチェンジで使用する部品を868点新しくしたという宣伝もパンフレットに載っていました。それだけ熱意を持って作られたD3から一新した訳ですが、進化の限界を感じます。
ほんの10分程度しか試聴していないので、しっかり数年単位で試聴しないと真価を判断できないのですが、805Sを70点だとすればDiamondが100点、D3PEが125点、D4が135点みたいな、ジワジワ成長しているのですが既存のオーナーが慌てて買い換えるほどではないかなと思います。

予算に余裕があれば、新製品を導入してじっくり自室で判断するのが良いですが、バンバン買い換える体力がないのであればDiamond以降のオーナーは慌てなくてもよいです。

B&Wの600シリーズ、700シリーズの所有者が乗り換えるというのであれば大変お勧めできるスピーカーです。

B&W 804 D4の気になる価格

ヨドバシカメラでは1本561,000円です!ペアで1,122,000円です。
「え?昔の805 Diamondペアで60万円だったじゃん?」って英国製スピーカーの値段が上がったのか、日本円の価値が下がったのかどちらかですね……。

専用スタンドのFS805D4/Bが169,400円です。

ヨドバシカメラの小技があり約112万円でスピーカーを買って、ポイントが5万6100円相当還元されます。
それで専用スタンドを買えば、総額が約123万円に!!
ん〜 805D3 PEの買った時は消費税8%だったというのもあって、スタンド入れても100万超えなかったような気がするのだけど。楽天市場で調べたら3年経っても購入価格とほぼ同じ値段で販売されていたので、805 D4も今買っても値段はあまり落ちないと思います。

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