スピーカーの簡易セッティング方法

一人暮らしの教科書

部屋の模様替えをして、急激にスピーカーの音が悪くなって驚きました!
しばしば「スピーカーのセッティングが重要」とオーディオオタクが唱えているのですが、実際に置く場所によって全然音が異なります。一般家庭でどんなセッティングが良いのか紹介してみます。

背面に石膏ボードはNG

下の写真のように壁にぴったりつけてスピーカーを設置すると、低温が反響してこもった音になってしまいます。木造でも重量鉄鋼でも鉄筋コンクリートでもNGです。
背面に吸音材や集音材パネルを設置するのであれば問題はありませんが、普通の壁にベタベタにして置くのは音質の劣化につながります。

ガラス+遮光カーテンは意外に問題ない?

最も良い環境は、窓がなく背面には吸音パネル、左右には音響を操作できるパネルを設置することです。
コンサートホールや映画館では音の流れが計算されています。一部の熱心なオーディオマニアは窓のない部屋でストイックに設置していますが、普通の部屋ではそうはいきません。

試しに上記のB&W 805D3PEを高さ2.3m 横5mの窓の前にセッティングしてみました。
鉄筋コンクリート造のマンションで重歩行対応のタイルカーペットと、遮光カーテンと家具が複数ある環境です。
慣らしてみると思ったより残響が少なく、心地の良い艷やかな音が鳴り響きます。

鉄筋鉄骨コンクリート造+遮音フローリングは効果的!

マンション選びの際に、RC造=鉄筋コンクリートとSRC造=鉄筋鉄骨コンクリート造で悩むと思います。
RCとSRCはあまり差がありませんよ!と営業マンに説明されるかもしれませんが大違い。鉄骨の生むやコンクリートの厚み、更には防音の対策がマンションによって全くことなります。

とあるゴルフ場も運営している会社のマンションは、賃貸専門にも関わらず高級マンションと同等の建材を使用していてSRC造りで防音フローリングが標準装備になっています。普通の賃貸マンションは鉄筋コンクリート造でも建材や工法がコストダウンしてあり、歩行音が目立ち床に共鳴してしまいます。

本当に優れた遮音のマンションであれば、大人の男性がジャンプしてカカトから着地しても全く床の反響がありません。逆に遮音性能をコストカットしてあるマンションの場合は、少し速歩きするだけで歩行音がドン!ドン!と床に響いてしまいます。

前者の遮音性能の高いマンションは、置敷きの総絨毯やタイルカーペットを敷き詰めることによって吸音効果を得られるのでスピーカー本来の音を楽しむことができます。

物件を選べない場合は、大きなソファーと厚手のカーペット、カーテンで対応

建物を選ぶのが難しい場合は、ファブリック製のソファーをスピーカーの前に設置して、厚手の遮光カーテンとレースカーテン、床には毛足の長いパルプのカーペットを敷き詰めることで劇的に改善します。
家庭のセッティングはリスニングポジションや、角度など技術的な面に着目されがちです。もちろんスピーカーの左右の距離やリスニングポジションは大切です。
ですがそれよりも部屋が箱鳴りしてしまわないように対策する方が良い音への近道というわけです。

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