東京に引っ越してから食事やお店など新しい経験が多いのですが、一眼レフカメラを持って出かける事が極端に減りました。
車移動が主体の田舎暮らしと違って、東京では徒歩やタクシー移動が多く、いつ撮りたいか分からない重たいカメラやレンズを持ち歩くのが億劫になります。写真を趣味にしている人でも、普段はコンパクトデジタルカメラやミラーレス、酷いと私のようにアイフォンしか持ち歩かないなんて人も多いはずです。
もう一つの理由は撮影対象が限られるという事です。
どこに行っても似たり寄ったりの景色(ビル)で、沢山の人と建造物しかありません。もしくは誰かに用意された撮影スポットです。
「ハイ!ここで撮って下さいね〜!」とセッティングされた場所で撮るほどつまらないことはありません。二十歳の男の子なら、夜の裏路地に入ってモノクロ写真を撮るのも良いですが、それも似たり寄ったりで面白みに掛けます。
ちょっと撮影しようと公園に来ても、こちらも作られて管理された場所なので、「撮りたい!」と思うシチュエーションが中々ありません。
都会ではビルや人物、室内を主体に撮影を楽しむ他にないようです。
価格コムの30万円近くする高級レンズのレビューで、公園の寄せ植えパンジーを作例にしている人がいましたが、引っ越して理由が分かりました。
田舎に住んでいた時(仲の良い)隣の家にボロい椅子が落ちていて、バイオリンを置いて撮影しただけなのに、映画のような雰囲気の写真が撮れました。
森や山や海などの自然だと、四季や気候、時間の変化をとても受けやすく一日の中でも大きく表情を変えます。
例えば下の富士山の写真はなんの変哲の無い、ポストカードのような写真です。
まあ一般的に綺麗と言えます。
別の日はこんな風景に変化します。
大きな笠雲に覆われて、夕焼けが差し込みとても威厳のある姿です。
富士山とは一見にして分からないほどです。
ではまた別の日の富士山の写真を
これは秋の日没後すぐに撮影したもので、夕焼けがわずかに残って背後の雲を照らしているのに、空は夜を迎えて暗く、雲の隙間から差し込んだ月明かりが山頂を照らしています。
目で見ると、真っ暗に近いのですが、シャッタースピードを遅くすることで幻想的な写真を撮る事ができます。
何も「富士山を撮れ」と言っている訳でなく、無機質なビル群と比べて、自然は表情が豊かであるという事です。人も少ないので、じっくり写真を撮れますし、用意された撮影スポットは無いので「どこで撮ろうか!?」というのを半径10キロ、20キロ圏内で考えたりと、探す途中から楽しいのです。
この写真は牧場の動物ですが、森の中で野生の鹿に会えるような場所もあるので、ナショナルジオグラフィックの気分で望遠レンズを持ち歩くのも楽しいです。
山だけでなく、海+月などの撮影もお勧めです。海岸で漁船を背景にしたり、下の写真のように月明かりと、通りがかった車のヘッドライトだけで撮るのも中々やりがいがあります。背景の海が明るくなってるのは満月で撮ったからです。バイクや人物でも良さそうです。
という訳で「最近は撮影がつまらないなぁ〜」と感じたり、今から写真撮影を趣味にするのであれば田舎で今まで誰も撮ったことのないような写真にチャレンジするのも楽しいですよ!