ラダーズとは、ハシゴと架け橋を合わせて造語らしく、マスターブレンダーの山田智子氏がブレンドをする今、日本で注目されている紅茶ブランドです。
“LADDER(ラダー)は梯子。このネーミングに私たちは「つなぐ」「架け橋」という意味合いを込めました。紅茶を通して世界をつなぎ、たくさんの幸せを運ぶ架け橋になれればと考えています。”(公式HPより抜粋)
プレゼントで頂いたので、今回は試飲してレビューしてみたいと思います。
リーフはオレンジペコで、丁寧に摘採されたもので形も揃っていて茎など混じりものもありません。
揉捻は日本特有の形で、軽発酵茶でしばし見かける撚りが立体的なものです。
沸騰したてのお湯(約98度)で5分間で抽出してみました。かなり葉の開きが遅く、じっくりと色が付きます。
オレンジペコと言っても、台湾茶のように葉っぱがまるごと開くような状態です。
2~3分だととても開ききらないので、じっくり待ってポットをぐるりと回すようにして抽出するのが良さそうです。
抽出後の茶葉をじっくり嗅いでみますが、(ウンカが噛んでいるかは分かりませんが)マスカテルフレーバーのような果実の香りが僅かに残ります。
茶殻だけでも良質であることを確信できるほどです。
さっそくティーカップで頂いたのですが、初めに飲んだキーワードは「優しさ、暖かさ。」
このラダーズ・テロワールブレンド「沖縄」は柔らかさを、それも田舎にある少し広い日本家屋の居間のような。
隅々まで丁寧に使われた古民家のようなニュアンスを感じます。
私は高級なダージリンが好きで、キャッスルトンやオカイティ、ジュンパナなど飲み比べていますが、それらにはない優しさと奥ゆかしさを持っています。
この紅茶であれば、例え風邪っぽい疲れている夜でも、ほっと一息付けるような優しさがあります。
前者のダージリンは体調が良い時であれば、強い香りと薔薇のような鮮やかさを楽しめますが、疲れている時にはとても飲めたものじゃありません。
それで居て雑味が全く無く、発酵の萎凋臭もクリーンに仕上がっています。
舌触りはまろやかで、ボディには厚みがあり、とても”和紅茶”と呼べない程に美しい存在です。
冷めてくると、香りが一気に変化して、まるでヴァン・ムスー、それもクレマン・ド・ロワールのようなスパークリングワインの芳醇さが広がってきます。
小さな粒の甘酸っぱいような香りが立ち上がってきて、うっとりとしてしまいます。あまり熱々で全て飲みきってしまうよりも、時間をかけてゆっくりと飲むのが良いかもしれません。
私にとっての沖縄は鮮やかな南国で、青い海が記憶に残っていますが、
この紅茶を飲むと内田智子氏の記憶の「沖縄」を体験する事ができます。
そしてそれを伝える事ができる程の力を持つ紅茶です。
少々価格が高価なのが難点ですが、貴重な経験になるのは間違いないです。
また海外の紅茶好きな人にプレゼントするのにもぴったりです。
ちなみに味は落ちますが、2煎目も飲めるので、4分程度抽出して冷茶にして飲むのもお勧めです。
内田智子の記憶のオキナワは、「広がりのある香りが畑のある土地の景観、風、紅茶の木の細部までも感じさせる。和服をきちんと着て居住まいを正した麗人のイメージ」。オレンジピール、はちみつ、スコッチウィスキーなどの香りに鉄分とヨードの風味が交じる。口の中では丸く、粘性があり、喉の奥に心地よいタンニンを残して、暖かい余韻が鼻に抜ける。目を閉じれば、秋のひとけがまばらになった海の暮色がまぶたに浮かぶ。ミルクを加えるとキャラメルのような人懐っこいトーンが顔を出す。(公式HPより抜粋)
http://ladders-tea.com/product_01/
参考価格 15g ¥2,800(税別)
公式ショップ https://shop.ladders-tea.com/
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