マカロン食べ比べ♪ ピエール・エルメ&サダハル・アオキ

料理

ピエール・エルメとサダハル・アオキのマカロン食べ比べ!

スイーツ界隈では有名な2つのブランド。近所の百貨店で期間限定で販売されていたので、ついつい買ってみました。
どっちのマカロンが美味しいのか?
お茶マニアとイタリアファッションマニアの2人で食べ比べしてみました。

パティスリー界のピカソとさえ呼ばれるピエール・エルメは、24歳にしてのフォションのシェフになり、芸術性の高いパティシエを目指しました。
日本のフォションでは紅茶やジャム、輸入加工食品を中心に販売していますが、本場フランスのフォションでは、エクレアなどのスイーツがとても有名です。
その後、ラデュレでの副社長を経て”ピエール・エルメ”を設立、ブランド展開しています。

一方のパティスリー・サダハル・アオキは名古屋出身でフランスで修行、その後そのままショップ展開、現地の百貨店やANAのファーストクラスでさえ採用されるようになりました。日本人パティシエでは最も有名人の一人です。

今回の百貨店特設売り場ではラデュレが無かったので、この2つのブランドになりましたが、どちらも都内では有名すぎるブランドです。
初めての有名マカロンですが辛口で行ってみたいと思います。

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マカロンのブランドバッグ(手提げ袋)は

ブランドバッグは、サダハル・アオキはツヤツヤのいかにも高級な化粧品の入っていそうなバッグです。
結構コンパクトで、中の化粧箱を縦にしないと入らない感じです。
持ち歩くにはとても便利です。ピエール・エルメのバッグが遊び心のある、穴の空いたもので、ブランドのロゴなどは印刷されていません。

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外箱は、サダハル・アオキはシンプルな四角形に鮮やかなカラーリングが施されています。ピエール・エルメの箱は、ニコラ・ビュフとタイアップしていて、「大空の塔」をイメージしたイラストが大胆に描かれています。
ホワイトデーに合わせたハートが塔の上にあり、可愛いらしいパッケージです。

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パッケージの雰囲気は真逆の印象

情熱的で真っ赤のパッケージのエルメと対称的にサダハル・アオキの箱はシンプルでモノトーンです。
どちらも良いのですが、一列にする、二列にするでも違いがあります。

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マカロンの外見と色合いの違い

ピエール・エルメはラトゥール(マカロン6個詰め合わせ)という商品で、ハート形状のクール・アンフィニマン ローズ、アンフィニマンシトロン、ヤサミン、フランボワーズピスターシュというセットになっています。
サダハル・アオキはショコラ、シトロン、キャラメル、カシス、ほうじ茶(モナカ)

ピエール・エルメの方が鮮やかな発色になっています。
またボコボコしているので、表面の仕上がりはサダハル・アオキの方が滑らかですね。

ここからは気になる味のレビューをしたいと思います。

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上の写真はサダハル・アオキのマカロン。
恐らくほうじ茶であろう仕上がりはモナカのような和風な味わいです。重厚感があり濃厚で重い。
他のマカロンも香りの広がりが弱い。そして超和風。挟まれているガナッシュもロイズの生チョコのようで激重い。

とにかくどのマカロンも甘みが強くボリュームがあり、どっしりとした”洋菓子”ニュアンスが前面に出ています。
素材が良いのは分かるのですが、味が単調で香りは弱いです。

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ピエール・エルメのマカロンは、外見だけでなく味わいもまた感性に訴えかけるものです。
柔らかい表面をひとくち噛んだだけで、鼻の奥にシトラスやフルーツの香りが広がって、余韻が長く続きます。
まさにフォションのフレーバードティーの如く、揺れ動く香りの変化を体験できます。

重厚で硬いサダハル・アオキと比べると、中はサクサクで軽く、崩れ落ちてしまいそうなほど。このバランス感は素晴らしく、紅茶にもぴったりです。
今回はフランスのマリアージュ・フレール ボレロに併せて楽しみましたが、ノンフレーバードティよりも香りの強い紅茶に、わざとマカロンを合わせると、1つずつ味や香りが異なるのを口の中を一度リフレッシュできます。
自然な香料によるフレーバードは、余韻こそ長いですが、他の香りを邪魔するものではありません。

ピエール・エルメはクリームも軽快で甘みの弱いもので、香りを中心として作られています。
昔ながらのお菓子に食べ慣れている年配の人には、サダハル・アオキの方がお勧めですが、官能的な香りを楽しみたいのであればピエール・エルメがお勧めです。

小さいパティスリーだからこそ再現できることも…。

どちらもブランドもレシピや(場合によっては本人の)指導によって作られていますが、いわばライセンスの大量生産です。

静岡にパティスリー ル テニエ という小さなケーキ屋さんがありますが、ここのパティシエはピエール・エルメとラデュレで修行したこともある、在日フランス人の男性です。
正直な感想を言うと、ルテニエのマカロンは、ピエール・エルメやサダハル・アオキの(大量生産された)マカロンよりも芸術的な味わいです。香りや味の繊細さが異なります。

何故優れているかと言うと、お店が小さいからかパティシエ本人が全てのスイーツを作っているんです。
いかに素晴らしいブランドでも、本人が作っていない時点で、素材や気温、その日のコンディションに合わせて繊細な作業を行うことができません。
ところが小さなパティスリーだと、最も感性が優れ経験が長い本人が直接マカロナージュをしてオーブンのシートに絞っている訳です。オーブンや調理器具の特性なども熟知しています。

そうした細かい部分の積み重ねが、有名パティスリーの大量生産品よりも素晴らしいものを生み出すこともあるのです。

ですので、今回特集した2つのブランドは素晴らしいですが、ブランドだけにとらわれずに小さなパティシエでもどこでも色々なお店を試してみるのがお勧めです。

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