GAiOLA ガイオラとは?
昨今のイタリアクラシコ、特にアンコンジャケットのブームに押されてイタリアには新進気鋭のサルトリアブランドが多数生まれています。その中でも、2010年に生まれてその本格的な仕立てで人気を博しているのが、De Petrillo ディペトリッロ氏がスタートしたナポリのブランド、GAiOLAです。
ジャケット一着10万円付近というマシンメイドジャケットのボリュームゾーンにあるこのブランドは、有名で人気なブランドであるボリオリやラルディーニに比べても遜色の無いアイテムを作らなければ生き残っていけない。
現在はDe Petrillo Sartoria Napoletana と名前を変えたこのガイオラというブランドですが、実はお洒落な人たちの中では結構人気のあるブランドで、ボリオリやラルディーニよりも良い!という人も少なくありません。
今回はその理由、ガイオラの魅力を紹介していきます。
ガイオラの本格的で安定した品質
そもそもこのジャケット1着10万円付近のマシンメイドブランドというのは、少し危ういものがあります。それは別注元のセレクトショップや百貨店などによって品質がまるっきり異なり、雑誌では良いと書かれているのに、実際に買ってみたら国産の5万円のジャケットの方がよっぽど良かった!なんていうことがざらにあるからです。
例えばアンコンの第一人者とも言えるLARDINI ラルディーニのジャケットを見てみましょう。まずは新宿伊勢丹のメンズ館です。上質な生地を用いて、しっかりと仕立てられているアイテムが多いことに気づきます。そのあとドレスアイテムの扱いがある、若者向けのセレクトショップに行ってみましょう。AMFステッチさえ省略され、ポリエステルの生地を使い、ジャケットが丸ミシン縫いとでも言えるようなずいぶんな仕様になっているのを見つけるでしょう。
しかしGAiOLAのジャケットは総じてクオリティが高く、品質にこだわりを持って作られているのが魅力の一つです。常に本格的な仕立てを心がけており、それは今回の写真の超薄手のサマーウール一枚仕立てのジャケットでも変わりありません。むしろ角の立った洗練された仕立てにナポリ仕立ての面影を感じるくらいですね。
これが品質の違いが分かる人たちに、ガイオラが高く評価されている理由の一つです。
面白さと伝統の融合
そしてもう一つ注目したいのは、ガイオラがボリオリやエルネストなどの実験的な内容が多いブランドに比べればオーセンティックなクラシコに近い仕立てでありながら、ベルベストやカルーゾといったブランドはあまりやらないような現代的なシルエット、挑戦的なシルエット、面白い生地などを積極的に採用していることですね。
今回のダブルブレスレットのジャケットもそうです。かなり幅広でゴージラインの高いラペルはまるで古き時代の仕立てですが、軽やかな生地と一枚仕立ての柔らかさ、そして現代的な着丈のバランスによって新しい時代のダブルブレスレットのなっています。
このように、ガイオラのジャケットはただ流行を追っているのではなく、どことなくクラシコを感じさせながらも新しさを感じさせるものが多いです。基本的にナロー&タイトで定番のウォッシュド生地ジャケット的なものを作っているマシンメイドブランドに比べると、少しコアで買いにくい印象もあるかもしれませんが、やはりお洒落な人たちはこういった絶妙なバランス感を求めている。
ガイオラの人気の秘訣はこういうところにもありそうです。
ガイオラのジャケットはおすすめ?
今はディペトリロという名前で展開されているGAiOLAのジャケットですが、ボリオリやラルディーニを買うよりもずいぶんとおすすめなものが多い。
もちろんそれでもやはりアイテムごとで微妙な品質の良し悪しはありますから素材の良さなどでしっかりと判断していただきたいところですが、他のマシンメイドジャケットよりもお洒落で長く着られるものが多いのではないでしょうか。
値段帯こそこのぐらいですが、ジャンルとしてはイザイアやベルベストのJACKET IN THE BOXなどを感じさせるクラス感と安定感があります。
ぜひチェックしてみてくださいね!