ハイブリッドとは異なる、完全なEV(電気自動車)がBMWからリリースされました。
今回、編集部ではi3の試乗を行う機会がありましたので試乗レポートをお届けしたいと思います。
BMW i.とは、既存のBMWラインナップとは全く異なる新しいシリーズです。
モーターによる駆動を主として次世代のエコカーを実現化したと言えます。
プリウスを代表とする従来の”ハイブリッドカー”はガソリンエンジンが動力の中心となり、それをサポートするようにモーターによる充電を行い、低速など必要に応じてモーターで加速するという方式でした。
ですが、このi3を動かすのはガソリンエンジンではなく、モーターになります。
完全なる電気自動車としてBMWが発売する最初の車と言えます。
徹底して行われる軽量化と、実用性を持った駆動能力など国産のEVとは異なったコンセプトのもと発売された”車の枠”を超えたプロダクトと表現できます。
カーボン・ファイバー強化樹脂(CFRP)製のパッセンジャー・セルを市販車で初採用をしたという点でも、最も新しいエコカーと言えます。
スポーツカーに興味がある方であれば既にカーボンファイバー製がどういった物か理解している人も居ると思いますが、カーボンファイバーというのは加工が難しく、製造には高いコストが必要になります。
性能はとても高く、軽量で耐久性があるため航空機の部品としても使用されています。
身近なモノで言えば、釣り竿やカメラの三脚、ファッションでもサングラスのフレームや、ゼロ・ハリバートンのアタッシュケースなどにも用いられています。
i3は一見普通のコンパクトカーでありながら、最新の技術を詰め込んだ最高のパフォーマンスを見せるEVです。
i3の”電源”はこのハンドルの右のボタン。
このスタート&ストップボタンを押すことによってシステムを始動できます。
ここからパーキングやニュートラル、ドライブ、バックギアを選択します。
始動方法や操作性も新しく、今までのBMWオーナーでさえも戸惑う程全てが一新されています。
ハンドルもi3専用のブルーのラインが入った物となっています。
既存のBMWオーナーであれば、ドアとダッシュボードの素材が普通ではないことに直ぐに気がつくはずです。
これには紙のパルプのような天然繊維を使用しているため、まるで未塗装のFRP樹脂の様な仕上がりとなっています。
このi3に対して、ダコタレザーでないの?と聞くのはナンセンスです。
全ては”軽量”を目的として設計されているために、重量のかさむ革素材は最小限に抑えられています。
ハンドルの奥にあるのはフル液晶のモニターで、今までのようなアナログメーターはありません。
速度など必要な情報は全てこのモニターに映しだされます。
センターコンソール上部にあるモニターには、既存のiドライブが埋め込まれており、そこで充電状況を把握する事ができます。
助手席と運転席の間には、iドライブのコントローラーがあります。
ここで、エコモード・コンフォートモードなどを選択できるようになっています。
EVでありながら、ナビゲーションやオーディオもしっかりと付属しています。
i3の走行性能
試乗するまでは、BMW 116iの延長線上というか、またそれよりも加速の遅い”エコカー”をイメージしていました。
ハンドルを握り、専用コースに出ると「こんなものかな?」というフィーリングです。
確かに遅くはなく、アクセルの開閉にともないレスポンス良く車体を後輪が蹴り上げます。
最近の国産コンパクトカーのような「少し出だしの早いコンパクトカー」という印象を受けました。
ですが、長い直線でアクセルを一気に開けると、今までにない挙動で瞬く間に80キロ程度まで加速します。
完全に電気自動車の特性で、最大トルクが初めから出るモーターの加速です。
全く今までの車とは加速感が異なります。プリウスを何度か乗ったことがありますが、それとも全く異なった加速です。
一番似ているものでいえば、スズキのGSX-1400です。一切の車重を感じさせずに、一定の加速をするというのは今までの車では体験した事がありません。
編集部には400馬力の8気筒の車と、300馬力の6気筒ターボの2台がありますが、そういったハイパワー車とも異なる加速をします。
以前は個人的にRX-7のFD3Sを所有しており、しばし評論家に「モーターのような加速」と言われていましたが、このi3はRX-7以上の加速感を得ることができます。
0-100km/hのタイムというのは、7.2秒で格別スポーツカーとくらべて早いというものではありませんが、筆者にとっては大型バイクやスポーツカーよりも感動的な加速感でした。
今回の試乗はごく小さなコースで、コーナー性能などは試すことができませんでしたが、最も新しく、最も面白い車の一台であることには代わりがありません。
気になるi3の価格
このi3、試乗して降りた瞬間に「欲しい!」と思いました。
家に一台あればとても便利に違いない、と確信できるような感動でした。
ただ価格が高いのです。それも、かなり…。
New i3 4,990,000円
New i3 レンジエクステンダー搭載 5,460,000円
なんと、1台500万円です。
F30の新型320iがベースグレードで4,770,000円になるので、いかに高価か分かります。
レンジエクステンダーであれば、プラス70万円で新型のM235iクーペが購入できます。
i3はフル電気自動車ですが、このレンジエクステンダーというのは”発電用”としてガソリンエンジンを搭載しているモデルです。
これにより走行距離を160kmから300kmまで伸ばす事ができます。
確かに高価なのですが、今までで全く見たことのない新しいモデルを発売するというのには大きな意味があります。
どの市販車であっても鋼鈑やアルミなどの軽合金製で出来たシャーシを、カーボンファイバー製にしたというのにはコストを考えずに、次世代を担うモデルという意味を強く反映していると言えます。
携帯電話やノートパソコンなども、初期の頃は信じられないほどに高価でした。ですが、それらの黎明期があったからこそ今安価な価格で誰しもが手にできるわけです。
その一番難しい新技術をBMWが率先して切り開くというのが、メルセデスやアウディと異なった”新しい事にチャレンジする”メーカーと言えます。
このi3を追って国内外のメーカーがEVに参入しだせば、どんどん車両の価格も下がっていくと思います。
ですので、新しい時代の幕開けをいち早く楽しみたいのであれば、あえて”BMW EV初代”となるi3は、価値のある一台といえるはずです。
i3の販売店とメンテナンス
今回、車両をお貸し頂いた「サンセイBMW」は静岡県内で展開しているBMW正規ディーラーです。
サンセイBMWの特徴は、誠実性とアフターケアの手厚いサポートです。
見積もりから購入に至るまで、とても丁寧な対応で安心してBMWの購入ができます。
BMW i3は新しい車両で、正規ディーラーでしか販売していませんが、特にアフターサポートに強いサンセイBMWは、新車を考えている人に強くオススメできます。
もちろん1シリーズから7シリーズまで、フルラインナップで豊富な試乗車や展示車もあります。
静岡県内にあるBMWディーラーですが、実は都心からも近く東京からであれば「富士店」まで1時間~1時30分程度。
「静岡店」であれば、名古屋から1時間30分~2時間程度で訪ねる事ができます。
もちろん全国納車が可能なので、一度電話で相談してみて下さい。
静岡営業所 [BMW i 販売店]
〒422-8051 静岡県静岡市駿河区中野新田175-1
TEL:054-284-1351 営業担当:重岡(シゲオカ)
営業時間:9:00~18:00 9:00~18:00(日曜日・祝日)
定休日:新車ショールーム 月曜日 サービス 月曜日
ぜひ静岡営業所の営業担当シゲオカさんまで相談してみて下さい。
見積もりだけでもOKです。こちらの記事を読んだ事を伝えていただければ、スムーズに商談ができると思います。
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