DALI EPICON2
“Musical Emotion” 音楽の豊かな感情を標榜するデンマークのメーカーです。
まずひと際目を引くのがウォールナットの鮮やかな木目。
これはギターなど生楽器ファンもうならせる素晴らしくダイナミックな木目です。
テーマは「Crystal Clear Sound」直訳すると、「クリスタルのような透明度を持った音」という意味でしょうか・・・。意訳すると「非常に明瞭な音」という意味です。
さて聴いてみるとこちらは透明感のある音というのもありますが、それよりも生き生きとした聴いていて楽しくなるようなサウンドという印象がとても強かったです。
例えば先ほどから例に出しているヴァイオリンの曲で比較してみます。
B&Wではヴァイオリンの音が高貴で美しかったのに対し、こちらDALIのEPICON2ではまるでアイリッシュのフィドルを聴いているかのように親しみやすく、踊り跳ねるような音になっています。
伴奏のギターやチェロの音もパーカッシヴでリズムが際立ちます。
具体的には5-8kHzの音域がしっかりと再現され、分解されているために弦の鳴りやスタッカートのキレの良さが印象的です。
聴いていて本当に楽しくなるスピーカーです。
“Musical Emotion” 音楽の豊かな感情(公式ページ)あるいは音楽的な喜怒哀楽とでも訳しましょうか、そのメーカーの思いが本当にうまく製品化されていると思います。聴いていて心の踊るような、親しみがわくようなスピーカーです。
DALI|EPICON2 – D&M Import Audio
主な仕様
構成 :2way
周波数特性(+/-3dB):47Hz~30.0kHz
クロスオーバー周波数:3,100Hz
入力感度(2.83V@1m):87.0dB
インピーダンス:4Ω
推奨アンプ出力:30~200W
ユニット構成
ツイーター:29mmソフトドーム×1
ウーハー:165mm×1
エンクロージャータイプ:バスレフ(背面×1)
バスレフチューニング周波数:43.0Hz
ターミナル:バイ・ワイヤー/バイ・アンプ対応
防磁対応:×
外形寸法(H×W×D):386mm×214mm×366mm
質量:10.3kg
Dynaudio focus160
dynaudioもまたDALIと同じデンマークのメーカーによるハイエンドオーディオです。
正直なところそれほど特徴的な音とは思いませんでしたが、2kHzあたりがくっきりとしていてメリハリのあるになっています。
よくまろやかな中高音域とも評価されますが、今回聴き比べた中でははっきりとした音のスピーカーだと筆者は感じました。
低音の量は少なめで、全体的には細かい音の再現が得意でその代わりインパクトには欠ける感じです。
もっと静かな環境で、Shureの535同様に音のひとつひとつに注目していけば良さがさらにわかっていくのだと思います。
デザインはオーソドックスなブックシェルフの形式をしており、コンサバがお好きであれば気に入られると思います。
Focus 160 | DYNAUDIO JAPAN
Sensitivity |
86 dB |
IEC Power handling |
> 200 W |
Impedance |
4 Ω |
Frequency Response |
40 Hz – 25 kHz (± 3 dB) |
Weight |
7.6 kg |
Dimensions (W x H x D) |
202 x 350 x 294 mm 7.9 x 13.8 x 11.6″ |
KEF LS50
KEFの50周年記念モデルです。
他のモデルに比べると少し値段が低めですが、何故ならこのスピーカーにハイエンドに迫る実力を持っているからに他ならぬからです。
KEFといえば何よりスピーカーから鳴らず頭の中心で鳴るような独特な聞こえ方が魅力的です。
決して特別広い範囲で鳴るという感じではなくて、スピーカーの中心点にひとつ高性能なスピーカーがあるようなイメージです。
ニアフィールド用のスピーカーで、離れて小さい音量で聴くとあまりはっきりとしない音に聞こえます。
しかしニアで聴いたり、あるいは少し離れていても音量をかなり大きめにした場合には非常に素直な音を聴かせてくれます。
飾り気はないけど素っ気なくはない、しっとりかつ鮮やかなまとまった音が中心から押し寄せる。
スタジオのコントロールルームでモニタリングしているときのことを考えると、真ん中で鳴るために音に集中しやすく意識して聴くことができます。必要以上に左右に散ってしまわないことはステレオフィールドを設定するうえでも正確な位置を把握できるという意味で重要なポイントだと思います。
フルレンジスピーカーでトゥイーターとウーハーが同じ位置にあるので、より音の位置がはっきり聞こえるように、という意図があると思います。
KEFは目の前で鳴るので、MDR-Z1000(ヘッドフォン)のように集中してモニターできます。
対して、隣にあるB&W PM1は分解能力が非常に高く、そして楽器の位置が半円形に配置したようにサラウンドで聞こえるので
特性としては対極にあります。ですが、2つともモニター向けの音質で低音から高音まで過不足無くバランスよく鳴ります。
価格的にはKEFのLS50がペアで10万円程なので、ペア25万円のPM1と比べるとコストパフォマンスに優れます。
DAWなどでのリスニング目的でしたら素晴らしい選択の一つになると思います。
そういうことで、集中して聴く素直なモニターサウンド。楽器のフィーリングを感じられるようなサウンドで、打ち込みやエディットされたポピュラーミュージックもマスターテープの雰囲気を感じられます。
なかんずくストレートなロックはアーティストがどんな音でアンプを鳴らしているのか、どんなシンバルが響いているのか現場が見えるような、ちょっといつもとは違う楽しさがあります。