処方箋と市販薬の違いとは
身体がだるい時、喉が痛い時、咳が出るとき、そんな時に病院にかかるか、市販薬で済ましてしまうか悩む事があります。
処方箋と市販薬はどうちがうの?という疑問を解説してゆきます。
市販薬の薬の量と強さ
最近の市販薬のパッケージは、とてもインパクトのある物が多く、キラキラとした印刷加工がされていたり、赤い鮮明な文字で薬効が書かれていたりしますね。
ですが、具体的にどの成分が効くのか一般人には分かりません。
例えば「第一三共ヘルスケア」の「新ルル-A錠」は、このように紹介されています。
持続性抗ヒスタミン剤「クレマスチンフマル酸塩」と消炎酵素剤「リゾチーム塩酸塩」 配合で、のどや鼻の症状を緩和します。
ジヒドロコデインリン酸塩と、ノスカピン及びdl-メチルエフェドリン塩酸塩の作用によりすぐれた鎮咳作用を発揮します。
かぜの諸症状(鼻水、鼻づまり、くしゃみ、のどの痛み、せき、たん、悪寒、発熱、頭痛、関節の痛み、筋肉の痛み)の緩和
かぜ薬・解熱鎮痛薬関連として分類されています。
・クレマスチンフマル酸塩 1.34mg
・リゾチーム塩酸塩 (リゾチームとして)60mg
・アセトアミノフェン 900mg
・ジヒドロコデインリン酸塩 24mg
・ノスカピン 36mg
・dl-メチルエフェドリン塩酸塩 60mg
・グアヤコールスルホン酸カリウム 240mg
・無水カフェイン 75mg
・ベンフォチアミン(ビタミンB1誘導体) 24mg
薬剤師の観点から見ると、このように幅広く効果が出るように色々な成分が配合されていると言えます。
処方箋薬の薬の量
処方箋の現場ではクレマスチンは通常では2mg、リゾチームは180mgが使われます。
一方で、カロナール錠(アセトアミノフェン)は200mg錠が4錠半相当。
つまり、処方箋では別々に処方されるはずの薬が、総合的に一つのカプセルにまとめられています。
ですので、一般的な処方より弱い部分もありますし、一般的な処方よりも何倍も多い薬の量の場合もあります。
やはり、”総合かぜ薬”を謳っているだけあり、幅広い症状に効くように作られているようです。
処方箋と市販薬併用の注意点
例えば、花粉症対策の処方箋や、持病の頭痛による処方箋、また生理痛などでイブ・ロキソニンなど、一見、普段は薬を飲んでいないように思っているかもしれませんが、気付かないうちに同じ成分の薬を飲んでしまっている場合もあります。
つまり、市販薬も処方薬と同じ位に強い効果を持つものもあるので、薬の併用には細心の注意が必要です。
「一般薬=弱いもの」などと安易に考えて、処方箋と併用するのは危険を伴います。
ですので、もし併用する場合は担当の医師や薬剤師に相談する必要があります。
また薬のパッケージに書いてあるように、必ず適量を守る必要性もあります。
「すぐに効いてほしいから」といった安易な考えで、多く飲んでしまうのは危険です。アルコール飲料との併用も絶対にNGです。
パッケージに「5日位内に改善されない場合は医師に相談」などと合った場合は、無理に長期使用せずに病院に行くことを勧めます。